ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

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2015年09月04日

書評644 東野圭吾「虚ろな十字架」

こんにちは、曹源寺です。

佐野エンブレム事件は本人の取り下げによって一応の幕引きが図られていますが、いろいろと残ってしまった疑惑が多すぎて、いまいち釈然としない人も多いのではないかと思います。
なぜ審査費用に50億円もかかっているのか、とか
なぜ修正の必要な佐野案が残ったのか、とか
なぜ修正してまでこの案に固執したのか、とか
なぜ審査委員は何も言わないで黙りこくっているのか、とか
なぜ佐野のデザインにはパクリ疑惑が多いのか、とか
なぜ一部のマスゴミは佐野を擁護しているのか、とか

デザイン業界が受難、とか訳のわからない問題のすり替えに走っている人とかもいますね。佐野の問題は「劣化パクリ」なのが問題なんであって、業界の話しに摩り替えるのは卑怯です。あのパクリはオマージュでもインスパイアでもないですわ。あれは「やっつけ仕事」でしかないですね。横手市の「涼」のデザインがまさに象徴的です。あれは本当に酷い。サントリーのトートバッグとこの横手市のポスターが彼の力量を物語っているのではないかと思います。






内容(光文社HPより)
動かない事実がある。彼女は、もう戻らない。
別れた妻が殺された。もし、あのとき離婚していなければ、私はまた遺族になるところだった。
東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、深い思索に裏付けられた予想もつかない展開。
私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。


曹源寺評価★★★★
東野センセーの作品群には時折、非常に重いテーマで書き上げる作品があります。過去には「白夜行」とか「殺人の門」「さまよう刃」あたりがそうでしょう。最近では「麒麟の翼」あたりがやや重い内容になりましょうか。本書はそのなかでも久々の陰鬱な、暗く重いテーマと内容の作品と言えましょう。
強盗殺人の被害でわが子を失った過去のある主人公の中原は、別れた妻が殺人事件の被害者となったことを知ります。あぁ、これだけでもう「どんだけ不幸なんや」と思ってしまうのですが、中原は分かれた妻、小夜子の遺稿を読んだことでこの事件に違和感を持ち始めます。
登場人物がバラバラに動いていて、それが本書の半分を過ぎた辺りから徐々に結合を始めていきます。そして後半は一気に真相に突き進んでいき、ラストに待っていたのは

ビミョーな過去の事実でなんだかなー状態

でありました。確かに、一人の命を奪ったら、奪ったやつの命で償わなければならない、とするのが死刑原理主義とでもいえる理屈になりますが、

(以下、ネタバレ的)じゃあそれが胎児だっだらどうなのか、とか、1,000人で一人の命を奪ったらどう償えばいいのか、とか、あるいはその逆に、一人で数百人の命を奪ったヤツはどう制裁すれば良いのか、とか、いろいろ考えさせられるわけです。
今の法律では極刑が死刑しかありませんし、その次は無期懲役しかありません。事実上の二択なわけでありまして、この少ない選択肢のなかから量刑を選択しなければならない現実をどう捉えたら良いのか、という命題も浮かび上がります。なるほど、単純に死刑に賛成か反対かといった二元的な議論ではなく、犯罪や償いに対する様々な量刑の選択ができるシステムみたいな、そんな法体系もあって良いのかもしれないですね。

と、いろいろなよしなしごとが思いつくのですが、それはさておき、本書は死刑は人を幸せにするのか、あるいは死刑廃止で人は救われるのか、という本質の部分においていろいろと考えさせられます。そして、本書の記述(なかでも死刑囚の気持ち)は死刑賛成論者も反対論者も胸に突き刺さるのではないかと思います。





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posted by 曹源寺 at 18:26| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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