ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

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2016年10月18日

書評752 鏑木蓮「炎罪」

こんにちは、曹源寺です。

先週末はこのニュースが衝撃的でした。
中央大 連続出場87でストップ 44秒差で伝統守れず(デイリースポーツ10/16)
「陸上・箱根駅伝予選会」(15日、東京)
50校が参加して各校上位10人の合計タイムで争われ、最多14度の総合優勝を誇る中大は11位に終わり、88回連続91度目の出場はならなかった。1位の大東大、2位の明大、中大と44秒差で10位に食い込んだ日大など10校が通過。来年1月2、3日に行われる本大会には、2大会連続総合優勝の青学大を含むシード校と、オープン参加の関東学生連合を加えた21チームが参加する。

箱根路を彩ってきた伝統の赤たすきが途切れた。順位発表で10位までに「中央大」の名前が読み上げられなかった瞬間、メンバーは顔を押さえ、うなだれた。1925年の第6回大会から続いていた本大会出場を逃し、エースの町沢大雅(4年)は「伝統を守れず、本当に申し訳ない」と肩を落とした。

選手の自主性を強みにしてきたが、いつしかそれは“緩さ”に変わっていた。互いに厳しさを持ち込めず、他校のレベルが上がる中で低迷。4月から母校を率いる元世界選手権マラソン代表の藤原正和監督(35)は、7月に主将を1年生の舟津彰馬に変更するなど荒療治を敢行した。

1年生主将は先輩にも臆することなく「練習でもラストでペースを上げたりした」と改革に努めたが、全体100位以内に4人しか入れず、涙。続けて「悔しさは今日の涙で出し切った。次は断トツの結果を出せるように」と復活を期した。

59〜64年には6連覇の黄金時代も築いた伝統校。藤原監督は「力不足。新しい伝統を一から始めたい」と再興を誓った。


正月に中大が走っていない駅伝を観ることになるとは思いもしませんでしたが、ここ数年の低迷振りを見るとついに落ちるところまで落ちたなあという印象でもあります。

伝統校のうえに胡坐を欠き、自主的な練習に終始して規律が緩みっぱなしになる。他校は科学的なトレーニングだけでなく、心理的サポートやコーチングの導入など多角的な取り組みを行ってきました。実に対照的でありました。
また、日曜日のご意見番ことハリー張本氏も「内紛があった」と論じています(これに関しては野村修也教授が否定していますが)。これは、変えなきゃだめだと言っている層と伝統を守れと言っている層がぶつかっていただけで、内紛というより単なる意見の対立でしょう。

個人的にはこれでよかったのではないかと思います。いっぺん、落ちるところまで落ちたらよろしい。危機感というのは崖の上にいても理解できない人がいるのです。
優勝争いからも10年以上遠ざかっていましたので、これを機に藤原監督の抵抗勢力を一気に排除して、若い主将とともに3年がかりで立て直して欲しいと思います。

来年上がれなかったらマジヤバイとかいう意見も多いですが、立った1年で立て直せるかどうかは微妙ですね。舟津主将が4年生になるときが本当の勝負だと思って、長い目で見守ってあげたいところです。来年も結果が出せなかったとしても藤原監督をすぐに更迭するような愚は犯さないで欲しいものです。

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内容(講談社HPより)
京都市内にある自傷患者専門クリニック兼自宅が全焼。精神科医・山之内一蔵が焼死体として発見され、妻・和代とは連絡がとれないままである。
警察はクリニックの患者で山之内医師とトラブルのあった連続放火犯・長門に疑いの目を向けるも決め手に欠け、さらには自殺説、行方不明の妻犯人説など様々な推理が飛び交い捜査が難航した。
混乱の中、下京署の片岡真子は山之内医師周辺のある事故に目を向け、思わぬ推理を展開するが……。
「お嬢」と呼ばれた京言葉の女性刑事が情熱で事件に挑む警察ミステリー!
デビュー10周年・乱歩賞作家・鏑木蓮が放つ渾身作!!

曹源寺評価★★★★★
鏑木センセーもデビュー10周年ですか。早いものですね。鏑木センセーは乱歩賞受賞作家ですが、ちょうどこの10年くらいの間の乱歩賞出身作家は個人的に好き嫌いがありまして、鏑木センセーの作品はすべてを読んでいるわけではありません。なんというか、重要な局面のはずがあまりに簡単に素通りしてしまったり、登場人物の書き分けが中途半端だったり、という文体のイメージがありまして積極的に入り込めないんですね。
で、本書です。京都府警の女刑事、片岡真子が活躍するシリーズ第2弾なんですが、案の定第1弾の「時限」(当初のタイトルは「エクステンド」)が記憶にありませんでしたわ。。。
それでもめげずに読み進めます。緊張したり興奮したりすると京都弁が丸出しになってしまう真子は刑事の勘を大事にするタイプ、つまり直情的な刑事さんです。京都弁は文字に書き起こすとちっとも優雅でないですね笑
精神科医師が焼死体で発見されその妻が行方不明な事件。一見すると心中事件のようにも見えるが物的証拠も目撃者もなく妻の足取りもつかめない。些細なことでも突き詰めていく真子の熱血捜査からついに糸口が見つかるが、そこには驚くべき事実が隠されていた。。。
みたいな、なんだか沢口靖子主演の2時間ドラマみたいな展開ですね。そういえば「京都地検の女」とかいうドラマがありましたね。まさにあんな感じです。小説ならばもうちょっと脇を固めないと面白みが薄れます。真子以外のキャラクターも確立されているようですが、活躍するほどではないのでもっとキャラを出しても良いのかもしれません。
まあ、そもそもなんで京都弁を操る熱血だけがとりえの女刑事というキャラクターで勝負しようと思ったのかが良くわかりません。これくらいだとフツーすぎると思ってしまう自分がいけないのかもしれませんが、警察小説はすでに未知の領域に突入していますよね。遠藤武文センセーの「裏店」シリーズとか、川瀬七緒センセーの「法医昆虫学捜査官」シリーズなどのように

主人公がぶっ飛びすぎているキャラクターがどんどんと

出てしまっているというのがいけないのだと十分承知していますが、

このくらいのキャラクターだともう物足りません。

ヤバイな。
でもストーリーやラストはそれなりに納得できますよ。犯人を追い込む最期の落としどころなどはうまいなあと思います。





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posted by 曹源寺 at 16:42| Comment(0) | TrackBack(0) | か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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