ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

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2016年10月14日

書評751 河合莞爾「800年後に会いにいく」

こんにちは、曹源寺です。

すっかり涼しくなって、ビールのおいしい季節が過ぎ去ってしまいました。そんなところにこんなニュースが。
サッポロの請求棄却=「ゴクゼロ」酒税返還問題―不服審判所(10/14時事通信)
サッポロビールが第三のビールとして発売した「極ZERO(ゴクゼロ)」をめぐり自主納付した酒税115億円の返還を求めている問題で、同社は14日、国税不服審判所から請求棄却の裁決書が届いたことを明らかにした。国税当局がサッポロの異議申し立てを棄却した判断について、審査を求めていた。
国税不服審判所は、国税当局の処分に不服がある場合に申し出る機関で、弁護士や公認会計士などが審判官を務める。請求棄却を受け、サッポロは「外部の専門家の意見を聞いて今後の対応を決める」とコメントした。


これって、サッポロビール側が科学的・技術的に「第三のビール」であることを証明したにもかかわらず、国税当局がごねて返還していないだけの話だと思っていました。
それがなぜ国税不服審判所にて請求棄却となったのか、記事にはその理由が書かれていないので分かりませんが、なんとなくごね得の匂いがプンプンしますね。酒税の盲点を突いた第三のビールですが、消費者のニーズに合わせて技術改良した結果ですから何の問題もないはずです。個人的には本物のビールの風味が好きなのであまり飲んでいませんが。

そういえば、11日はWHO(世界保健機関)が炭酸飲料に20%以上の課税をすれば肥満や糖尿病、虫歯などの患者が減少する効果があるとしてニュースになりました。いわゆる肥満税ですね。
やめてほしいです。ビールと同じで、こんなのはアスパルテームやフェニルアラニン、エリスリトールなどの人口甘味料に取って代わられるだけです。人口甘味料まみれの飲料など飲みたくもありません。エリスリトールは取りすぎると下痢などの症状に見舞われます(貴志佑介センセーの「クリムゾンの迷宮」ですな)。

つまり、ビールにしても砂糖にしても、課税強化したところで代替策があるものについては税収増が見込めないばかりか、文化を破壊し、人体への悪影響を及ぼすことになるわけです。肥満を減らしたければ白米から玄米へのシフトを進めれば良いと思います。玄米をうんと安くして、精米に税金を取るとか、小麦粉も全粒粉と精白粉で価格差をつけるとか。まあ、それでも抜け道ができそうですが。

となると、課税を強化したければ逃げ道のない分野に限るということになりますが、独身税を設けても偽装結婚が増えるだけとかいろいろありそうですね。
取れるところから搾り取ろうとする国税当局はもう少し想像力を働かせてから課税してください。それができなければ課税強化などしないでください。

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内容(幻冬舎HPより)

西暦2826年にいる、あたしを助けて」。彼女の「真実」を知った時、あなたはきっと涙する。 かつてない、恋愛SFミステリー誕生! クリスマスイブの夜、残業をしていた飛田旅人のPCに突然、謎の少女からメッセージが届く。「このままでは死んでしまう。あたしにスズランを届けて」。再生された動画ファイルの作成日付は、2826年12月24日とあった。メイと名乗るその少女は何者なのか。そしてなぜスズランが必要なのか。「メイに会いたい。でもどうやって?」。思い悩む旅人に、上司で天才技術者の菜野マリアが、800年後の未来に行くためのあっと驚く、思いもよらない方法≠提案する――。彼女≠フ真実を知った時、あなたはきっと涙する。いまだかつてない、恋愛SFミステリー誕生!


曹源寺評価★★★★
横溝正史か島田荘司ばりの「奇妙な死体」から始まるミステリを発表し続けてこられた河合センセーですが、いきなりSFモノに挑戦した!というので驚きとともに読んでみました。
大学4年生にして就職浪人寸前の飛田旅人(とびたたびと)は、怪しげな求人広告に惹かれて青山のオフィスビルを訪ねる。そこはセキュリティソフトウェアの開発会社であったが、人工知能の開発も手がけるような天才的な専務、菜野マリアがいて旅人は恋に落ちる。

なんだ恋愛系かよ〜苦手なんだよな〜

と思い、ダラダラした導入部に嫌気が差してきたのですが、
クリスマスイブの夜に残業をしていた旅人に、謎の動画が配信される。そこに映った少女のメッセージが「800年後の自分にスズランを届けて欲しい」というものであった。旅人は果たして彼女のリクエストを叶える事ができるのか?

ありゃ、時空を超えるのか、SF系やね

今までの著作と全然ちがうわねー、こんなジャンルをよく書き分けられるなぁと感心。
800年後に行くその手段に

あぁ、これは新たなサイエンスやねぇ

とさらに感心。そんなところに原発を狙うテロリストのニュースが日本中を駆け巡る!

ファ!?一気にサスペンスやんけ!

物語が一気に引き締まります。そんでもって、時空を超える話と原発の話がどう絡んでくるのか、全く先が予測できなくなり、読むスピードが加速します。
そこからは一気です。ラストまでグイグイと読ませてくれました。恋愛SFミステリという触れ込みは伊達じゃありません。

(以下、多少ネタバレ)
質量保存の法則により、宇宙の物質の総量は一定である→だからタイムトラベルすることは不可能→だから「情報」だけがタイムトラベルすれば解決!とかいう論法にはさすがにやられましたが、私立文系でもなんとかついていけましたのでフツーの人でも読みこなせると思います。





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posted by 曹源寺 at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) | か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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