ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

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2015年11月17日

書評664 五十嵐貴久「炎の塔」

こんにちは、曹源寺です。

フランス・パリの同時多発テロは死者100人を超す大惨事となりました。被害に遭われた方のご冥福をお祈りします。
と思っていたら、フランスでは自爆テロのことをKAMIKAZEと呼んでいるそうです。ちょっとキレました。テロと一緒にすんな!
軍人同士が国際法に則って行う戦争と、狂人どもが一般人を殺戮するだけのテロルを一緒にすんな!とも言ってやりたいです。まあ、シリアなんかは米露とISが入り乱れてとんでもないことになっていますので、内戦というより一方的な殺戮になっているのかもしれないですから、テロで反撃というのは武力に劣る側の最終手段になってしまっていることは分かります。つまり、普通の戦争(変な表現ですが)では軍隊vs軍隊であったものが、現在の戦闘行為が多国籍軍vsゲリラになっているわけですから、ゲリラはゲリラとしての活動しかできないということですね。つまり、ゲリラを相手に戦闘行為を行ったら、その報復はテロになるということを軍隊側も理解しておかないといけないということです。

さて、そのテロリスト達はシリア難民に偽装して入国したのではないかと言われています。ちょっと気になったので日本国内における難民の数を調べてみました。法務省が取りまとめていますので数字を拾ってみましたよ。
nanmin.JPG
平成26年の難民認定申請数は5,000人!アバウトやんけ。でも前年比で1.5倍に増えていますね。10年前から比べると13倍です。
これを国別に見てみると、ネパールとトルコが多く、次いでスリランカ、ミャンマー、ベトナムと続きます。
nanmin2.JPG
日本では基本的に経済難民を認定していないので、つまり政治的要因でないと受け入れていないので民族問題や政治的対立問題を抱えている国が並ぶわけです。もっとも、リンク先の「難民と認定しなかった事例」のとおり、どうみても偽装難民ですありがとうg(ry というのもかなりの数でありそうですが。
トルコは親日国ですが、クルド人問題や隣国との軋轢などがあるため必然的に多いということになります(正確に言うと、トルコから来たクルド人ということでしょうか)。

日本も早く移民を増やして労働不足を解消し、経済的な成長を目指そうなどと言う人が後を絶ちませんが、いやもう見ての通りすでに増えてますよぅ。移民ではなくて難民ですが。イスラム圏の混乱だけが理由ではないみたいですから、この傾向はおそらく続くのではないかと思います。
ときに、中国からの難民ってなんぞや?弾圧の続く新疆ウイグル自治区ですかね。

内容(祥伝社HPより)
地上450メートルの超高層ビルが大火災に見舞われる空前の超弩級パニック小説!
崩壊した“安全神話”、襲いかかる炎、逃げ場のない密室
銀座のランドマーク「ファルコンタワー」。高さ450メートルを誇る日本一の超高層ビルが完成した。オープンの初日、タワーには震災を生き抜いた親子、重病を克服した夫婦、禁断の恋に落ちた教師と女子高生、離婚問題に直面する夫婦など、様々な事情を抱える人たちが訪れていた。そんな彼らに未曾有(みぞう)の大火災が襲いかかった。通称“ギンイチ”銀座第一消防署の若き女性消防士・神谷夏美は猛威をふるう炎の中、死を賭した任務に出動するが――。
完璧だったはずの防火設備はなぜ破綻したのか? 最上階に取り残された人々の運命は?
想像を絶する焔(ほのお)と人間の戦いを描く極上エンターテインメント!


曹源寺評価★★★★
炎の塔で検索をかけると「中央大学炎の塔」というのが真っ先に結果表示されるのですが、これ始めて知りましたよ。何じゃらほいと思って見てみたら、法学部の学生しか利用できない研究棟だそうで、他の学部生は知らないみたいですね。どうでもいいですね。
さて、本書は銀座十丁目にオープンした高さ450メートル、100階建ての超高層ビルがオープン当日に火災に見舞われるというパニック小説であります。
主人公(だと思う)神谷夏美は若き消防士で父親が伝説の消防士という設定です。体力のなさから辞表を提出したさなかに日本一の超高層ビルから火災が発生したとの通報を受けて臨場するのですが、原因不明の小火があちこちから発生するという謎展開に加え、いきなり小規模な爆発が続き40階、70階、95階などで続々と火の手が上がる超高層ビルにしてはあまりにも信じがたい展開に現実感を失ってしまいます。
火事の現場の常識を知らない自分ですが、あっちこっちで小規模な爆発が発生する展開に、これはないだろうと思っちゃうんですね。爆発って何よ。燻っている場所に酸素が急激に入ると発生する「バックドラフト」のことですかね。最初はそうやって書いてあったんですが、だんだんただの爆発になってしまって良くわかりません。
それと、内装材とか建材が燃えていったらそりゃもう煙もくもくですよね。炎よりも危険な煙に対してはあまり描写が多くないのでその辺のことは(突入するから)あまり書けなかったのかなあと勘ぐってしまいました。
ですが、超高層ビルの火災現場など誰も知らんわけでして、それを書ききった五十嵐センセーには

素直に賞賛すべき

だとも思います。ストーリー自体は結構面白かったですし、昔の「タワーリング・インフェルノ」を思い出させてくれました。そう考えると、高層ビル火災をテーマにした作品としてはタワーリング〜以来の大型作品ということになるのでしょうか。スリリングな展開であり、次の展開が気になるうまい作りこみであり、様々な人間模様が交差するヒューマンドラマでもあるという、一粒で三度おいしいところが良いですね。





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posted by 曹源寺 at 13:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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