ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

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2016年04月26日

書評707 余命プロジェクトチーム「余命三年時事日記」

こんにちは、曹源寺です。

我が家ではシンプルライフに目覚めた嫁がいわゆる「断捨離」を始めておりまして、狭小住宅に詰まっていた無駄なものが次々と捨てられています。
ちょっとスッキリです。

しかし、本日の日経MJインタビューでみうらじゅん氏が出ていますが、このインタビューのタイトルが「ムダ・無意味こそ面白い」というやつでした。ちょっと気になりますね(リンク先内容は会員のみ閲覧可能です)。
彼のコレクションはムダの固まりですから、彼からムダを取り除いたら何もなくなってしまいそうです。ああいう人生もちょっとうらやましいです。

要らないものを捨てていく人生、捨てきれずにずるずると引きずっていく人生。どちらかというと自分は後者でした。異性に関しては、男性のほうがいつまでも未練たらたらだという記事を読んだことがありますが、その通りだと思います。女性のほうがスパーッと切り捨てていきますね。だから、シンプルライフも女性のほうが向いているのかもしれません。
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内容(青林堂HPより)
この妄想ブログは、100%現実化してきた!
余命三年を宣告されたブロガーが、残された人生をかけて、左翼や在日が知られたくない情報を暴露。
一度閉鎖され、その後復活したこともある不屈のブログがついに書籍化!
日韓、在日に関するさまざまな問題を暴き、今後の展開を正確かつ大胆に予測。
〈目次〉
序文 余命3年と宣告されて
第1章アメリカも一目置く日本
アメリカが世界で一番警戒しているのは日本だ/アメリカは日本の何を警戒しているのか/アメリカの苦慮と対日観の変化/日本とアメリカ、それぞれの「正義」
第2章 韓国の崩壊
韓国外交破綻へ一直線/駐留米軍「ゼロ」が意味するもの/第一次安倍内閣時代の極秘交渉をあらためて読み解く/中韓通貨スワップ協定もあてにならず/UAE原発建設問題/韓国が隠蔽遮断した情報
第3章 在日の終焉
改正入管法で追い詰められる在日/在日韓国人徴兵が進行中/在日特権廃止に向けて/マイナンバーと在日特権/動き出した国税局/マイナンバー受け取り拒否をする人々/公安資料流失/新大久保嫌韓デモ/生活保護もあてにならず/ヘイトだヘチマだと叫んでも
第4章 在日韓国人への警告
反日感情の裏にあるのは日本人への恐怖心/事実を知れば全日本人が大きな復讐心を持つことに/テロ資産凍結法/ネット銀行口座凍結/もう悪いことはできない! 10万単位の凍結口座が存在?/在日が頼みとする司法の壁も必ず崩壊する/反日在日は有事になれば「外患罪」で全滅だ
第5章 通報祭り│日本人の逆襲
余命プロジェクトチームからTO君へ/入管通報用 自動通報ソフト/集団通報の目的と意味
第6章 余命1〜40号
番外編 日韓戦争
日韓戦争は起きるのか/現状と戦後史/日本の態勢/日本の態勢/韓国の態勢/戦争の見通し/戦争の後始末とその後
エピローグ 日本人の民度と国家間の優劣


曹源寺評価★★★★
えー、事前にお断りしておきますと、自分はレイシストではありません。ただ、客観的な事実にのみ基づいて冷静に過去の歴史と現代の問題を分析してみたいだけであります。
本書はAmazonランキングで瞬間的に1位を記録するなどネットでは話題になっている本でありますが、なぜか地上波、BSCS、新聞、ラジオなどのマスメディアではほとんど採り上げられないという何とも不思議な本であります。
内容は上記の通り、いわゆる嫌韓本の類でありますが、内容はものすごい衝撃的かというと、十年以上前に登場した「マンガ嫌韓流」のほうがインパクトが大きかったように思います。あれはマンガで読みやすく仕上げたことと、相手を論破する場面が非常に新鮮かつ内容的に衝撃だったというのがあります。
本書もまた、なかなか語られることのない内容で、嫌韓本に慣れていない方が最初に読んだら大変なことになること請け合いです。ある程度の「慣れ」が必要かもしれません。
個人的には第4章の「外患誘致罪」の適用範囲に関する記述がある意味新鮮でした。外患誘致罪は有罪なら死刑しかないという法律ですから、設置以降適用された人がいません。もしこれが適用されるような事態になったら、ものすごい衝撃が日本を走ること間違いないでしょう。
まあ、外患誘致の前に、

日本は早くスパイ防止法を制定したほうが良いなあとは思います。

日本人に危機感を植えつける一助になる本かとは思います。





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2016年04月22日

書評706 大沢在昌「魔女の封印」

こんにちは、曹源寺です。

震災を巡るマスゴミ報道のおかしさ、傲慢さ、自己欺瞞さ、みたいなものがネット上であちこちに貼られるようになっていて、政府を監視するのがマスコミならば、マスコミを監視するのはネットであるという力関係がだいぶ明確になってきたのではないかと思います。

今回の熊本地震でマスゴミがやらかした事件だけで打線が組めるようです。画像はリンク先でご覧ください。
1.被災地でガソリンの列に割り込み(関西テレビ)
2.ガソリン割り込みを擁護するために事実を捏造して擁護(仙台放送、梨本太一)
3.避難所にいる避難者に無慈悲な強力ライト照射(日テレ)
4.避難所に大量の車で押し寄せ避難者の駐車スペースを奪い配給妨害
5.そもそも配給の車の通行すら妨害
6.避難所の緊急の放送もヘリの音で妨害
7.避難所の椅子も奪う、避難者は地べたに座ってろ!
8.テレビ「被災地では食料が足りません!!」→でもテレビ局は被災地の食料奪う(毎日放送、山中真)
9.避難所のトイレ盗撮(テレビ朝日)


中には本当にひどいものがありますが、まあ安定のマスゴミですね。
ただ、こうした被災地での対応以上に腹が立っているのが、震災を利用したクズ報道です。

たとえば、オスプレイを飛ばして被災地に物資を送ったことを非難する報道。ヘリなら良くてオスプレイはダメですか。バカ言ってんじゃねえよ。一所懸命被災地を支援している行動にケチをつけるなと言いたい。893さんだって支援活動していますが、この活動自体は決して非難されるべきものではないでしょう。893さんはもともと任侠の人たちであって、むしろこうした対応をする組とそうでない組の違いが任侠道を行く人たちなのかそうでないのかを知るポイントになると考えるべきです。
非難すべきは、震災支援にかこつけて義捐金を騙し取っている連中ですよ。「被災地にお送りします」とは書いていなくて、「被災地の支援活動に役立てます」と書かれていたら、それは彼らの懐に入るお金に化けるということです。本当に気をつけましょう。

また、「民主党のときは激甚災害指定をすばやく行ったが、自民党は激甚指定していない。自民党の対応はすべてに対して遅い!」みたいな非難もありますが、これも間違いです。激甚災害指定は復興の際にどれだけ特別に予算を持ってこれるかの目安にはなりますが、指定しないからと言って復旧の妨げになるものではありません。復旧に必要なのは災害救助法の迅速な適用であって、激甚災害指定ではありません。「復旧」と「復興」の違いも分からん奴らが無駄に吠えているだけですが、碌に法律も知らん一般ピープルは騙されること請け合いです。

こうした欺瞞だらけの報道のほうが本当に頭にきます。上記のふたつは「ためにする」報道でしかないでしょう。震災の政治利用といわれてもしょうがないレベルです。

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内容(文藝春秋HPより)
男の人間性を一目で見抜く特殊能力を活かし、裏のコンサルタントとして生きる女性、水原。国家安全保障局(NSS)の湯浅より依頼され、堂上保という男について調査したところ、その正体は、1億人に1人しかいない新種の頂点捕食者(頂捕)であることが判明する。頂捕は容易に人間の命を奪うことも可能で、中国ではすでに、頂捕を利用した要人暗殺事件が起きていた。
やがて、この暗殺事件に関与した頂捕グループが、日本に潜伏していることが判明する。彼らは政府に身の安全を保証するよう求めた。それを断れば、日本の安全保障が脅威にさらされることになる。水原は頂捕との捨身の戦いに挑んだ――。
『魔女の笑窪』『魔女の盟約』に続く、『魔女』シリーズ第3弾!


曹源寺評価★★★★
「魔女の笑窪」「魔女の盟約」に続く大沢センセーの魔女シリーズ第3弾ということで、このシリーズもすっかり定着してきましたね。
とはいっても、前作が登場したのは2008年くらいだったと思いますので、あれから8年も経過してしまいました。忘れていましたよ。
主人公の水原はこの世の地獄とも呼ばれる場所で育ち、それゆえに「会っただけで相手のクセや性格、嘘などを一発で見抜く」という特殊な能力を持つようになった。オカマの元警察官、星川とコンビ(!?)を組み、裏社会を中心としたコンサルタントを営む。
前作を読まないとこうした前提条件が理解できない作品ですので、まずは前の2作品を読むべきかもしれません。読んだ自分も関西の暴力団とどんなトラブルがあったのかあまり思い出せませんので、読みながら

あーあーこんなこともあったねぇ

と邂逅しながら読むはめになっています。
そもそも大沢センセーの作品は登場人物の相関図を書くのに困るくらい複雑なうえ、それを思い出しながら読めというのは

過酷な修行でしかありませんわ

まあそれでも本書は「頂点捕食者」という新たな概念を生み出していただきましたので、スリリングかつ迫力あるスケールで読ませてくれました。
人類の進化もこうしたベクトルで考えると面白いですね。
展開は相変わらず、前半→なんだか登場人物が多そうだなぁ、中盤→事件が入り乱れてきたなぁ、終盤→こんがらがりすぎだよおいこれ収拾つくのかよ、ラスト→あれ、終わりかな?
という大沢ワールド全開の王道パターンでした。
よく分からんかったのは、(以下、ネタバレ全開)





頂点捕食者は結局のところ、何がしたかったんや?

という謎が、個人の欲望とか国家の都合とか日本の役人根性とかでうやむやになってしまったことでしょうか。

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2016年04月19日

書評705 「我が家のヒミツ」

こんにちは、曹源寺です。

改めて、15日から熊本・大分を襲っている地震で被害に遭われた方にお見舞い申し上げるとともに、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り致します。

先週の更新で、2062年から来た人の話を載せましたが、オカ板などろくに見もしないで書き込んだため、本当に再臨されていたとは知らず、適当なことを書き殴ってしまいました。
NEVERさんがすぐにまとめていました。

これ読むと、前回と同じ書き味を出していますので、同じ人っぽいですね。だから、証拠を出せと言ったのに。。。
お祭りじゃないか。半分信じて半分疑っている人で溢れかえっていましたわ。トランプは米大統領にはなれないとか、ここまで断言してくると本当面白いですね。次回は5月17日に来るそうですので、また楽しみに待ちましょう。

ってか、5月17日にまた地震が日本を襲うのか?

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内容(集英社HPより)
あなたの家族のヒミツは何ですか?
どこにでもいる普通の家族の、ささやかで愛おしい物語6編。
奥田英朗が贈る大人気家族小説シリーズ、待望の第3弾が登場!


曹源寺評価★★★★★
『家日和』『我が家の問題』に続く奥田英朗センセーの短編集シリーズ第3弾であります。家族小説という新たな(?)ジャンルを開拓中の奥田センセーが、日常の中の非日常を切り取って作った短編を6作盛り込んでいます。
「虫歯とピアニスト」
パートで歯科医院の事務をやっている主人公・敦美のもとに、ひそかなファンであったピアニストが来診してくる。敦美は自分がファンであることを公言しようか迷う。
「政雄の秋」
バリバリの営業マン、政雄はライバルとの出世競争に敗れ、出向か異動の二択を余儀なくされる。政雄の胸中は穏やかでないが、周囲の勧めで休暇を取得することになり、、、
「アンナの十二月」
幼い頃に分かれた実の父親がどんな人物か知りたくなった16歳のアンナは、母親の反対にもめげず父親に会いに行った。父親=パパはなんと大物で、アンナは浮かれる。
「手紙に乗せて」
母をなくした主人公の亨は、自分以上に父親が憔悴しきってしまったことに狼狽し、心配する。身内を亡くしたことに対する周囲の受け止め方がかくも違うものなのか、と驚き、そして亨の上司が、、、
「妊婦と隣人」
UR賃貸住宅に夫婦で住む妊婦の葉子は、隣の部屋に住み始めた男女に興味津々。夫は全くの無関心だが、葉子の興味は尽きず、ついに尾行を開始する。
「主婦と選挙」
N木賞受賞作家の大塚康夫は、妻が市議会議員に立候補すると言い出して困惑する。無関心を装うも、疲労が積み重なる妻を見かねて、、、

困ったことに、どいつもこいつも

面白くて止まらないので、短編ごとに一気読み

でした。1作品はだいたい20分で読めますので、全部で120分=2時間で読了です。
このシリーズ、好きは好きですがそんなにめちゃくちゃ好きというほどでもなかったのですが、本作はなんだかとても穏やかな気持ちにさせてくれるほんわか系の作品が多くて、読後感がとても良いので最高です。
奥田センセーの作品は心理描写がとても上手なので、たまに心を抉られることもありますし、サスペンス系の作品になるとハラハラドキドキが止まらなくなります。
収録作品では「手紙に乗せて」がグッときました。あと、本作ではなぜかシリーズのようになっている作家のダンナとその妻、という設定の作品で、本書では「主婦と選挙」ですね。これが味わい深い作品に仕上がっています。
やはり、奥田英朗センセーはサイコーや!と再認識させてくれる本でありました。





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2016年04月15日

書評704 月村了衛「ガンルージュ」

こんにちは、曹源寺です。

昨日は熊本地震で日本中大騒ぎでした。被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。
九州で地震があると、それがトリガーになって南海トラフ地震が引き起こされるのではないか、といった説もありますので、引き続き十分な警戒が必要かもしれません。

最近では大きな自然災害があると、それが予言されていたものなのかチェックする傾向が強まっていますね。2062年からやってきた未来人が2010年に降臨して、いろいろと未来の日本を告げていったネタが世間を(ネット世界を)にぎわせていますが、これによると、2016年4月15日に再びやってくると書き残しています。

おいおい、4月15日って今日じゃねえか。

そんな時期に前後して大きな地震が襲ったものだから、大騒ぎになるのは無理からぬことですわ。未来人が本当に今日やってきたらお祭りですね。
ネットでは「2062年の未来人」のほかに、「2058年から来た原田(仮名)」という人の書き込みとか、Yahoo!掲示板の「primecherrysweetさん」の回答のようなものもあって、それなりに信憑性もあったり(なかったり)するのですが、どれも決め手に欠けるので果たしてどうなんだろうと思ってしまいます。
未来から来たなら、まずは証拠を見せろ!と言いたいです。

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内容(文藝春秋HPより)
「あたしたち、最強の相棒。」
韓国最凶の特殊部隊が日本に潜入。
迎え撃つは、元公安のシングルマザー&女性体育教師!?
韓国の大物工作員キル・ホグン率いる最精鋭特殊部隊が日本で韓国要人の拉致作戦を実行した。事件に巻き込まれ、人質となってしまった中学1年生の祐太朗。日本政府と警察は事件の隠蔽を決定した。祐太朗の母親で、かつて最愛の夫をキルに殺された元公安の秋来律子は、ワケあり担任教師の渋矢美晴とバディを組み、息子の救出に挑む。
因縁の関係にある律子とキルの死闘の行方は。そして絶体絶命の母子の運命は――。


曹源寺評価★★★★
昨年あたりからメキメキと力をつけてきた、なんて書くとかなり上から目線ですが、人気急上昇中の作家センセーの一人であらせられる月村センセーの最新作です。
今回は女性二人が韓国の特殊部隊と壮絶な殺し合いをおっ始めるという、なんともシュールな内容となっております。
元公安警察官でシングルマザーの秋来(あきらい)律子は、一人息子の祐太朗と群馬県水上市でつましく暮らしていたが、祐太朗が韓国要人の誘拐現場に居合わせてしまったことから連れ去られることになり、ひとりで奪還のための行動に移る。
その祐太朗の学校にいる体育教師、渋矢美晴は元ロックバンドのボーカルで、新宿署に勤務するキャリア警察官(文中では「あの刑事」と呼んでいます)と付き合っていたものの別れてこの水上にやってきた。
あれ、ロックバンドのボーカルで新宿署の警察官と付き合っていた・・・

なんだかどこかで見たような設定だなぁ

律子が奪還に向かう途中、美晴と偶然にも出会い、二人は行動を共にすることになる。日本警察はこの「第二の金大中事件」ともいうべき事件を黙殺しようとするが、女性二人は無縁後の状態で奪還作戦を開始する。特殊部隊を率いるキルは過去にも事件を起こしたことがある律子の因縁の相手だった!律子と美晴は追う側として迎え来る兵士を次々となぎ倒し、ついにキルと律子が対決する。

うーん、なんだかとてもありえそうな設定の中に、ありえない女性二人の活躍というストーリーがミスマッチで面白いですね。(以下、ややネタバレ)






本当、ありえないんですわ。女性二人で二桁の特殊部隊を全滅させるとか、グレネード弾を金属バットで打ち返す美晴とか、冗談も大概にせいといいたくなりますが、まあこれは

ギャグだと割り切って読むしか

ないのでしょう。痛快なギャグアクション小説です。月村センセーはこうした「スカッと路線」をこのまま突っ走るのでしょうか。ここ最近の作品は「槐(エンジュ)」にしろ「影の中の影」しろ、派手なアクションと強引な勧善懲悪で敵をぶっ潰す作品が続いております。その一方で、敵が中東のテロリストだったり半グレ集団だったり、はたまた韓国の軍隊だったりということで、敵キャラもどんどんハンパじゃなくなってきていますが、本書に限らず「こんなんありえねえっぺよ」と吹き出しながら読むのが正しい読み方なのか、ちょっと逡巡してしまいます。
「機龍警察」シリーズはまだSFっぽさがあるなかでシリアスな警察小説としての描写が読む人を惹きつけていますが、最近の作品はギャグ路線といえるほど軽くスピーディーで非現実的です。いいのか、この路線で本当にいいのか。
ただ、本書の場合、最初に指摘した「あの刑事」がどうしても気になるのですが、やはりどう考えてもあの刑事は伝説のあの刑事ですわ。誰もが知る警察小説のキング・オブ・キングからのネタ。なんたるオマージュ。なんというリスペクト。こんなところでお目にかかれるとは、ちょっと感動しましたわ。
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2016年04月12日

書評703 高嶋哲夫「富士山噴火」

こんにちは、曹源寺です。

現代ビジネスさんが記事にされていたのですが、ついに朝日新聞に公正取引委員会から横槍が入ったというのです。
発行部数を「水増し」してきた朝日新聞、激震! 業界「最大のタブー」についに公取のメスが入った
今年に入り、大幅な賃金カットを盛り込んだ中期経営計画に社内が揺れている朝日新聞社だが、ここへ来てさらなる「難題」が浮上した。
新聞発行本社が販売店に余分な新聞を買わせる「押し紙」をめぐり、3月末、実は朝日新聞社は、公正取引委員会から「注意」を受けていたのだ。
押し紙は、独占禁止法の特殊指定で明確に禁止されているにもかかわらず、新聞業界では長年にわたり行われてきた。新聞業界「最大のタブー」と言われる押し紙問題に公正取引委員会が踏み込むのは異例のことで、朝日新聞社が今後どのような販売政策を実行していくのか、業界の先例として注目に値する。(以下、略)


新聞のいわゆる「押し紙」というやつはジャーナリストの黒藪哲哉さんが長年追い続けているテーマです。押し紙の実態を詳細にレポートしてきたこの人の記事がなければ、ここまで社会問題となることはなかったと思います。彼の執念はすごいですよ、本当にすごい。彼はどちらかというとリベラルなお方だと思いますので心情的にはすべての記事が素晴らしいとは思っていませんが、それでも彼の仕事っぷりはすごいなあと思います。
でも上記の記事は黒藪さんではありませんでした。黒藪さん、ガンバレ!

押し紙は普通に詐欺事件です。発行部数を水増しして広告料金を押し上げる。実際には1割〜3割水増ししていたようですので、せっかく高い広告料を払っていてもその分の顧客には広告が行き渡らないのです。これを詐欺と言わずして何と言えば良いのか。とりあえず、公取委もガンバレ!過年度に遡って課徴金制裁や!

まあ、日本のジャーナリズムとかマスコミは、そろそろ本来のあるべき形に戻らないといけないのではないかと、こういう記事が出るたびに思いますわ。本来のあるべき姿とは
<新聞社>
・押し紙の廃止
・社会の木鐸と名乗るのを止め、偏向していると白状する
・そのうえで、自らのポリティカルスタンスを明確にする
・その代わり、販売店網などを有効活用できるような新たなビジネスを起こす
・署名記事の励行(あるいは義務づけ)、スター記者の輩出で「調査報道」を盛り上げる
<テレビ局>
・公共の電波を借りていることを常に忘れず、中立的な報道を心がける(放送法順守)
・電波オークションの実施(まあこれは総務省マターだね)
・自社で報道局を強化し、新聞社とは連携しない(クロスメディアの廃止)

ほかにも、新聞の新規参入を阻害しない(かつては本当に妨害していました)とか、記者クラブの廃止とか、いろいろありそうです。要するに普通の業界になれ、ということなんですが、あまりにもいびつすぎるのでやるべきことが多くなってしまっており、優先順位をつけるのさえ大変な状況です。
報道という仕事がなくなるわけではないのですし、現場の記者はそれなりにご苦労されていることも知っていますので、その真っ当な仕事の部分と利権に関わる部分をしっかりと切り離していただきたいなあということです。

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内容(集英社HPより)
元陸自のヘリパイロット・新居見充は3年前の平成南海トラフ大震災の際に妻と息子を失った。たったひとり残った家族―東京で医師として働く娘とは絶縁状態だ。助けを求める家族からの電話を切り、目前の人命救助を優先した・・・今は喪失感とともに御殿場市の養護老人ホームで働いている。ある日、旧友の静岡日報の記者・草加から「富士山の噴火が近い」という情報を得る。マグマの活動に不穏な動きがある、と。ともに訪ねた日本防災研究センターで、研究者・諏訪口誠治と火山学者秋山有希から「近隣住民は全住民の避難が必要になる」と聞かされる。噴火が始まったら、噴石と火山灰が降り注ぎ、溶岩と土砂が流れ込む。さらに火砕流に呑みこまれ、町は壊滅状態になる、と。古巣の自衛隊、御殿場市、消防や警察などあらゆる方面に働きかけ、新居見が中心となった避難計画が動き出した時、ついに噴火が始まった―。ハザード予想を大きく上回る大規模噴火に首都機能も大混乱をきたす。果たして住民たちの避難は間に合うのか・・・!?


曹源寺評価★★★★★
大規模災害シミュレーション小説の第一人者として君臨する高嶋センセーでありますが、今度のネタはフッジサーン!でありました。

/^o^\フッジッサーン フッジッサーン

富士山が実際に噴火したらどの程度の被害が出るのか、という疑問はネットで調べてみると実はたいしたことないのでは?という結論になるのですが、そういう意味では本書の描写はかなりエキセントリックで大げさと言えなくはないと思います。たとえば、しょっちゅう噴火している櫻島レベルの噴火が富士山で起きたらどうなるのか。溶岩が流れ込んでくるような大規模火砕流の噴火(雲仙普賢岳がこれでした)なら静岡県と山梨県には大きな被害が出ると思いますが、2014年9月に発生した北アルプスの御嶽山レベルの噴火であれば、ここまでの惨状にはならないだろうというレベルの描写です。
主人公は現職の(あるいは元)スペシャリスト。知人友人には別のスペシャリストがいて、災害予測、災害検知に力を貸してくれる。家族もいる(家族愛もある)。政府要人とも何らかの形でつながる。そして災害が実際に発生する。
本書もまた一連の高嶋センセー作災害シミュレーション小説の典型を踏んでいますので、わかり易いといえばわかり易いですが、

マンネリとも言えますので「またか」と思わないように

しなければなりません。
マンネリでも良いんです。伝えるべきことは別にありますから。おそらくは高嶋センセーもそれをわかってやっているはずです。そうに違いありません。きっとそうです。たぶん、そう、、、おそらくは、、、





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2016年04月08日

書評702 新野剛志「溺れる月」

こんにちは、曹源寺です。

世界ではパナマ・ペーパーズのことで大騒ぎみたいですが、日本はマスゴミが大した報道をしていないので騒いでいるのはネット民だけという有様です。
まあ、確かに、タックス・ヘイブンにペーパーカンパニーを置くだけでは違法ではありませんし、そこで租税回避したのか、あるいはマネーロンダリングしたのか、あるいは何もしていないのかによって法律上もモラル上も大きく違ってきますから、現時点で大騒ぎする必要はないのかもしれません。

ただ、なぜ世界が大騒ぎしているのかという点に関してはきちんと言及すべきだと思いますし、日本でもただでさえ税収が不足しているというのに金持ちの奴らときたら脱税もどきのことしやがって、といった道義的な(あるいは嫉妬的な)問題は残るわけですから、リストに載っている企業なり公人なりは説明責任を果たすべきだと思います。知らんフリはできないでしょうし、そのうち文春か新潮が取材に来ることは間違いないでしょう。
それとも、電通がリストに載っているから文春あたりは話題にできないでしょうかね。たしか、文春の広告は電通の取り扱いだったような気が、、、

まあ、このパナマ・ペーパーズはファイル容量が半端ないので、続報をしっかりと待とうではありませんか。今年の一番のヒットニュースになること、間違いなさそうです。

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内容(小学館HPより)
乱歩賞作家が放つ疾走ランニングミステリー
平凡な公園ランナーの自分が、大勢の見も知らぬひとから見つめられているなんて・・・・・・。
インテリア会社社長の高木雅弘は、所属するランニングサークルの仲間との「レース」にはまっていた。
ある日、高木のもとに一通の郵便が届く。そこには「明日のレースには負けなさい。さもなければ、ひとが死にます」と書かれていた。
翌日のレースに高木が勝つと、レースが行なわれた公園内で、本当に男の死体が発見される――。
江戸川乱歩賞作家が放つ疾走!狂走!ランニングミステリー!!


曹源寺評価★★★★★
ランニングミステリーとはこれまたストレンジな作品が登場してきました。新野センセーは旅行代理店出身ですからその手の題材には強いですが、たまに風俗嬢や左翼活動家、女子高生などさまざまな主人公を登場させますので取り扱うジャンルが本当に幅広いなあと感心します。
本書は元官僚にして家具メーカー・インテリア工事を請け負う会社の社長である高木雅弘が主人公です。駒沢公園で賭けレースを行っている主人公とそのサークル仲間たち。ある日、高木の元に一通の手紙が届き、レースに負けないと死人が出ると脅迫する。高木は何かのいたずらと思いそれを無視するが、レースの翌日に本当に駒沢公園で男性の死体が発見される。
うーん、ここまではミステリですな、間違いなく。

問題はここからですわ。

この事件は(以下、ネタバレ)



早々に犯人が分かってしまいます。なんぞこれ。
そこからは冒頭とだいぶ異なる展開になりますが、高木がどんどん悪に染まっていくことになります。
ですから、本書はミステリというよりもクライムノベルと呼んだほうが正確かもしれませんね。
人を喜ばせることができる職業と思って官僚になった高木が、自分の走りを応援してくれる存在に出会ったとき、これが悪であったとしても切り捨てることは容易ではないという感情。常に合理的な判断によって動く人間であっても、トータルで俯瞰してみると実は全然合理的ではなかったということ。人間が最後にほしがる名誉欲について、優秀な人間であっても結局はそれに抗うことができないこと。直接的に手を下さなくても反社会的勢力と組んだ時点で共犯であり、悪事を知っていてそれをスルーすることは同罪であること。などなど、この高木という人物を通じて考えさせられることが非常に多い作品に仕上がっていると思います。
ただねぇ、後味が悪いんですよ。クライムだからしょうがないといえばしょうがないですが、根っからの悪党が転落していくのとちょっと違いますからね。高木の中で何かが少しずつ壊れていく様は、普通の人にはあまり理解できないものかもしれません。





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2016年04月05日

書評701 五十嵐貴久「降りかかる追憶 南青山骨董通り探偵社V」

こんにちは、曹源寺です。

保育園が不足して待機児童が減らないというニュースが先週から富に多くなってきましたが、規制しているわけでもないのに不足している業界がある一方で、規制でがんじがらめになっていて需要に応じ切れていない業界もあったりするわけで、そのへんのさじ加減の難しさをいろいろと考えさせられますね。

たとえば、タクシーは小泉政権時代に規制緩和されましたが、そのせいで一時、タクシー車両が街に溢れてしまい、初乗り料金も下落して既存の運転手たちが生活できなくなってしまったという事象がありました。なんでもかんでも規制緩和すれば良いという話ではないという良い事例です。
いま、街の歯科医はやや過剰気味だそうで、歯磨きの習慣が徹底されたことで児童の虫歯患者が大きく減ったことが要因みたいですね。また、弁護士も司法試験制度が変わったことで合格のハードルが下がり、食えない弁護士が急増中だというニュースがありました。

一方、医者は相変わらず不足気味です。「ブラックジャックによろしく」で研修医のエグイ労働環境が晒されたにもかかわらず、旧態依然としたブラックな職場。「下町ロケット2」で暗示されたような、部下の手柄を上司が奪う徒弟制度が生きている、まさに白い巨塔であります。
まあ、医療に関しては規制緩和しろとか医者をどんどん増やせとかはあまり言いたくないです。逆に、眼科楽勝、小児科死にそう、みたいな落差もあるようですから、国費を投入して医療体制を管理下においている以上、国はそれを受益する国民のために全国くまなく配置していただくくらいのことをしてほしいです。

介護など社会保障の分野についても、我々国民の税金が使われている以上は医療と同様、奉仕者には手厚い報酬で応えることと、全国にきちんと需給体制を整えるということが必要になってくると思います。医療が良くて介護がダメという理由は見当たりませんので、払った税金に見合ったサービスを得られるようにしてほしいです。

でもこういうことを書くと、曹源寺は国家社会主義者か?と言われそうですね。自分としては、国家がきちんと統制すべきところは「多額の税金を投入している」産業であって、そうでないところは逆に国家の介入など不要だというのが持論です。
例を挙げれば、なんでもかんでも国家資格にしている昨今の風潮でしょう。テニスのインストラクターまで国のお墨付きなど要らんですよ。
国家資格一覧のようなページを見ると、びっくりするくらい多くの資格があることが分かります。「浄化槽」という単語がつく資格だけでも
浄化槽技術管理者
浄化槽管理士
浄化槽設備士
浄化槽検査員
浄化槽清掃技術者
の5つがあることが分かります。なんじゃこれ。それぞれ検定試験を受けるのに4万円とかかかりますし、資格によっては更新料を支払って更新をしなければならないわけですよ。本当に無駄です。こんなのは公務員の天下りを食わせるためだけにあるやり方です。増税するくらいならこういう無駄を削ってほしいですが、マスゴミも野党もこういうのを指摘してくれないですね。

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内容(光文社HPより)
同僚の真由美のひと言から、社長の金城と玲子に因縁めいた過去があることを知る雅也。そんな折、女子大生の依頼でストーカーの捜索と彼女の身辺警護に携わる。だが、消息は掴めず、やがて、事態も収束かと思われたその矢先、彼と任に当たっていた玲子が姿を消す! そして明らかになる金城たちの過去とは……!?仲間のために探偵社のメンバーは街を駆ける! シリーズ第三弾。

曹源寺評価★★★★★
南青山探偵シリーズは第3弾まできましたが、UとVは文庫書き下ろしというしょぼい体裁で、しかもこのVは長編のようで実質的には中編程度のボリュームしかありません。1時間程度で読了できる内容ですので、まあ暇つぶしにはどうぞ。
と、これだけで終わらせるわけにもいかないので、ざっとあらすじを書きますと、女子大生の桂貴子からストーカー被害に関する身辺警護の依頼を受けた主人公の井上雅也が、ストーカーと思われる後藤を探すうちに同僚の玲子が行方不明となって、、、という展開です。
事件はあっさりと所長の金城が解決してくれますので、主人公の立場はいつも微妙といえば微妙です。本編のキモは金城と玲子の過去でしょうかね。誰が悪いというわけでもないのにみんなが不幸になっているというのは、本当に理不尽なことであります。でも、それを誰かが背負っていかなければならないというなら自分が背負う、そんな漢っぷりを金城は見せてくれるわけですが、事件解決は経過を端折りすぎていて金城社長のワンマンショー状態です。

探偵、仕事しろ!と言われてもしょうがないレベル

です。本シリーズは井上雅也という主人公にして語り部、格好は良いのに新米調査員で時折間抜け、こんな役回りがいるからこそ引き立つのでありましょう。いずれドラマ化必至ですね。





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posted by 曹源寺 at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月01日

書評700 呉勝浩「ロスト」

こんにちは、曹源寺です。

本日でブログ更新700回でした キタ――♪ o(゚∀゚o) (o゚∀゚o) (o゚∀゚)o キタ――♪
引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

さて、もう4月ということで今年も4分の1が過ぎてしまったわけですが、なんだか本当にあっという間ですね。
さて、最近は週刊文春と週刊新潮が激しくスクープ合戦を繰り広げているわけですが、文春の活躍がすごいので新潮もガンバレ!という状態ですね。
ただ、文春スクープの内容をよく見ると、というか冷静になって考えると、実態としてはどうかと思われるネタも多いですね。
ベッキー&ゲスの極みはキャラクターイメージとは全く異なる不倫ということでまあよく暴いてくれたと思います。
甘利大臣のネタは秘書と共謀した輩の悪行ですが、甘利大臣自身はこの悪行に手を染めていたわけではなさそうですので、管理者責任だけかな。しかも、政治資金としては適正でしたし告発したヤツの方がよっぽどワルです。したがって、これに加担した文春もまたワルと言えるでしょう。
SMAP解散ネタはお見事でしょう。文春だからこそここまで追及できたのだと思います。
清原の覚醒剤ネタも以前から追っていたものが逮捕に結びついたのですから、これもまた大したものだと思います。ASKAの前例もありますからね。
宮崎謙介議員の育休不倫ネタ、まあこいつはゲスだったので仕方がありませんね。乙武も然りです。増長してしまった障害者というのは始末に負えませんので、彼も反省するいいタイミングだったのではないかと思います。
菅原一秀議員の「愛人」疑惑というのがありましたが、これは酷いですわ。彼は独身なので「愛人」という見出しは事実に反しますし、ハワイに行ったのも国会期間中ではありません。
そこへきて、今週号の見出しが「自民党よ、国民をなめるな!」であります。まあ、滋賀県の自民党県議が高校野球の選手団に向かって「負けてしまえ」と発言したとか、あちこちで暴言を吐きまくっている自民党議員どもですが、選挙が近いんだから週刊誌が放っておくはずがないじゃないですか。ちっとは反省したほうが良いと思いますのでこれはこれで良いお灸だと思いますよ。
ですが、甘利大臣と菅原議員の記事は誇張に過ぎるし事実と世間のバッシングが乖離してしまっていますね。こんな記事を書くくらいなら、今週の新潮の「山尾志桜里議員の政治資金報告書」ネタのほうがよっぽどインパクトがありますし、重大な疑惑だと思います。なにで、元検察官で疑惑を追及する側にいた人間ですし、内容も寄付の部分だけでなく、ガソリン代が地球5週分とかマジでやばいですわ。野々村議員と大して変わらない悪行ですよこれ。自民叩きも良いですが、こういう「真のワル」にもしっかりとペンを向けて欲しいものです。

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内容(講談社HPより)
「ムラセアズサを預かっている。これはイタズラではなく、正真正銘の営利誘拐だ」
無断欠勤を続けていた村瀬梓が勤めるコールセンターに掛かってきた犯行電話。身代金の要求額は1億円、輸送役は100人の警官。なぜ、家族ではなく、会社に掛けてきたのか。なぜ、1億円なのか。なぜ、100人も必要なのか。警察と“関係者”たちは、ピュワイトを名乗る犯人に翻弄されていく――。
「罪」に期限はあるのか――新乱歩賞作家が圧倒的な読み味で描く、史上最速の受賞後第一作。


曹源寺評価★★★★★
道徳の時間」で2015年の江戸川乱歩賞を受賞された呉勝浩センセーの受賞後第1作となるのが本書であります。呉センセーは例年にない低評価で受賞され、また、審査員の池井戸潤センセーと今野敏センセーが厳しく酷評したのは記憶に新しいところです。
そんな受賞後の第1作なもんですから、否が応にも期待は高まります。
芸能プロダクション社長の安住は、若かりし頃の過ちである一家を不幸に追い込んだことがある。村瀬梓はそこのタレントで、3日前から行方不明となっていた。
誘拐を告げるコールはなぜか通販会社のインバウンドを請け負うコールセンターにかかってきた。犯人の要求は現金1億円と警官100人。現場主任の下荒地とその同期である淵本が犯人に振り回される。
警察側は大阪府警の特殊捜査班、麻生と部下の三溝、生活安全課の鍋島。犯人の要求に翻弄されながら、死体発見現場にいた男を逮捕する。しかし、、、

うーん、これはすごい。なんとも不思議な「謎」をあちこちに振りまきながら、読者をぐいぐいとひきつけていく手法はお見事です。(以下、多少ネタバレ)


なぜ、犯人は100名の警官を輸送役に呼んだのか。
なぜ、犯人はコールセンターに脅迫電話をかけたのか。
なぜ、時間を指定したのに物理的に間に合わない指示がなされたのか。
なぜ、被害者はバラバラ死体で見つかったのか。
なぜ、安住が犯人に仕立て上げられたのか。
ほかにも謎はいっぱーいありますが、こうしたいくつかの謎で引っ張るだけ引っ張るのがこの呉センセーの手腕というか手法でありまして、逆にこれが乱歩賞受賞作「道徳の時間」では足枷になりました。
本書は受賞作に比べるとだいぶこなれてきたというか、リーダビリティが増してきていますので、断然読みやすくなりました。
しかし、読み終わった後の感想は

せわしないだけやったな

というものでありました。そう、せわしないです。長いストーリーをいい気に読ませるだけの筆力はあるのですが、この長いストーリーもさまざまな登場人物の視点から書かれていて、それが冒頭誰のことなんだか分かりにくいというのがひとつ、そして、視点が分散されるにもかかわらず、それぞれの置かれた立場がシンクロしにくくなっている(交差することが少ないです)ことがひとつ、さらに、謎が多すぎて最後にきちんと回収されていないことがあるのがひとつ、です。
特に最後の回収に関しては、(以下、ネタバレ注意)


なぜ犯人がコールセンターの実情に詳しかったのか、という疑問には一切答えていません。傍点までつけておきながら、これをスルーしっぱなしというのは果たしてどうなんですかね。そもそもコールセンターの場面ってほぼいらないんじゃないかとさえ思います。
それに、なぜ犯人は死体をバラバラにしなければならなかったのかという点において、この理屈は分からなくはないですが、警官100人を動かした理由としてはあまり合理的(まあ殺人はいつだって不合理ですが)ではないように思います。
全体的に竜頭蛇尾というか、大山鳴動し鼠一匹というか、大風呂敷を広げては最後に盛り上がらないという前作と同じような終わり方になってしまったと思うのですが、ネットでは意外にも評価が高めで驚きました。自分としては良作とは思えないんですが。
呉センセーは何とかしてストーリーを盛り上げようと必死にあれやこれやといろいろなネタを押し込んでいるのですが、読者としては

うな丼の上にまぐろの刺身を乗せられてもおいしくはないのと同じで

もうちょっとシンプルに構成しても良かったのではないかと思うのであります。





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posted by 曹源寺 at 16:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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