ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

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2016年05月13日

書評711 下村敦史「真実の檻」

こんにちは、曹源寺です。

マスゾエ、、、ダメだこりゃ。
返金すれば許してもらえるなら、野々村は無罪だな。
書店で万引きして「返せばいいんでしょ、返せば」と言ってごねている奴と同じですわこれ。絶対に幕引きしてはいけないし、まだまだ盛り上げなければいけませんな。
文春の追撃砲が欲しいところです。

同じく、疑惑の渦中にあった山尾志桜里議員ですが、産経がこんな記事を。
有権者への花代と香典認める 違法性は否定 「党の統一見解だ」(5/11)
民進党の山尾志桜里政調会長(衆院愛知7区)は11日の記者会見で、平成25年11月から26年5月にかけて、選挙区内の有権者計6人に渡す花代と香典料に計4万4875円を支出していたと明らかにした。山尾氏は、後援会からの支出が不適切だったとして、自身が支部長を務める政党支部が支出した形に訂正したと説明した。だが、総務省のホームページは「政治家が選挙区内の人に寄附を行うことは、名義のいかんを問わず特定の場合を除いて一切禁止されています」と紹介。「政治家からの寄附禁止」として、花代や香典料の支出禁止を例示している。公職選挙法に抵触する可能性がなお残るが、山尾氏は「『政党支部の支出は禁止されていない』ということが民進党の統一見解だ」と強調した。(以下、略

認めたら許される、とかいう風潮はどうかと思います。山尾氏の場合は法に抵触している可能性が高いにもかかわらず「党の統一見解だ」からOK、と言っているわけで、元法曹関係者とは思えない発言です。うっかりミスとは到底思えないこの2つの事案はきちんと法に照らし合わせて裁定が下されるべきだと思います。
日本には「水に流す」というさっぱりした風習がありますが、これも濫用すると法治国家としてのあり方を問われるレベルです。

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内容(KADOKAWA HPより)
大学生の石黒洋平は母の遺品整理の際、本当の父親が元検察官で『赤嶺事件』と呼ばれる殺人事件を犯した死刑囚であることを知る。父の無実を信じる洋平は、雑誌記者の夏木涼子と『赤嶺事件』を調べ始めるが……。


曹源寺評価★★★★★
闇に香る嘘」で乱歩賞を受賞した下村センセーの第4作は、司法の闇に焦点を当てる問題作でありました。
主人公の石黒洋平は、母の死をきっかけに自分の出生の秘密を知ってしまう。父は実親ではなく育ての父で、実の父は死刑囚だった!しかもその事件は検察官が元婚約者の父母を惨殺するという前代未聞の殺人事件『赤嶺事件』であった。さらにその事件は、7年争って刑が確定し14年が経過、今なお執行されておらず冤罪の疑惑もあるという。洋平はこの事件を調べ始めるが、、、というストーリーです。
「司法の闇」といってもその中身はとてもとても盛りだくさんです。ちょっと待てwww

■冤罪問題と冤罪を生む土壌の問題(警察の取調べとか痴漢冤罪とか)
■警察の組織的裏金問題と隠蔽問題(北海道警の事件とかリアル過ぎィ!)
■検察の有罪至上主義問題(無罪判決があってはならない検察!)


ひとつひとつで長編書けるレベルのテーマをこれでもかっ!と盛り込んでくれましたよ。
それだけではなく、親子の絆とは何か、血と絆のどちらを選択すべきか、みたいなサブテーマもあったり、さらには横山秀夫センセーの不朽の名作「第三の時効」よろしく、まだあった時効の抜け穴!といった技巧まであって何だかすごいことになっています。
要するに、昨今の司法関連のネタはほとんど網羅しているくらい盛り込んでいる、そんな作品です。

すげえわ、これ。

ただ、逆に、盛り込みすぎていて収拾つかなくなりそうになっています。よくまとめたなあと思うくらいです。たとえば、頭のおかしな裁判官の話を元判事が書いて話題となった井上薫センセーというお方がいます。「狂った裁判官」などが有名ですね。この人のエピソードに近い内容とか、「警察腐敗」などを上梓したこともある先日変死したジャーナリスト黒木昭雄さんの著書、元北海道警釧路方面本部長というものすごい肩書きの原田宏二さんが裏金問題をリークして話題となった事件、などもエピソードとして盛り込まれています。
こうしたサブストーリーがリアリティを補強しているせいか、ページをめくる手は止まりませんでした。ただ、こうした司法関連のノンフィクションを知らない人が中盤の展開をどう読むのかについてはわかりません。もしかしたらダレるかもしれないですね。
警察の裏金問題は笹本稜平センセーや佐々木譲センセーなども確か作品の中で取り上げているテーマですし、検察の疲弊というテーマではヤメ検の郷原信郎センセーが「由良秀之」とかいうペンネームで小説を書き上げた経緯もありますね。また、司法関連の問題では中島博行センセーや大門剛明センセーが好きでよく読みますが、本書のように

これだけ一気に詰め込んだ作品を自分は知りません。

いずれにしても、下村センセーの渾身の一撃であることは間違いないと思います。





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posted by 曹源寺 at 15:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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