ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

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2016年03月11日

書評695 梶永正史「警視庁捜査二課・郷間彩香 ガバナンスの死角」

こんにちは、曹源寺です。

5年前のあの日もこんな天気でしたね。東京は曇り空。東北は少し雪がちらついていました。
東京は交通機関がマヒし、やむなく徒歩で2時間半かけて帰りました。あとで周囲からは2時間半なんて早いほうだと言われました。娘は卒業遠足と称して鼠の国にいたので、帰りが明け方になりました。
5年て早いですね。あれからケータイをスマホに代えて、SNSでコミュニケーションを増やしました(いまはスマホからタブレットに進化)。通勤カバンはリュックタイプにして、革靴はアシックス製の歩きやすいものにして、電池と充電器、サバイバルキットを持ち歩くようになりました。オフィスの机にはチョコレートを常備しています。



東京に住む人間としては、映像の中だけでしか体験していない人のほうが圧倒的に多いわけですが、それでも強烈な体験だったと思います。人によっては人生観を変えたきっかけになったのかもしれません。自分もあの流れていく家と車を見て、なんという諸行無常だろうと思いました。1,000万円の車だってあっという間に流されて鉄クズになるという無力感というか価値観の転換みたいなものが何となく芽生えたわけです。もしかしたら、いま流行のミニマリストって、大自然の脅威を前になす術もなくなった人たちから生まれた思想だったりするんですかね。余計なものは持たなくても生活できるし、持ってもいつかは失うのだと悟ってしまったのかもしれません。
シンプルに生活することは良いと思います。さて、少し家の中を片付けますかね。
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内容(宝島社HPより)
アラサー女性刑事“電卓女”が追うのは、十万円の横領事件――だったはずが!?
33歳、独身、彼氏なし。金の流れを追い、捜査対象を数字で追いつめる
捜査二課の女性刑事――親の敵のように電卓を叩きまくる“電卓女”こと郷間彩香が、思いもよらぬ形で大型贈収賄事件に迫っていく!
『このミステリーがすごい!』大賞受賞作「郷間彩香」シリーズ、待望の続編が登場!捜査二課特殊知能犯罪係主任を拝命した彩香だったが、班員をまとめきれずに空回り気味。二課では課をあげて、業界大手の商社・亜秀商事の贈収賄事件を追っているが、新設されたばかりの郷間班は担当させてもらえない。「事件に大きいも小さいもない」と息巻く彩香は、亜秀商事の役員・峯の十数万円の横領容疑を追いはじめるが、峯と関係していた新田という男が何者かに殺され、大型贈収賄事件の末端をつかんでいくことになる――。


曹源寺評価★★★★
紹介文にもあるとおり、このミス大賞受賞作「真相を暴くための面倒な手続き」が書籍化された時点で「捜査二課 郷間彩香」となり、本書をもってシリーズ化されました。警視庁の捜査二課を舞台に、電卓を叩きまくる女刑事が主人公となって経済事件を解決していくというなかなかに異色な作品ですが、主人公と脇役のベテラン刑事のやりとりが面白く、郷間の心の声が女の本心をコミカルにえぐっています。このあたりは誉田哲也センセーの「姫川玲子シリーズ」初期作品に似ていなくもありません。
大手商社の贈収賄事件の横で、たった十数万円の横領を追う郷間班。実は事件の本丸に迫る重大な事実を掴むことになるというストーリーですが、なんともドラマティックですね。
捜査二課という地味な部署を長編で書くというのはかなり大変で、大抵は経済事件にとどまらなくなって殺人やら公安ネタやらに飛び火してしまいがちです。本書も同様に殺人事件が勃発しますので「またか」との思いもありました。しかし、本筋を見失うことなく捜査二課としての仕事を全うしていく展開は

ようがんばったでぇ

と思います。そのうえで、警視庁と神奈川県警の確執や、捜査二課と東京地検特捜部の縄張り争いといった定番の味付けも忘れてはいません。
警察小説としての出来栄えはまずまずと言って良いだろうと思います。
でも、タイトルは最初のほうが良いですね。なんでもかんでも警察の部署名を入れれば読者は食いつくだろうと思ったら大間違いです

といいながら食いついたのは自分ですorz





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posted by 曹源寺 at 15:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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