ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

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2016年09月20日

書評744 真保裕一「遊園地に行こう!」

こんにちは、曹源寺です。

昨日はテレビ朝日系「ミュージックステーション」が特別番組だったらしく、「30周年記念特別番組 MUSIC STATION ウルトラFES 2016」と題して10時間ぶっ続けで放送されたようですね。
で、こんな企画があったようです。

「日本に影響を与えた曲ベスト100」

うーん、老若男女にアンケートを取ればサンプル数の違いで大きく順位が変わりそうなランキングですな。
そもそも音楽は最も世代間の違いが明確になるようなジャンルだと思います。ですから、よりサンプリングを重要視しないといけないと思いますが、まあこんなのはどうせお祭りですから順位に意味はないと思わないといけませんね。
ちなみに、ベスト10はこんなラインナップ。
10位:「A・RA・SHI」(1999) 嵐
9位:「負けないで」(1993) ZARD
8位:「恋するフォーチュンクッキー」(2013) AKB48
7位:「Let It Be」(1970) ザ・ビートルズ
6位:「川の流れのように」(1989) 美空ひばり
5位:「Let It Go〜ありのままで〜」(2014) エルサ(松たか子)
4位:「勝手にシンドバッド」(1978)サザンオールスターズ
3位:「Automatic」(1998) 宇多田ヒカル
2位:「上を向いて歩こう」(1961) 坂本九
1位:「世界に一つだけの花」(2003) SMAP


ハイハイ、SMAP、SMAPと。

どうせやるなら「日本の音楽シーンを変えたアーティスト30」とかの方が良かったのではないかと思います。楽曲じゃなくてミュージシャンとしての影響力ね。
たとえば、70年代のフォークソングを牽引したのは間違いなく吉田拓郎や伊勢正三ですね。また、フォークソングの時代をニューミュージックに染め上げたのは松任谷由実やナイアガラ・トライアングル(大瀧詠一、佐野元春、杉真理)、オフコースなどでしょう。80年代のロックシーンを牽引したのはサザンや忌野清志郎やBOOWYだし、ソウルを持ってきたのは久保田利伸、テクノはY.M.Oでしょう。90年代は小室哲哉と織田哲郎の楽曲が溢れ出して大変なことになりました。
時代を切り開いたのはアーティストその人であり、1つの楽曲ではないと思います。ですから、秋元康もある意味「時代を切り開いている」と思います。切り開きすぎて崩壊させてしまったように見えますが。

卓球界では「福原前」と「福原後」というのがあるそうですね。福原愛選手が登場してからの日本卓球界は世界ががらりと変わったのです。一人の天才少女が日本の卓球界を変え、世界に通用するレベルに押し上げたのは間違いないと思います。おそらくテニス界も「錦織後」の世代がやってくる(もうやってきている)のではないかと思います。
こう考えると、日本の音楽業界も「○○前」と「○○後」で新しい価値観や新しい市場が生み出されたシーンがいくつかあるのではないかと思いますが、そうした偉大なる先人たちを差し置いてSMAPの「世界にひとつだけの花」が日本に影響を与えた云々というのは、誠におこがましいことではないかと思ったりもします。

まあ、繰り返しますが、これは「祭り」ですからランキングに意味を求めてもムダですね。うーん、割り切っていてもなんだか納得いかないなぁ。

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内容(講談社HPより)

明日も仕事に行くための、勇気と熱狂ここにあります! 
感動を巻き起こせ!
大ヒット『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』
累計25万部突破「行こう!」シリーズ、待望の第3弾
奇跡の復活をとげた遊園地ファンタシア・パーク
夢を抱けない僕たちの前に、魔女が現れた――
真保裕一・作家生活25周年記念作品
読めば元気が出てくる痛快お仕事ミステリー


曹源寺評価★★★★
いつの間にか「行こう」シリーズになっていたのでちょっと笑ってしまいました。
この「行こう」シリーズは真保センセーにしてはヒューマンドラマなミステリに仕上がっていて、近年のヒリヒリと胸を抉るような展開、あるいはドロドロとした人間関係から生まれる後味悪い路線(これもある意味ヒューマンではありますが)からはやや脱却しつつあるように思えます。
某電鉄会社が遊園地を生まれ変わらせて成功した「ファンタシア・パーク」におけるさまざまな人間模様から生まれるドラマとミステリを、連作短編のようなかたちでまとめたのが本書です。顔に大きな傷を負ったがゆえに就職活動に失敗し、ファンタシアに着ぐるみの応募で入社したらなぜかフロントにまわされてとまどう北浦諒輔、着ぐるみダンサーとして着実にステップアップしながらも着ぐるみが故に自己のアイデンティティーを見失いそうになる新田遥奈、大手工作機械メーカーからテーマパークの設備メンテナンス子会社に転職してきたところに、なぜか配電盤が小火騒ぎを起こすことになり原因を追究する前沢篤史、それらを陰で支えるファンタシアの「魔女」と呼ばれる及川真千子と、彼女をインタビューさせよと執拗に絡んでくる雑誌ライター。ひとつひとつがドラマでありながら、一本の線で結びついて大きな事件がやってくる。
さらに、真保センセーならではの技巧あふれる最後の展開に、なんだかこみ上げるものを感じてしまいました。かつての名作「ホワイトアウト」を何となく髣髴とさせてくれたように思います。
なんだか、いいですね。

ヒューマンドラマとミステリの融合

のような展開。読後感もGOODです。





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posted by 曹源寺 at 16:34| Comment(0) | TrackBack(0) | さ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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