ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2014年08月21日

書評552 垣根涼介「光秀の定理(レンマ)」

こんにちは曹源寺です。
ブログ更新が一週間以上空いたのは久しぶりです。
夏はイベントが多いので読書時間が削られますね。帰省したり帰省したり帰省したりで。自分はそれほど旅行好きではありませんが、この季節は山に憧れますね。海もいいけど、海沿いの道は混むし、海水浴客はDQNばっかりだし、海産物のアレルギーが多い家族だし、で、基本山のほうに惹かれてしまうわけです。
標高2,000メートルくらいの避暑地でのんびりするのがいいねぇ。まあ、軽井沢でも1,000メートルですから、上高地くらい行かないとダメなんですけど。でも、長野県はまだまだ未開拓の場所がいっぱいあるので、来年あたりにのんびり行きたいなぁ。

内容(KADOKAWA HPより)
戦国の世を駆け抜けた三人の男たちが、その行く末に見た“歴史の定理”とは何だったのか!?
永禄3(1560)年、京都の街角で三人の男が出会った。食い詰めた素浪人・新九郎。路上での博打を生業とする謎の坊主・愚息。そして十兵衛......名家の出ながら落魄し、その再起を図ろうとする明智光秀その人であった。この小さな出逢いが、その後の歴史の大きな流れを形作っていく。
光秀はなぜ織田信長に破格の待遇で取り立てられ、瞬く間に軍団随一の武将となり得たのか。
彼の青春と光芒を高らかなリズムで刻み、乱世の本質を鮮やかに焙り出す新感覚の歴史小説!!





曹源寺評価★★★★★
垣根センセーの時代小説ということで、普段はあまりこのジャンルに手をつけない自分ですが読んでみましたよ。
本書は「日本一の裏切り者」の悪名高い明智光秀を、違う切り口で照らしてみた小説、という表現がぴったりでしょう。光秀を見る目が間違いなく変わります。そもそも、なぜ本能寺の変という謀反を企てたのかについては歴史の謎のひとつではありますが、光秀がどういった人物であったのかを細かく検証すると本書のような仮説にたどり着くのもひとつの道理ではあります。
本書では光秀をまじめで、実直で、ウソがつけない不器用者で、愛妻家で、朝廷の作法も見につけた、信長とその配下の野人的立ち振る舞いとは間逆の人物と定め、一族の復興隆盛を誰よりも願っていたがゆえにさまざまなものに縛られて生きてきたと評価しています。
そんな光秀と知己になり、彼を見つめてきた二人の男が登場します。ひとりは坂東武者の玉縄新九郎。京に単身渡ってきたが、地縁もなく食い詰めているところにもう一人の生臭坊主、愚息と出会います。この二人が非常に素晴らしいキャラクターでして、剣の道を行く新九郎の成長がちょっと目から汗の出るレベルであります。さらに愚息の死生観や無常感といったものもこの時代をよく捉えているなあと思います。
そして、タイトルにもあるとおり、「定理」の話であります。この時代にベイズの定理とかモンティホール問題とかいわれるやつを持ってくるという

発想に乾杯です

いや、完敗です


恐れ入りました。面白すぎだわこれ。
いわゆる確率の問題でありますが、この愚息が町人や浪人を相手にある賭け事を行い、小銭を稼いで糊口を凌いでいます。なぜ愚息は賭け事に勝ち続けるのか。勝ち負けを左右する数学的思考法の本質は、現代社会においても通じるものがあります。役に立ち、面白い。こういう時代小説なら何冊でも読みたいです。







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posted by 曹源寺 at 17:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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