ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2014年10月29日

書評566 三須本有生「推定脅威」

こんにちは、曹源寺です。

円相場はだいたい108円台くらいで推移していますが、これを円安と呼んでよいものか微妙なところですね。リーマン前は120円くらいありましたし、逆にミンス政権時代は70円台くらいまで上がりましたから、どちらを基準に考えるかで全然違う結論になります。
つまり、こうした相場というのはあくまでも相対的なものでしか評価できないのだろうということですね。
昔のものさしで今を測るということは、実は何の意味もないことであると、我々は認識すべきなのですが、これが時にはどうにも訳分からんことになるケースもあるようです。
「昔は禁煙席なんてなかった〜」←バカ
「25歳を過ぎた女性はバースデーケーキといっしょ」←バカ
「男の子を産まなかったら承知しないぞ」←大バカ
現代に通用しない尺度でモノを語るとバカ扱いされてしまいますよね。
では、その逆はどうでしょう?
現代の尺度で過去を語るのは、やはりバカといわざるを得ないのではないでしょうか。
「エジプトのピラミッドは奴隷制度の象徴だから破壊しろ」←超バカ
「あゝ野麦峠のような女工哀史は女性の尊厳を踏みにじっているから放送するな」←バカ
いずれも当時の社会では悲しいことですが是認されていたものであります(まあ、そもそもピラミッドは公共事業であって奴隷ではなかったという説が専らになりましたが)。
ですから、自分は「歴史認識」という言葉自体が非常に嫌いです。ついでに言うと「強制連行」という言葉も大嫌いです。いずれも日本語としておかしいです。なぜおかしいのか、みなさんもよく考えましょう。

内容(文藝春秋HPより)
誰よりも戦闘機を知る著者が描く、理系ミステリーの決定版!
自衛隊戦闘機「TF-1」が、スクランブル飛行中に墜落した。
この異様な事故を受け、防衛省は機体を製造する浜松の航空機メーカー、四星工業にその検証を依頼する。
四星工業では入社三年目の技術者、沢本由佳が上司の永田とともに業務にあたっていた。
シミュレーションの結果、事故はパイロットの単純な誤操作によるものだと判断されたが、
永田は沢本が言った何気ない一言が気になり、すでに会社を辞めてデザイナーをしている同期の倉崎に話を持ちかける。
スクランブル発進した自衛隊機は、なぜ不可解な事故を起こしたのか?
背後に浮かび上がるのは、「TF-1」設計時に官(防衛省)と民(航空機メーカー)がそれぞれ抱え込んでいた闇だった。
深い知識に裏打ちされた緊迫の飛行描写。和製トム・クランシーの誕生です。





曹源寺評価★★★★
週刊文春を毎週購読していると、本書の広告がめったやたらに張り付いていたのが目に付きました。そんなに売り込みたいのならいっちょ読んでやるかということで、304ページ一気読みしました。
ちなみに、第21回松本清張賞受賞作品であります。
航空自衛隊の戦闘機TF-1が2回スクランブル出動し、いずれも不慮の事故に遭遇するというアクシデントに見舞われ、四星工業のエンジニアである沢本と元四星の倉崎が事件の謎に迫るというストーリーであります。
理系ミステリを強調しているから難しいかなと思ったんですが、専門用語以外は読みやすいので素人さんでも大丈夫ですね。ただ、フラッターとかSRMとか

説明が一切ないっつーのは

どうなんでしょう。フラッター現象でググると分かりますが、異常振動のことですね。予備知識なしですらすらというわけにはさすがにいかないですね。
あとはミステリとしてのできばえですが、あまりにも陳腐な展開で

あっという間に先が読める

という、どんでん返しも何もないチープなストーリーには既読感が満ち溢れていました。
つまり、本書は航空機ファンにはたまらない本になっているほかは、ちょっと高度な専門知識と戦闘機受発注の流れを知るという以外にあまり収穫はない、という結論になりそうです。








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posted by 曹源寺 at 18:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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