ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2011年12月15日

書評355 香納諒一「心に雹の降りしきる」

先週末にその同窓会に行ってきましたよ。結構地元に残っているメンバーが揃っていて、女の子も結婚しているくせにみんな午前3時まで騒ぎまくってすごいパワーでした。
大工、ペンキ屋、木材屋、公務員、、、野郎たちもサラリーマンやっていると会わなそうな職種の面々がズラリで新鮮でしたわ。昔ワルかったヤツが実家継いで社長やっているとか、勉強全然できなかったけれど自治体から表彰される腕前の職人になっていたとか、柔道ハンパなく強かったヤツが県警のお偉方になっていたとか、もうね、ひとつひとつが驚きでしたよ。

28年ぶりだったから、再来年に30周年ということで大々的に招集かける話になり、なぜか地元民でもないのにスタッフ状態になってしまったわ。。。orz


内容(双葉社HPより)
年前に行方不明になった少女の遺留品が発見された。まったく期待せずに捜査を再開した県警捜査一課の都筑だが、数日後、情報をもたらした探偵・梅崎の死体が発見される。梅崎はいったい何を掴んでいたのか? 都筑は足取りを追う……。






曹源寺評価★★★★
「このミステリがすごい!2012年版」で堂々の9位にランクインした作品です。
香納諒一というお方はおそらく、読者を選ぶのではないかと思われますが、多くの著作に共通する「心に傷を負った刑事によるハードボイルドタッチのミステリ」が好きな人には堪らない作品であることは間違いないでしょう。
本書もまた、そんなダメ刑事のお手本である山下県警捜査一課都筑刑事が、角材で殴られ、首を絞められ、ボコボコに殴られて車のトランクに押し込められながらも執念の捜査で複数の事件を解決に導いていく様は、スリルとスピードに溢れた筆致で読者を引き込んでくれます。
ダメ刑事や偏屈刑事を描かせたら右に出る人はいないのではないか(永瀬隼介氏もけっこううまいですね)と言わせんばかりの

屈折ぶりがたまりません。

あぁ、偉大なるマンネリ。だがそれがたまらんのです。
その複数の事件というのが、7年前の少女失踪事件、元新聞記者の探偵が死体で見つかった事件、探偵社の社長も死体で見つかった事件、誰かを強請ってホテル住まいを続けていた男が死んだ事件、元県知事の贈収賄疑惑事件、DV夫から逃げ回っている母娘を匿う件、とまあこんなに盛りだくさんで果たしてすべてきちんと終わらせられるのか?というくらい慌しく事件が進行していきます。ですから、クライマックスが二度、三度と続いてくるわけでして、「あぁ、そういえばまだこの事件が残っていたわ」と一息つく暇がないくらいスピーディな展開です。ですから、読むのに疲れます。疲れますが、読了した時の気分は

ちょっと爽やか

であります。
ひとつ難があるとすれば、謎解きが唐突すぎて読者に考えさせていないことでしょうか。もうちょっと伏線張っていたら、このミス2位くらいになってもおかしくないと思います。








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posted by 曹源寺 at 11:32| Comment(0) | TrackBack(0) | か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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