ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

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2016年10月04日

書評748 前川裕「クリーピー スクリーチ」

こんにちは、曹源寺です。

以前にも書きましたが、日本弁護士連合会(日弁連)という団体がありまして、時折「会長声明」などというわけの分からんリリースをしていることで世間を騒がせているのですが、今回は福井市で行われる人権擁護大会において「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言案」なるものを審議するとしてまたしても世間を騒然とさせています。

分かりやすく言うと、日弁連が死刑廃止を正式に世に訴えるということです。

ちなみに、日弁連は強制加入団体でありまして、弁護士登録した人は強制的に日弁連に加入しなければいけません。これは法律で定められています。

第四十七条  弁護士、弁護士法人及び弁護士会は、当然、日本弁護士連合会の会員となる。

強制加入団体であるにもかかわらず、思想まで強制させようとする非民主主義な団体、それが日弁連。
法を順守するために設立したにもかかわらず、法を自分たちの都合で変えさせようと働きかける団体、それが日弁連。

当然ですが、これに反発する弁護士センセーもいらっしゃるわけで、
日弁連の死刑廃止宣言案に反対 被害者支援弁護士ら声明(朝日新聞10/4)
日本弁護士連合会が7日に福井市で開く人権擁護大会で死刑制度廃止の宣言案を提出することについて、犯罪被害者の支援に取り組む弁護士らでつくる「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」が3日、「犯罪被害者の人権や尊厳に配慮がない」などとして採択に反対する声明を発表した。
声明では、弁護士の中でも死刑に対しては様々な考えがある中で、「強制加入団体である日弁連が一方の立場の宣言を採択することは、日弁連の目的から逸脱し、個々の弁護士の思想・良心の自由を侵害する」と指摘。「凶悪犯罪の被害者遺族の多くは加害者に死をもって償って欲しいと考えており、宣言は被害者の心からの叫びを封じるものだ」と批判している。
また、人権擁護大会では委任状による議決権の代理行使はできず、現地に出向いた人しか意思表示ができない。出席するのは約3万7千人の弁護士のうち数パーセントとみられ、声明では、こうした場での宣言の採択にも問題があるとしている。フォーラムの事務局長を務める高橋正人弁護士は「犯罪被害者から弁護士への信頼がなくなり、支援活動がしにくくなる恐れもある」と話した。



気骨あるセンセーもいらっしゃるのは救いですが、日弁連のやり方がなんだか独裁政権のようになっていましてとても香ばしいですね。

死刑の賛否などそう簡単に結論が出るものではないでしょう。欧米では死刑廃止の傾向が強いですが、イスラム圏やアジアでは死刑制度が根強いですし、その欧米も死刑の前に現場で警官が銃をぶっ放して殺しているわけですからある意味死刑ですよ。むしろ冤罪の可能性も高い死刑です。

こんな議論をするくらいなら、いっそのこと弁護士法を改正して
「加害者寄り」の旧・日弁連 と
「被害者寄り」の新しい加入団体(新・日弁連)
を作って、どちらかに加入するように変えても良いんじゃないですかね。そんで、犯罪加害者は旧・日弁連に弁護してもらって、被害者は新・日弁連に訴えてもらう。

なんだか盛り上がりそうで我ながら良いアイデアですわ!

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内容(光文社HPより)
琉北大学の職員・島本龍也は、学生の御園百合菜から指導教授のセクハラの相談を受けた。だが百合菜は、大学内の女子トイレで惨殺死体となって発見される。しかも事件は、獣のような金切り声を現場に残す女子学生連続殺人へと発展していった。かつて猟奇殺人事件を解決した琉北大学教授の高倉孝一もまた、事件の渦中に巻き込まれていく。日常に潜む闇の恐怖が忍び寄る!


曹源寺評価★★★★★
前川センセー自身が現役の大学教授ということもあって、センセーの書くお話はだいたいが大学関係者を主人公あるいは語り部に据えておられます。デビュー作の「クリーピー」がいつの間にか映画化されてびっくりしましたが、続編まで出るとはさらにびっくりです。
琉北大学の女子トイレで次々と起こる殺人事件。犯人は最初に殺害された百合菜にセクハラで訴えられていた教授なのか?という展開だけではなく、この連続殺人事件と並行してストーカー化する大学職員の島本龍也のストーリーという二本が同時進行していくところが本書の見どころではないかと思います。
犯人は誰か、という謎解きの部分はやや(というかかなり)あっさりし過ぎていて前フリも伏線もあったもんじゃありませんので正直言ってあまり面白くないです。
しかし、前川センセーの著作をデビュー作の「クリーピー」からずっと読み続けていた自分としましては、

本作が一番怖い

と思いました。それは何と言っても、センセーの描写力がどんどん進化していて思わず感情移入してしまいそうなほどだったという点が理由です。
ストーリーの出来は「クリーピー」のほうが上かもしれませんが、よりリアルな、読ませる作品としての出来栄えは本書のほうが上ではないかと思います。





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posted by 曹源寺 at 15:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ま行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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