ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

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2017年01月13日

書評773 鳴海章「悪玉」

こんにちは、曹源寺です。

サンデー毎日のコラムが胸糞悪かったので晒すことにします。
「日本スゴイ」なんて自己陶酔する「この国」はアホの限界(サンデー毎日2017年1月22日号)
牧太郎の青い空白い雲 603
 新年、柄にもなく神仏に「国家の安寧」を祈った。おのれの健康より、国家が大事!なんて思ったのは初めてのことだ。
 昨年6月、国民投票でイギリスのEU離脱が決まった。11月のアメリカ大統領選はトランプ氏が予想を覆し勝利した。グローバル経済の下で「困難な立場」に追いやられた人々が、「既存の価値観」に異議を申し立て"思わぬ結果"を招いた。
 とはいっても、グローバル化の波は避けられない。これも時代の流れだ。その結果、あちこちで保護主義(=愛国第一主義)派と市場開放派の「戦い」が始まる。「価値観分断の時代」の到来である。
 せめて日本国だけでも「限られた人間の限られた幸せ」ではなく、誰もがイライラすることなく、精神が安定する日々を過ごせるように! そう祈った。
 電通の女性社員が長時間労働などに耐えられず自殺、イライラが高じて佐川急便の社員が配達の荷物を地面に叩(たた)きつけたりするようなことがないように!神仏に頼んだ。ともかく、日本は「アホの限界」に瀕(ひん)している。
 長いことアメリカに「属国扱い」されているのに、今さら歴史的真珠湾訪問!と大々的に喧伝(けんでん)し、「仲直り」を演出する安倍さん。はっきり言わせてもらえば「アホの限界」である。大多数の国民がイライラしているのに、安倍さんはコレに気づかない。批判精神旺盛なはずのメディアは「アホの限界」に知らん顔。神仏に頼るしかない。不安な新年である。
    ×  ×  ×
 今年も「安倍晋三首相」でいいのか?
 昨年5月16日の国会審議。安倍さんは「議会の運営について、少し勉強していただいたほうがいい。議会については、私は立法府の長」と答弁した。念のため、立法府の長は(形式的ではあるが)、衆参両院議長である。安倍さんは小学生でも知っていることすら知らない。無知だ。「言い間違えだ」と彼に味方する人もいるが、翌日も「立法府の長」と言い続けた。誰かが教えてやらないと、裸の王様は「無知」に気づかない。
 安倍さんは「下品」でもある。その12日後の国会で「早く質問しろよ!」。ヤクザのようだった。
 安倍さんは「嘘(うそ)つき」だ。
 これは数え切れない。その代表格が「フクシマについてお案じの向きには、私から保証をいたします。状況は統御されています」。例の五輪招致プレゼンテーションでの発言。これは真っ赤な嘘だ!と世界は知っている。
「デフレではないという状況を作りだすことはできたが、デフレ脱却というところまではきていないのも事実」と言い続ける。何を言いたいのか、さっぱりわからない。要するに、真っ赤な嘘の連続。地獄の閻魔(えんま)様もビックリだ。
「思い上がり」でもある。「(憲法解釈の)最高責任者は内閣法制局長官ではなく私だ」と言い放つ。
 それでも「安倍首相」を権力の座から引きずり降ろそうとしないのは、悪知恵に長(た)ける「限られた人々」が、「利用価値」を知っているからだ。首相をおだてれば「利権」を独り占めすることができる。この構図は、大統領スキャンダルで瀕死の韓国と同じではないのか?
    ×  ×  ×
 年末年始、テレビ各局は「日本スゴイ」特集を流した。
 12月29日の「世界!ニッポン行きたい人応援団」(テレビ東京)は3時間も、外国人が「日本大好き!」と称賛する番組だった。1月3日は日本の良さを再確認する「和風総本家」(テレビ大阪)......日本って、伝統文化もハイテクも全部スゴイ!を連発する。年末年始、テレビは日本礼賛のオンパレードだった。書店にも「日本スゴイ」本が並ぶ。『財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済』(講談社)といった調子である。
 誰かが「日本スゴイ」ブームを作っているのか。 安倍さんの「アホ支配」を続けようとする向きが、カネを使って「世論操作」をしているのではあるまいか?
(少数派だ!と思いたいが)アホな日本人が「日本スゴイ」ブームに自己陶酔している。
    ×  ×  ×
 戦時下の自己陶酔に似ている。
 満州事変をキッカケに、国際社会から孤立した日本は天皇中心の国家統治を前面に打ち出し「神の国、日本はスゴイ」を喧伝した。日本民族は優秀だ!と信じた日本人はやがて破局を迎えた。
 あの時と同じではないか?
 2017年、日本は「スゴイ」どころか、「アホの限界」を迎えているのに。
 あえて言う。今年も「安倍首相」でいいのか?


日本を貶めることが仕事になっている変態毎日新聞にとっては、日本を持ち上げられることがなにより腹の立つことのようです。

テレビはほとんど観ませんが、和風総本家(テレビ東京)のような番組が伝統的な日本の産業を特集していることは知っています。伝統的な文化に学ぶべきことは多いでしょうし、子どもにもみせたいですね。そこには日本アゲのような意識はあまりなくて、それでも京都の竹細工や金沢の漆細工などが見れば「スゲエ」と唸ってしまう技がそこにありますね。職人や伝統芸を大事にする風土、こればかりは完全に土着の文化・風土であって、誰がいちゃもんをつけようが日本には根付いているわけであります。
そうです、日本にはまだまだ残すべき伝統的な産業がいっぱいあるはずです。日本酒の杜氏や箱根の寄木細工、秋田の曲げわっぱ、刀工による日本刀、などなど。文部科学省はこうした産業を承継するべく職人を養成するための人材確保に力を入れるべきでしょう。大学進学率を上げて天下り先を確保するだけが仕事ではないはずです。

話がそれましたが、日本の価値を見直す動きを「アホ支配」と言って切り捨てている牧太郎は、このコラムで和風総本家などの視聴者を馬鹿にしていることが明らかになりましたので、いずれ反発を食らうことになるのは間違いないでしょう。
視聴者だけではないな、テレ東・日経グループはこれ怒っていい案件ですね。

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内容(KADOKAWA HPより)
正義は、そこにあるか。鳴海章の圧倒的な筆致で描く長篇警察小説
お前は、警官の背中に何を見る──。
住田航は温海警察署の刑事課の組織暴力担当の刑事。署のある静岡県温海市は観光地で近年、準暴力団の特殊詐欺グループの進出が噂されている。そこに県警本部から住田の相勤者として國貞智宏が異動してきた。國貞は本部の対暴力団のエースであり、その容姿は県警の警官募集のポスターに採用されるほど。なぜ國貞の相方に住田が選ばれたのか。國貞にはなにか密命があるのか。謎の多い國貞に不審を抱きながらも、彼の情報を元に老人介護施設を隠れ蓑にして運営されているとう闇カジノの捜査に乗り出すが……。


曹源寺評価★★★★★
鳴海章センセーなんて、いったい何年ぶりだろう。もしかしたら乱歩賞受賞作の「ナイト・ダンサー」以来かもしれないほどご無沙汰してしまいました。鳴海センセーは航空サスペンス系というイメージが強くて、あまり馴染みのない感じでしたが、意外と警察小説なども書いていました。
本書は静岡県熱海市ならぬ温海市という町を舞台にした警察小説です。古くからの温泉街であるが、東京からの近さが仇となって寂れてきた街、温海市。架空の街とはいえ、もろにまんま熱海市です。温海市はカジノ導入で復活を目論むが一方で利権争いも生まれ、非合法組織が暗躍するようになり、一触即発の状況です。そこに特命を受けて捜査に乗り込んだマル暴のエース國貞と所轄の若手である住田がコンビを組み、謎の多い殺人事件に挑みます。
と、ここまでは良いですね。なんだか普通の警察小説です。
しかし、200ページを過ぎた辺りから様相は大きく変わっていきます。
悪の組織はとんでもない奴を飼っていました。ここから一気に猟奇殺人、しかも相当にグロい話になっていくのです。最初のややハードボイルドな展開は何だったのか。あの誉田哲也センセーでさえもここまで唐突にはやらかしませんわ。

予告なしのグロは身体に悪いです。

前半にグロ色が微塵もないところから中盤で急に登場、というサプライズ。心の準備ができていないところにエグイ描写。鳴海センセー勘弁してください。
本書は別にグロである必要はないのでは、と思うのですが、果たしてどうでしょうか。
このグロい部分を除けば、ラストにかけてのヒリヒリしたギャンブル場面、アクションシーン、その後のドロっとした結末まで、一気に読ませてくれます。なぜ?の部分がそれなりにありますが、余韻の残るラストと言って良いでしょう。それだけにグロ場面が不要に思えるのです。





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posted by 曹源寺 at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | な行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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