ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

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2016年09月27日

書評746 誉田哲也「硝子の太陽Rouge」

こんにちは、曹源寺です。

25年もサラリーマンやっているといろいろと思うところはありますが、特に感じるのは「東京で働くことの意味」でしょうか。
いま東京一極集中が激しすぎて、通勤電車がハンパなく混んでいたり、地方都市の衰退が進んでいたり、と世の中が少しずつですが変化してきた結果、かなり歪な感じになってしまったようです。
自分の出身地は一応都心への通勤がギリで可能な場所ですが、人口流出が止まらず衰退傾向が強まっています。でも、地元産品は一応のブランドがあり、土地も安いので住むには良い街だと思っています。老後は地元に戻っても良いとさえ思っていますが、もしかしたら20年後くらいはもっと衰退した街になっているかもしれないと想像すると、ちょっと怖いですが。

その地元はいくつかの大きな製造業が撤退した影響を受けたこともありますが、都心までどうしても1時間以上はかかる立地という点もマイナスとなって、いま人口減少が続いています。地方活性化は政府の看板政策のひとつであるにもかかわらず、なかなか進んでいないどころか東京一極集中が加速している有様です。もういっそのこと、遷都でもしたら良いのではないかと思います。米国に倣って、政府機能を埼玉県の川越市あたりに移してはいかがでしょう。川越には「霞ヶ関駅」がありますのでちょうど良いと思います。

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内容(光文社HPより)
祖師谷で起きた一家惨殺事件。深い闇の中に、血の色の悪意が仄見えた。
捜査一課殺人班十一係姫川班。警部補に昇任した菊田が同じ班に入り、姫川を高く評価する林が統括主任として見守る。個性豊かな新班員たちとも、少しずつ打ち解けてきた。謎の多い凄惨な事件を前に、捜査は難航するが、闘志はみなぎっている。──そのはずだった。
日本で一番有名な女性刑事、姫川玲子。凶悪犯にも臆せず立ち向かう彼女は、やはり死に神なのか?


曹源寺評価★★★★★
光文社と中央公論新社でコラボ出版された硝子の太陽「N」と「R」。どちらを先に読んだほうが良いのか非常に悩むところですが、自分は「N」から読み始めました。結果的に良かったのかどうかは何とも言えません。
この「R」は姫川玲子シリーズですので、あのグロさ満点の「ストロベリーナイト」から続く

「グロ誉田」の真骨頂を行く描写が

所々にありますから注意が必要です。
「N」が沖縄の基地返還問題に絡めた殺人事件なら、本書は日米地位協定に絡めた猟奇殺人事件がテーマになっています。コラボ作品なだけに「N」とはあちこちで交錯しますが、ストーリー自体はそれほど複雑に絡んでいるわけではないです。新宿署の東警部補や小川巡査、「欠伸のリュウ」こと陣内陽一などは本書でも登場しますが、絡むのが姫川メインではなく「ガンテツ」こと勝俣警部補のほうというところもまた良い味付けになっています。東と勝俣の心理戦とかは大沢在昌センセーや佐々木譲センセーなど警察小説の大御所にまったく引けを取らない面白さである、と言っても良いと思います。
世田谷区の祖師谷で発生した一家連続殺人を追う姫川は、捜査途中で代々木のフリーライター殺人事件の捜査班に組み入れられる。この死んだフリーライターが「歌舞伎町セブン」の上岡慎介であり、祖師谷の事件発生現場で目撃されている人物であった。姫川はガンテツの仕込んだ罠によって代々木事件の本筋からは離れてしまうが、、、
「N」と「R」は事件が同時進行していくのですが、お互いが干渉することはあまり多くないです。ただ、どちらもシリーズものであり、強烈なキャラクターを持った登場人物が交差するわけですから、ワクワクしないわけがありません。本書は東警部補と勝俣警部補の駆け引きが秀逸です。しかし、それ以上に警察小説としての面白さが「R」にはあります。事件解決までのプロセスは秀逸です。特に後半、姫川が手繰り寄せた細い一本の糸からつながる過去の事件との関連、

昭島署の刑事達のアツい情熱にはグッとくるものがあります

また、犯人の正体もその確保も一筋縄ではいかないし、何より姫川玲子のメンタルが相当にヤバいラストですから、続きがどうしても気になります。
「N」も「R」もシリーズの続きを意識したラストで締めるなんて、誉田センセーったら本当に思わせぶりな方ですわ。





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posted by 曹源寺 at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | は行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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