もしもドロップシッピング

2009年11月22日

書評207 曽根圭介「あげくの果て」

10年振りに自転車を買った。正確に言うと12年振りになるかな。ママチャリが壊れたのでロードバイクにしました。ママチャリは27インチで3段変速だったから速いは速いので重宝していたが、錆が全体的にひどく、タイヤもツルツルで、前輪のブレーキはワイヤが切れたし、後輪のディスクブレーキはあまり利かなくなっているしてこりゃ買い換えたほうが安上がりだなあという感じでした。
ロードバイクはバカッ速いのでゆっくり走るようにしています。高校生時代に3キロ先の学校まで5分で走っていたんですが、今になって思えばメチャメチャぶっ飛ばしていたので良く死ななかったなあ、というくらい無茶してました。もうしません、というかできません。
今度の自転車はタイヤが700Cなのでむちゃむちゃ細いんですが、その分摩擦係数が低く速いんです。雨の日はすべるかもというくらい速いし、乗り心地もゴツゴツしています。
しかも、前傾姿勢はやはり長時間の運転には向かないでしょう。中年の身には応えるわい。やっぱりリカンベントにするべきだったかなあと少し後悔。でもリカンベントは高いですわ)

内容(角川書店HPより)
これが格差社会の末路なのか!?貧困大国となった日本の、恐るべき高齢者排除計画。それぞれの理由を抱え、もがく人々に救いはあるのか。ホラー大賞乱歩賞W受賞の大型新人の才気が炸裂し、人を狂気へと誘う3つの物語。

曹源寺評価★★★★
乱歩賞作家にしてホラー小説大賞短編賞を受賞している曽根圭介氏の作品です。本書はホラーに属するんだと思いますが、ちょっとミステリタッチでもあります。「熱帯夜」「あげくの果て」「最期の言い訳」の3つの短編で構成されていますが、いずれも風刺が効いているうえにちょっと怖すぎでなかなかエグイ内容です。少なくとも、「最後の言い訳」は食前に読むことをお奨めしません。本書の表紙もあの奇書「独白するユニバーサル横メルカトル」で強烈なインパクトを残してくれたデザイナー先生(?)のものですので、これもエグサを倍増させてくれます。
ホラーでミステリといえば自分的には貴志祐介センセーが第一人者になっていますが、曽根氏のこのブラックなホラーも次回作を期待する一人にさせるには十分な内容ではなかったかと、つくづく思う次第。




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2009年11月16日

書評206 緒川怜「特命捜査」

ユニクロのWebカレンダーに癒されています。これええわ〜。人間や交通機関を遠くから長時間撮影して、それを早回しするとこんなにおもちゃになるなんて、ちょっと驚きです。
http://www.uniqlo.com/calendar/


内容(光文社HPより)
警察官も、人間。人に言えぬ過去がある。

取調室で被疑者死亡事件を起こした男性刑事、瀬川文秋。
親に捨てられ、孤独に生きてきた女性刑事、功刀(くぬぎ)沙矢子。
二人に与えられた極秘の特命は、かつてカルト教団が起こした連続爆破/集団自殺事件を担当した元公安警察官殺害事件の真相解明だった。
他人への無関心、メンツ、建前、セクショナリズム。組織の論理に振り回されながら捜査を進める二人だが、その真相は……。
ドラマティックな警察小説。
日本ミステリー大賞新人賞受賞第二作。長編書下ろし。

曹源寺評価★★★★
「霧のソレア」で日本ミステリー大賞を受賞した小川氏の最新作です。2作目で警察小説に挑むとは、なかなかやるじゃないですか。まあ、最近は雨後の筍状態であっちこっちに警察小説がはびこっていますのでそれほど驚きはしませんが、逆にあまりに蔓延りすぎて余程面白くないと見限られてしまうジャンルになりつつあるのではないかと、ちょっと危惧しています。
さて、本書はやるじゃないかと思ったとおり、なかなか面白く出来ています。刑事の過去、公安警察と刑事警察の確執、尾行点検、真相解明に立ちはだかる組織の壁、などなど、警察小説にありがちな要素をこれでもかと盛り込んでいて、それらがきちんと調和している(と言うほどでもないが破綻はしていない)ので読めるという、カタルシス寸止め、見たいな感じに仕上がっています。所々の描写がいかにも説明臭くて閉口させられますが、それ以外はテンポよく進んでいくストーリーに釘付けです。
次回作にも期待しましょう。




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2009年11月12日

書評205 池井戸潤「鉄の骨」

民主党が「事業仕分け」で存在感を出そうとしていますね。政治主導で改革していきますよという姿勢も国民に示すことが出来るから、その効果は抜群かもしれません。
事業仕分けを否定するつもりはありませんが、こんなペースで3兆円もひねり出せるのか少し疑問です。手っ取り早いのは公務員の給与を削減することですが、自治労をバックにした民主党では期待薄ですし、大きな政府に移ろうとしている方針も見え隠れしていますので、なおさら無理かなあと思ってしまいます。そして何より、官僚の逆襲はこれからでしょう。官僚を敵に回して良いことはひとつもありません。政権は長くは持たないかもしれませんね。


次の地下鉄工事、何としても取って来い」
でも談合って犯罪ですよね?
謎の日本的システムの中で奔走する、若きゼネコンマン平太の行末は――。
会社がヤバい。彼女とヤバい。
次に出る大型入札案件は、2000億円規模の地下鉄工事。
この一番札が取れなければ……。
プロの読み手を唸らせた超弩級ドラマ
情と理がせめぎ合う白熱の談合ドラマ。池井戸潤は日本の企業小説を変革する。――香山二三郎氏
背負ってきた旧い体制を捨てて日本が生まれ変わろうとしている今、この本が出版されることに運命を感じる。――杉江松恋氏
驚愕のラストはさすが乱歩賞作家。多様な読み方ができる極上エンターテインメントだ。――西上心太氏
政官業の鉄の三角形に放り込まれた若く純なゼネコンマンの心に、あなたの心を重ねてみて欲しい。――村上貴史氏

曹源寺評価★★★★
「空飛ぶタイヤ」以来の池井戸氏の新刊ということで、いそいそと書店に赴き買い求めました。そして、わずか1.5日で読了してしまいました。読みやすく、それでいてリアルな談合を描いていてドップリはまる、そんな作品に仕上がっています。さすがは直木賞候補だけあって、リーダビリティはさすがというべきでしょうか。そして、談合をテーマにここまで(あまりミステリタッチではないにせよ)描ききった作品もあまりないように思えます。そういう意味では池井戸氏の元銀行マンならではの切り口に拍手を送りたいと思います。
しかし、しかしですね、本書は「空飛ぶタイヤ」には及ばないなあというのが率直な感想です。なぜなら、結末が途中で透けて見えてくること、同時進行する恋愛話が少し陳腐なこと、そして、悪役の描写が少なすぎること(これに関しては、談合こそが真の悪役であるという見方も出来なくはないでしょうが)、この3つが読後の満足感をスポイルしているような気がします。
それでも、良書であることは間違いないでしょう。わが社の社員には読ませたいですね(ってオレは社長じゃねえし)。




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2009年11月08日

書評204 東野圭吾「聖女の救済」

先日、就職相談を受けていた大学4年生の女の子から内定の連絡を受けました。希望していた食品会社が全滅で、エステやソフトウェアなどにも触手を伸ばしていて、結局決まったのがリフォームなどを手がける企業ということでした。会社名を聞いたら、ちょっとブラック会社で有名なところだったので呆然としてしまいました。いまさらやめろとは言えず、とりあえずオメデトウということで終わったのですが、何のために相談に乗ってあげたのか、なんとも虚しい気分です。
まあ、そんだけ厳しいご時世だということですかね。バブル入社のオジサンにしてみればカワイソ過ぎますが。

内容(文藝春秋HPより)
『容疑者Xの献身』から3年。今度のガリレオの敵は、女!
男が自宅で毒殺されたとき、離婚を切り出されていたその妻には鉄壁のアリバイがあった。湯川が推理した真相は「虚数解」だという
直木賞を受賞し、年末のミステリーベスト10企画で軒並み1位に輝いた『容疑者Xの献身』は紛れもなく東野さんの代表作ですが、そのシリーズ最新長篇が、満を持して登場します。今回、探偵ガリレオこと湯川が迎えた新たな敵は――女です。 会社社長が自宅で毒殺された。女性刑事・内海薫は離婚を切り出されていた妻を直感で疑うが、妻には鉄壁のアリバイがあった。捜査が難航するなか、湯川が推理した殺害方法は、「虚数解」。女性ならではの非論理的な思考が編み出した驚愕のトリックを、湯川は証明することができるのか。

曹源寺評価★★★★
ガリレオ・シリーズは長編でも短編でも面白いですのですが、長編だといささか冗長な感じに仕上がってしまうことがあるのは致し方ないところでしょうか。犯人があらかじめ分かっているのに、犯罪の動機やトリックが謎のままという状態が続くのがあまり好きではないのかもしれません。容疑者Xのときも同様でしたが、あちらには最後のどんでんがあったのに対し、本書はあれほどのどんでんがなかったのが要因でしょう。トリックは全然思いつきませんでしたし面白いは面白いのですが、何かを期待しすぎると裏切られてしまう、そんな本です。
このトリックについては、浦沢直樹先生のなつかしのマンガ「パイナップルアーミー」のなかのとある作品を思い出しました。「女性ならではの非論理的な」トリックと言えなくもないですが、パイナップルアーミーでは本書のトリック以上の爆弾の仕掛け方というのがありました。決して女性だけにできるトリックとは思えませんが、場所的には女性だけしかできないかもしれません。これ以上はネタバレにつき内緒。




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2009年11月04日

書評203 佐々木譲「廃墟に乞う」

久しぶりにゴルフしたら、肩が筋肉痛になりますた。やはりテニスとは使う筋肉が違う。
最近は自分の悪い癖がある程度分かるようになってきたので、プレー中にその悪癖を修正することができるようになりました。しかーし、修正すると今度は別の悪癖が出るんですわ。もうホントに難しいわ。止まっているボールを打つほうが難しいなんて、普通はありえんなあ。

書評203 佐々木譲「廃墟に乞う」
内容(文藝春秋HPより)
北海道警察捜査一課仙道孝司――現在、休職中
道警の敏腕刑事だった仙道孝司は、ある事件をきっかけに療養中の身。やっと回復してきた仙道に、次々とやっかいな相談事が舞い込む
『警官の血』『笑う警官』(今秋映画公開)など、話題作を次々と発表している佐々木譲さん。待望の新「警察小説」、『廃墟に乞う』が小社から刊行されます。主人公は、北海道警察捜査一課捜査員・仙道孝司。「ある事件」をきっかけに自宅療養をしている仙道は、休職中という自由な立場を生かして、持ち込まれた事件の捜査をします。警察手帳も持たず、拳銃も持てない仙道がどのような捜査をするのか? ニセコ、夕張などを舞台に、北海道が抱える社会的問題を鋭く描く第一級のエンターテインメントです。

曹源寺評価★★★★
いまや警察小説の旗手となってしまった佐々木譲先生ですが、彼の描く警察官は今野敏先生や横山秀夫先生とも異なり、地味だけれども真っ当な、派手さはなく無骨で、正義感に溢れている人物というところに共感を覚えます。恐らく、佐々木先生は北海道警察の実態をあの裏金問題からつぶさに観察してこられたのだと思いますが、その過程において、ほとんどの警察官が真面目で正義感たくましく、悪を許さない気概に燃えている人達だったのではないでしょうかと想像します。現場の警察官を尊敬しなければ描けない、そんな主人公を作り上げていて、これが読む人をグッと惹き付けているのだと思います。
本書の主人公である仙道孝司もその一人です。標題の「廃墟に乞う」はある意味虚しさ溢れる内容ですが、休職中の警察官が働かせる推理にストーリーテラーとしてのうまさを感じずにはいられません。やっぱり氏の作品は良いですね。本書もまた、彼の多くの作品群に新たな一滴を垂らしたと言えましょう。




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2009年10月28日

書評202 郷原信朗「思考停止社会〜遵守に蝕まれる日本」

朝晩がめっきり冷え込んでまいりました。乾燥してのどが痛くなる季節でもあります。風邪などひかぬようご自愛ください。

それにしても眠い。。。


内容(講談社HPより)
日本の経済と社会を覆う閉塞感の正体
建築不況、食品偽装、市場混乱、メディアスクラム、裁判員制度……。日本停滞の背景には「法令遵守」からさらに進む、なんでも「遵守」の害があった!コンプライアンスの第一人者が問題を鋭く指摘、解決策を示す。

目次
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第1章 食の「偽装」「隠蔽」に見る思考停止
第2章 「強度偽装」「データ捏造」をめぐる思考停止
第3章 市場経済の混乱を招く経済司法の思考停止
第4章 司法への市民参加をめぐる思考停止
第5章 厚生年金記録の「改ざん」問題をめぐる思考停止
第6章 思考停止するマスメディア
第7章 「遵守」はなぜ思考停止につながるのか
終章 思考停止から脱却して真の法治社会を


曹源寺評価★★★★
尊敬してやまない郷原先生の著書です。コンプライアンスを語らせたら右に出る者はいないとされる郷原先生が今回著したのは、物事の本質を見極めずにあーだこーだとわめき散らす有識者やマスゴミの意地汚さというか、本当に何考えてんの?みたいな思考停止状態を厳しく諌めている内容の新書です。
常日頃、企業のプレスリリースや業界のニュースなどに触れているため、いわゆる「メディア・リテラシー」というものにはかなり敏感になっている自分ではありますが、実に論理的にズバズバと斬る郷原先生の文章には圧倒されます。メディア・リテラシーとは「情報を使いこなす」とか「情報を主体的に読み取る」とか「情報を自ら発信する」とかいろいろな言われようをしていますが、個人的に言わせていただくならば「情報を客観的に見る力」だと思っています。日本人は活字になっているものをありがたがる性質があり、活字になっているものはすべて正しいと思い込んでしまうところがある――
これではあきまへん。ま、たぶん小学校や中学校で教科書を一所懸命読んだ人などは「教科書に書かれていることはすべて正しい」とでも洗脳されてしまっているのではないかとちょっと危惧します。
情報を客観的に見るというのは、自分も大学生の時に教わりました。本を一冊与えられて「作者の主張を批判しなさい」という宿題が出たことがあって、それ以来、感想文を書くのが非常に苦手になってしまったわけですが、客観的な視点だけは今も残っているのだなあと感じてしまいます。おかげでかなり助かりました。相手のつくうそを一発で見破ったりするためには、情報のソースをまずはしっかり自分のものにしていただければと思います。





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2009年10月23日

書評201 遠藤武文「プリズン・トリック」

これ面白いね。


私女だけど彼氏の財布がマジックテープ式だった 死にたい。。


     ∧_∧
     ( ゚ω゚ ) 支払いは任せろー
 バリバリC□ l丶l丶
     /  (    ) やめて!
     (ノ ̄と、   i
            しーJ

そういえば、中学生のときはマジックテープがついていたような気がする。さすがに、今は周りを見渡してもいないわね。いたら絶対コーヒー吹く自信があるわ。


内容(講談社HPより)
交通刑務所で発見された変死体。
「前へ倣え」姿の死体のそばには、「石塚、死すべし。宮崎」と書かれた紙があり、宮崎春雄が行方不明になっていた。
刑務所内での密室殺人の裏に隠された、恐るべき計画と真実とは――。

曹源寺評価★★★★
本年度乱歩賞受賞作品です。今回は帯に「乱歩賞史上最高のトリックだ」と東野圭吾氏のコメントをでっかく入れていたものですから、速攻で買いに走ってしまいました。
で、あっという間に読んだわけですが、確かにトリックとしてはなるほどなわけです。トリックに関しては言うことないですね。良くできています。
でも、審査員諸氏が指摘しているように、不要な文章はあるし、表現が粗雑な箇所もあるし、なによりラストはちょっと反則でしょうみたいな感じですし、いただけないところは目に付きますね。
でも、交通刑務所の実態がよく分かったのは収穫です。長期間に亘って復讐心を持続させている人々も多くいることは分かっていますので、こういうストーリーはありだと思います。




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2009年10月19日

書評200 東野圭吾「ガリレオの苦悩」

うー、ブログ更新が滞ってしまいました。すんごい忙しかったわけではなく、疲労が蓄積していたのだと思います。読んだ本が溜まりましたので少しペースを上げていきたいと思います。


内容(文藝春秋HPより)
ガリレオ・シリーズ久々の短篇集、長篇と同時刊行!
「悪魔の手」と名乗る者から、警察と湯川に挑戦状が届く。事故に見せかけて殺人を犯しているという彼に、天才科学者・湯川が立ち向かう。
福山雅治が物理学者・湯川を演じて映像化され、空前の大ベストセラーとなったガリレオシリーズ。長篇だけでなく、その新作が今回はなんと2冊同時刊行されます。 こちらは『探偵ガリレオ』『予知夢』と同じ、短篇集です。長篇では脇に回りがちな湯川が、短篇では堂々の主役。必ずしも積極的に警察に協力し、喜んで謎を解いているわけではない湯川の“苦悩”が描かれ、彼の人間性が窺えます。 読者のためにと、著者の意向で書き下ろしも加えた贅沢な1冊になりました。

曹源寺評価★★★★
久しぶりのガリレオですが、なんだかテレビドラマ化されてからのガリレオはとてもテレビ脚本を意識したようなう作りこみになっているような気がするのは自分だけでしょうか。湯川に敵愾心を持つ犯人との対決なんてとっても映像向きの内容ですね。読者に少しこびているように感じてしまったので、その分減点となります。
でも、内容はやはり東野センセーならではの理系トリックが炸裂していますので、よくもまあこんなトリックを思いついたりするねえといつもながらに感心させられます。





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2009年10月06日

書評199 高嶋哲夫「追跡 警視庁鉄道警察隊」

久しぶりに甲府まで出張してきました。JR中央線も高尾を過ぎると景色が一変して、のどかな田園風景になります。今日は天気が悪かったですが、逆に雲がとても低い位置で流れていましたので、少し新鮮でした。
山梨学院大学に行ったのですが、甲府のひとつ手前にある酒折という駅はもう、山梨学院駅というくらい駅前からドーンと施設が林立していますよ。聞けば、幼稚園から小中高、大学、短大、大学院、法科大学院まであるとのこと。カネ持ってるわー。


内容(角川春樹事務所HPより)
東京都内を運行する列車内で、スリと切り裂き事件が相次いで発生した。『多国籍スリ集団』と呼ばれる犯人たちは、お年寄りや、女性を狙い、乗客を集団で取り囲み、連携して犯行に及ぶ。一方、『切り裂き魔』と呼ばれる犯人は、女性のバッグを狙い、ゲリラ的に切りつける犯行を繰り返していた。警視庁鉄道警察隊新宿分駐所の小松原たちは、犯人グループを追い、警乗に追われていた。日々拡大する被害、エスカレートする犯行。鉄道隊の威信を賭けて辿り着いた犯人像とは!? 凶悪な列車内での犯罪に立ち向かう鉄道警察の姿を描く、著者渾身の書き下ろし長篇小説。


曹源寺評価★★★★★
鉄道警察隊を舞台にした小説というのは少なからずあるようですが、自分としてはこれが初めての作品でありました。警察のなかでも皇宮警察と同じくらい地味な存在ですかね。あまり興味はありませんでしたが、警察小説好きとしてはやはり読んでおかなくはと思い、手に取りました。本作はうーん、鉄道警察隊の内情とかですね、読んでしまうと「なんだ、こんなもんか」くらいの感想しか思い浮かばないんですね。もっと詳細なプロットを期待していたのですが、ちょっと肩透かしを食らいました。警察ものはどうにもイマイチ感が漂うんです。犯人もすぐ分かってしまうし、主人公の立ち位置が良く分からず、感情移入できません。キャラクターがイマイチなのかもしれないですね。地味すぎるというか、リアルすぎるというか。やはりこの人は災害危機をテーマにしたほうが良い作品が書けますね。でも災害ものは台風、洪水、地震、津波、原発事故、都庁爆破。。。もうネタ切れですか?




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2009年10月01日

書評198 歌野晶午「絶望ノート」

民主党政権に代わってから、まだ一度も通常国会が開かれないうちにダム問題、為替問題、天下り問題と次から次へと噴出しているわけで、それでもテレビのトーンは民主党擁護でなんだか気持ち悪いですね。
故人献金も続報が入っている新聞に比べ、テレビの扱いは異常なまでに少ないし、何より法務大臣の千葉景子はもうド左翼であることが露呈されているにもかかわらず、これっぽっちも報道されないと言うのは、もうね、なんだか、日本ヤバスって感じですね。
かつて、杉浦なんたらという奴が法務大臣やっている時に、死刑執行の判子を一回も押さなかったことで「怠慢」とか「法相失格」とかさんざっぱら叩かれましたが、千葉景子が死刑執行のサインをするとは到底思えず、しかも「不法滞在者に寛大な姿勢を」みたいな発言してかなり顰蹙を買っている現状において、すでに法相失格なわけですが、これも全然報じられていない。自民政権だったら即罷免ものですが、一体この国はどうしちゃったんだい?

内容(幻冬舎HPより)
日々いじめられる中学2年の太刀川照音は苦しみを日記帳に書き連ねた。ある日「神様、是永を殺してください」と書くと、是永は屋上から転落死した。以降、次々に死ぬ級友と教師たち――。

曹源寺評価★★★★
あぁ、またしても歌野センセーにやられてしまいました。いつもいつも最後の最後にドンデン返しが待っている歌野作品は、どんどん読みやすくなってきています。ですから、すらすら読めて物語がどんどん進んでいくところに、ドカンと仕掛けがあったりして「えっ、何?」みたいな感じでやられてしまうわけです。
本書は壮絶ないじめにあった(!?)中学生が書き綴った「絶望ノート」をめぐって巻き起こる騒動を描いていますが、なかなか人間の本質を突くコトバと言いますか、行動原理といいますか、心理学みたいななるほど感が織り込まれていて、この人はやっぱりすごいなあと改めて感じる次第です。それが何かを書いてしまうと、ネタバレになってしまいますのでやめておきます。この作品はネタバレしてはいけないでしょう。
ぐうたらでジョン・レノンの格好をしている奇妙なキャラクターの父親、二度目の結婚でそんな夫と別れるに分かれられない母親、自己陶酔に終始する担任教師、そして典型的だが最もばれにくいいじめを仕掛ける同級生たち。こんな設定ですが、やはり歌野センセーはキャラクターの設定で読ませる人ではなく、ストーリーテリングで読ませる人ですね、他の人にはまねできない上手さを感じました。




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