ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2011年12月26日

書評357 奥田英朗「我が家の問題」

そういえば今年は後厄だったんだけれど、ちゃんとお参りに行ったご利益なのか、たいした怪我も事故も病気もトラブルもなく、乗り切れそうです。
細木数子センセーによると、来年はかなりいい年になるはずなんだが、世界情勢とか景気とか悪すぎて期待が持てないなあ。宝くじでも買うか。。。

内容(集英社HPより)
平成の家族小説シリーズ第2弾!
完璧すぎる妻のおかげで帰宅拒否症になった夫。両親が離婚するらしいと気づいてしまった娘。里帰りのしきたりに戸惑う新婚夫婦。誰の家にもきっとある、ささやかだけれど悩ましい6つのドラマ。






曹源寺評価★★★★
2007年に刊行した「家日和」に続く奥田ファミリー小説であります。6つの短編から構成されていて、6つともそれぞれごく普通の家庭が抱える問題をテーマにしていますが、なるほど、些細なことでもその家庭にとっては大問題となることがままあるということを再認識させてくれます。
「甘い生活?」では良くできた妻に対して息詰まりを感じる新婚の夫を描き、「ハズバンド」では自分の夫がもしかしたら会社で「ダメ男」のレッテルを貼られているのではないかと気に病む主婦を描き、「絵里のエイプリル」では両親が離婚するのではないかとの疑念が拭えない女子中学生が主人公となり、「夫とUFO」では夜中に河原でUFOと交信する夫を心配する妻が、実は会社でものすごいストレスを抱えている夫の実態を知り、「里帰り」では北海道と名古屋をそれぞれ故郷に持つ新婚の夫婦が面倒くさいと思いながらも里帰りをこなし、「妻とマラソン」ではN木賞を受賞した売れっ子作家の妻がジョギングにはまり、とまあこんな具合でそれぞれのストーリーが進行していきます。
そこにあるのはオチのないストーリーですが、なぜか

オチがなくても面白い

という不思議な体験でした。
決して問題が解決するわけではないのですが、とてもほのぼのしていてなんだか「これでいいのだ」という赤塚不二夫先生の声が聞こえてきそうな読後感を感じることができます。
個人的には「ハズバンド」と「夫とUFO」がお気に入りです。
前作「家日和」は2007年の柴田練三郎賞を受賞したらしいのですが、柴田練三郎賞ってあまりよく知りません。直木賞と山本周五郎賞は面白い作品が多いですね。乱歩賞は登竜門だから当たり外れがありますね。まあ、奥田センセーは直木賞も獲っていらっしゃるので、いまさら受賞作だ何だと言ってもあまり意味はないかもしれませんが。








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posted by 曹源寺 at 16:43| Comment(0) | TrackBack(0) | あ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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