ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

過去ログページ

2015年10月16日

書評655 前川裕「死屍累々の夜」

こんにちは、曹源寺です。

今週はかつてないほどの膝痛で、いよいよ老人の仲間入りかと思いました。最初に整形外科を尋ねたときは「変形性膝関節症」と診断されましたが、セカンドオピニオンを聞きに別の整形外科に行ったら「鵞足炎(がそくえん)」と診断されました。一体どっちやねん?と思ったら、痛み方がこっちだろうということで鵞足炎に落ち着きました。このビョーキ、痛いときは膝に釘を打たれたかのような痛みが走ります。でも、テニスコートに立つとあまり痛くないんですよ。おかしいな。
治すにはストレッチと休息が必要だそうなので、少なくともストレッチは始めようかと思います。あと、シューズのインナーソールをいいやつに代えるのも効果ありということなので、いろいろと投資しようかと思います。

内容(光文社HPより)
1984年7月4日。
本駒込の老舗旅館「はぎのや」を木裏健三がはじめて訪れた。
悪夢はそこから始まり、醒めることはなかった。
30年を経て、なお多くの謎に包まれたままの「木裏事件」。命を落とした者は20人に迫り、信用に足る証言は少ない。事件に関連して叔父を亡くしたジャーナリストは、渦中にいながら今もなお生きながらえているひとりの女性の行方を突き止める。彼女の口から語られた、事件の意外な真相とは──。


曹源寺評価★★★★
前川センセー今のところ全部読破していますが、本書はちょっと重過ぎましたね。元々ホラーまでいかないけれどかなりキツめの事件(とそのシリアルキラー)を題材とするセンセーではありますが、本書の(もちろん架空ですが)木裏事件はかなりキツめで正直胸糞悪いです。
「ある取材記者のノンフィクション」という体裁で書かれているのですが、事件の全容はだいたい途中で分かります。木裏健三という高学歴にして悪徳の極みに到達したような男のしでかした事件を半分小説、半分ルポ的に書いたような内容です。この胸糞の悪さがどこに起因するかというと、前半の旅館乗っ取りの場面にありましょう。無辜な市民が毒牙にかかるところからタイトルの通り死屍累々です。
金を貸す→返せと迫る→返せなければ権利証よこせ→監禁する→暴力に及ぶ→ここまでやっちまったら殺さないわけにはいかない→殺す→埋める→権利証はどこだ→親戚も拉致→監禁する→ここまでやっちま(ry

ガクブルですわ。

この前半の描写がかなり強烈ですので、木裏の放つ悪のオーラにムナクソ指数MAXとなります。ここをガマンして中盤に進むと、そこからは一気読みでした。後半の展開はかなりスピーディで、先手先手を打つ木裏を少しずつ追い詰める警視庁の伊吹刑事が活躍します。
ラストはどんでんがあるわけではないですが、それほどもやっとはしないですね。ただ、よくよく考えてみると(以下、ちょいとネタバレ)

あれほど頭脳的で冷静沈着な木裏がボロを出しては逃亡せざるを得なくなるという展開だけはちょっともやっとするかなぁ。あとは田辺のじいさんがどうにもクソすぎてもやもやですな。
前川作品にありがちですが、ラストは悪党が裁きにかけられずに死んでいくという展開がよく目に付きます。シリアルキラーの最期なんてそんなものかもしれませんが、同じシリアルキラーとして著名な作品である「悪の経典」のように最期警察に捕まったからこそ恐怖が残る、というような展開よりは安心なのかもしれないですね。





いつもご覧いただき、ありがとうございます。
たまにはクリックしていただけるとうれしいです。
banner2[1].gif
posted by 曹源寺 at 15:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
最近の記事
カテゴリ
過去ログ
検索
 
最近のコメント
タグクラウド
<< 2015年10月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
リンク集