ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

過去ログページ

2017年04月28日

書評799 大沢在昌「夜明けまで眠らない」

こんにちは、曹源寺です。

マスゴミがよく定期的に記事にしているニュースってありますよね。そういうのはまともなニュースのなかにプロパガンダが混ざっていたりするなので注意が必要です。
なかでも注意したいのが「国の借金」と「報道の自由度ランキング」でしょうか。
国の借金とは財務省が定期的に発表しているやつですが、よく「国民一人当たりの借金は800万円もある!」「孫子の代までこの借金を背負わせてはいけない」とかいうおまけのコメントがついてきます。
これは明らかに間違いなので気をつけなければいけません。バランスシートで考えれば分かる話ですが、借金=負債であるならば、バランスシートの反対側にある資産はどうなんだということですね。借金が増えていてもそれ以上に資産があれば問題ないですし、そもそも国民の借金ではなくて「政府の借金」ですから、国民は関係ありません。というか、政府は国債を発行して国民に買ってもらっているのが実情ですから、国民はいわば「金を貸している」方になるわけです。それを財務省(とマスゴミ)はなぜか「国民一人当たりの借金」という表現を使って、さも日本はヤバイ!とか借金大国だ!とか騒いでいるわけですね。まったくおかしな話です。

もうひとつの「報道の自由度ランキング」ですが、最新の調査では日本は先進国中最下位の72位だそうです。
アサヒが記事にしていました。
報道の自由度ランク、日本は72位 G7最下位に(4/26朝日新聞)
国際NGOの国境なき記者団(本部・パリ)は26日、2017年の「報道の自由度ランキング」を発表した。調査対象の180カ国・地域のうち、日本は前年と同じ72位だが、イタリア(52位)に抜かれて主要国7カ国(G7)では最下位だった。
ランキングは各地で働く記者や専門家へのアンケートをもとに作成。北欧諸国が上位で、中東シリアや北朝鮮が下位に並ぶ傾向は変わっていないが、世界各地で「民主主義が後退し、ジャーナリズムの力が弱まっている」と警告している。
日本は10年の11位から順位の低下が続く。安倍政権への辛口キャスターらの降板なども踏まえ、「メディア内に自己規制が増えている」「政権側がメディア敵視を隠そうとしなくなっている」などと問題視。特定秘密保護法については、国連の特別報告者から疑問が呈されたにもかかわらず「政権は議論を拒み続けている」とした。
43位だった米国については「トランプ大統領がメディアを民衆の敵だと位置付け、いくつかのメディアのホワイトハウスへのアクセス制限を試みた」と警戒感を示した。(パリ=青田秀樹)

■報道の自由度ランキング(カッコ内は前年との比較)
1 ノルウェー(3)
2 スウェーデン(8)
3 フィンランド(1)
4 デンマーク(4)
5 オランダ(2)
16 ドイツ(16)
22 カナダ(18)
39 フランス(45)
40 英国(38)
43 米国(41)
52 イタリア(77)
72 日本(72)
148 ロシア(148)
176 中国(176)
177 シリア(177)
178 トルクメニスタン(178)
179エリトリア(180)
180 北朝鮮(179)


同じ報道をネットニュースの「J-CASTニュース」が取り上げています。
「報道の自由度」日本は変わらず72位 英米はランク落とす(4/27J-CAST)
国際NGO「国境なき記者団」は2017年4月26日、17年の「報道の自由度ランキング」を発表した。日本は評価対象の全180か国・地域のうち、72位にランクインし、16年と同じ順位となった。16年は77位だったイタリアが52位に順位を上げたため、日本は先進7か国(G7)では最下位になった。
調査では日本の報道について、大手メディアの自主規制や記者クラブ制度によって、ジャーナリストが権力監視の役割を果たせていないことや特定秘密保護法について国連から疑問視されたにも関わらず「政権は議論を拒み続けている」などと指摘している。
また、米国はトランプ政権によるメディア批判の影響で43位と16年より2つ順位を下げたほか、英国についても「国家安全のためとしてメディアに高圧的になっている」と指摘し、16年より2つ下の40位とした。一方で、17年もトップ3はノルウェー、スウェーデン、フィンランドと北欧諸国が占め、最下位は北朝鮮だった。


はい、比較していただくと一目瞭然ですね。アサヒが書いていないキーワードがあります。「記者クラブ制度」ですね。自分たちの作った制度が批判されているのに、そのことには全く触れないで、まるですべて政府が悪いみたいな書き方をしているのがアサヒです。

そもそも、このランキングが何を基準にしているのか良くわからない時点でクソなわけですよ。定量的な評価軸があれば堂々と公表すれば良いのです。たぶんないんでしょうが。こんな「自由度」なんてものは主観的な評価しかできないでしょう。なんにもありがたがる必要はないですし、ランキングが低いのも自業自得な部分があるのは前述の通りです。これをもって「我々報道機関は政府によって弾圧されているのだ〜」とでも言いたいのならば、まったくのお門違いであると言えるでしょう。

この2つの報道は、すでに多くの識者によって化けの皮が剥がされているわけですが、マスゴミはこれに懲りずに同じ報道を繰り返しています。だから情弱はどちらも少なからず信じていたりするわけで、「嘘も百回言えば本当になる」を地で行っているのが本当に恐ろしいです。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

内容(双葉社HPより)
タクシー運転手の久我は、血の匂いのする男性客を乗せた。かつてアフリカの小国で傭兵として戦っていた久我の同僚らしい。客は車内に携帯電話を残して姿を消した。その携帯を奪おうとする極道の手が迫り、久我は縁を切ったはずの激しい戦いの中に再び呑まれていく――みなぎる疾走感がたまらない大沢ハードボイルドの新たな傑作!


曹源寺評価★★★★
タイトルから想像したのは「お、久しぶりにサラリーマン坂田勇吉シリーズ出たんかいな」という印象だったのですが、共通しているのは「夜明け」というキーワードだけでした。坂田勇吉シリーズは「走らなあかん、夜明けまで」「涙は拭くな、凍るまで」と「語り続けろ、届くまで」という3つの作品がありまして、ただのサラリーマンがなぜかあちこちでヤクザの方々の抗争に巻き込まれるというお話です。
でも全然違いました。
今回の主人公は元傭兵でタクシードライバーの久我晋。タイトルのとおり、夜が明けないと眠れないという体質になってしまっているという設定です。その久我の乗客として現れた謎の男。その男が落としたのか置いていったのか、スマートフォンが座席に残されていた。それを欲しがったのはなぜかヤクザのフロント企業であった。謎の男は何者で、なぜ久我に接触しようと思ったのか。大きな陰謀の渦に巻き込まれていく久我が足を洗ったはずの傭兵の世界に再び足を踏み入れていく。
うーん、いいなあ。やっぱり大沢センセーのハードボイルド系作品はしみじみいいなあと思います。久々に新しいハードボイルドヒーローが登場しまして、うれしいです。
大沢作品にありがちな、本筋の方々と国内で勢力を伸ばそうとする外国の勢力、そして警察と孤立した主人公という設定ですが、

もうこれでいいじゃないですか。

いつもどおりの大沢作品の王道を行く設定であっても、それは逆に読者に大いなる安心感を与えてくれるわけですよ。そのくせに、相変わらずの疾走感と全体に漂うハードボイルドな香り。最後まで気の抜けないスリル溢れる展開に、我々読者は大沢センセーの力量を改めて感じざるを得ません。





にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

いつもご覧いただき、ありがとうございます。
応援よろしくお願いします。。
banner2[1].gif
posted by 曹源寺 at 17:26| Comment(0) | TrackBack(0) | あ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
最近の記事
カテゴリ
過去ログ
検索
 
最近のコメント
タグクラウド
<< 2017年04月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
リンク集