ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

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2015年09月18日

書評648 倉山満「嘘だらけの日中近現代史」

こんにちは、曹源寺です。

昨日の国会は相変わらずおかしなことだらけでありました。立法府の人間が法に従って粛々と議事を運営することができない状態というだけでもうおかしいわけですが、ミンス党は実力行使に出てきた時点で「話し合っても通じる相手ではない」という状況を自ら作り出してしまったわけです。
「話し合っても通じない」のは国会だけではなく、むしろ世界中のあちこちで見られる現象です。話し合っても通じない場合があるからこそ、こぶしを振り上げる用意をしておく必要がある、と体現してくれたのが今回のミンス党です。ミンス党はみずから、法案の必要性をそれこそ身体を張って教えてくれました。相変わらず言っていることとやっていることがちぐはぐな党だなあと、冷めた目で見るしかないですね。
そもそも、極論を言えば、自衛権というのはどんな国でも自然発生的に保有しているわけで、それに対して集団とか個別とか線引きをすること自体がどうなんだ、という理屈もあります。戦争をしない、というのは自衛権さえも放棄すると言っているのに等しいわけで、「侵略はしない」というなら話は分かりますが、戦争という外交手段と侵略という行為をごちゃまぜにしている人がいかに多いことか。

話がややそれますが、「極論を言うとその本質が見えてくる」というのはどこかの誰かからの聞きかじりではありますが、意外とその通りだなあと思うことが多いです。
以前、同じ部署の国立大卒の部下が「冷凍庫はいっぱいものが入っていたほうが節電になる」などと訳のわからないことを言い出したので、「じゃあ、空っぽと満タンではどっちが節電になる?」と聞いてみたら、「そりゃ、空っぽのほうでしょ」と言うので、「だったら、どのくらいまで入れたら節電になるの?」と言ったらやっと理解してもらえた、ということがありました。冷凍モノが自分の力で冷凍しているわけあるまい、という理屈も極論を言わないと理解されないことがあると、そのとき初めて分かりました。


内容(扶桑社HPより)
「そもそも中国は近代国家ではありません。近代国家の尺度で中国を判断するから見誤るのです」。――気鋭の憲政史研究者が「嘘にまみれた中国」の正体を明かす。


曹源寺評価★★★★★
倉山センセーの「嘘だらけの〜」シリーズは、なかなかにダイナミックですが、それ以上にエキセントリックでもありますので読むには注意が必要です。エキセントリックゆえに史実の細かな間違いを指摘されたり、冷静な分析ができていないなどと批判されたりしますが、まあ、多少は過激な意見があったとしても面白ければ良いかなぁと思ったりします。
前回は「〜の日米近現代史」を読みましたが、ウイルソンがバリバリの反日大統領だったなどの薀蓄がそれなりに楽しい作品でありました。
本書はセンセーにとってはおそらく門外漢的な中国古代史を含む内容なので、近現代はともかく、古代から中世にかけては多少浅い内容となるのは致し方ないだろうと思います。
それでも、大正デモクラシーから昭和の開戦までの細かな史実をたどっていく作業においては、倉山センセーの正論を正面から受け止める必要はあると思います。
本書と同時に、水間政憲氏の「ひと目でわかる〜」シリーズも読みましたら、ああなるほど、大日本帝国はこうやって間違ってしまったわけだなあと理解することができます。大きなミスはいろいろあったと思いますが、「大局を見誤ったこと」「プロパガンダを軽視したこと」「外交の失敗」あたりが相当の痛手となったに違いないということが分かります。
ほぼ無政府状態になっていたエリアで日本軍あるいは関東軍が統治を目的に軍事介入した事例は数多くありましたが、「通州事件」で多くの日本人が殺害されたことや、「南京事件」というありもしない事件をでっち上げられたこと(西欧諸国も当時、まったく報道などされてはいない)など、Chinaのプロパガンダに日本は負けっぱなしです。
歴史を学ぶということは、歴史を通じて同じ轍を踏まないことであると思うのですが、日本の外交をフォーカスするとどうも歴史を繰り返してはいないかと心配になるレベルです。
日本の近現代史に関する本を読むと、

教科書レベルで知っているだけでは何の理解にもなっていない

ということが非常に良くわかります。特に、明治維新から50年で英米露独日という大国の立場にまでのし上がった日本が、なぜ国際連盟を脱退したのか、とか、なぜChinaでずるずると戦闘行為が続けられていたのか、とか、なぜ勝ち目の薄い米国にケンカを売ったのか、など、学校では教えてくれないことをさまざまな書物から学ぶ必要はあると思います。いきなり本書から行くのはどうかと思うレベルですが、読むべき本の一冊になれば面白いかなあとも思います。






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posted by 曹源寺 at 16:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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