ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2015年02月06日

書評588 下村敦史「闇に香る嘘」

こんにちは、曹源寺です。

なぜかマスゴミ連中はいまだに「イスラム国」の呼称を使い続けていますが、穏健なイスラム社会に対する重大な権利侵害でありますので、ただちにやめていただきたいです。繰り返しますが、奴らはただのテロリスト集団であって、国ではありません。誤解されるような呼称は即刻やめるべきです。

そんでもって、後藤健二さんを祭り上げるのもやめましょう。湯川はるなさんをお忘れですか?同じジャーナリストだったからといって後藤さんばかりネタにするのは湯川さんに対して失礼です。

さらにさらに、「後藤さんの勇気を無駄にするな。ジャーナリストは戦場に行け」という論調もありますね。まあ、ジャーナリストが戦場に行かないのはどうかと思いますので、そこは同調しますよ。ですが、「オレは戦場に行くけど、もし捕まったら国が助けろよ」という主張も見え隠れするんですが、それはどうなんでしょう。なぜか「自己責任」論に対しても批判的な方がマスゴミには多いのですが、そのウラには「何かあったら国が助けろ、金を出せ」という主張と表裏一体になっていないかと勘ぐってしまいます。

そこまで主張するならば、憲法改正にも同調すべきです。海外派兵して日本の軍隊が人質奪還に向けて動けるようにするのも合わせて主張すべきではないでしょうか。
要するに、権利ばっかり主張して義務を忘れているわけです。
ちなみに、自己責任とは「すべて自分の責任だから国は助ける必要なし」というものではなくて、「国も頑張れ、だけど最終的な結果責任は自分にあるのを忘れるな」と定めるのが自己責任ではないかと思います。

ちょっと違いますがこんなニュースもありました。
山本太郎氏、“なかまたち”となかま割れ? テロ非難の参院決議を棄権 他議員は賛成
「生活の党と山本太郎となかまたち」代表の山本太郎参院議員が6日昼に参院本会議で行われたイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」のテロ行為を非難する決議の採択を欠席した。同党の主濱了、谷亮子両参院議員は賛成し、昨年末に発足したばかりの同党で早くも「なかま割れ」となった。
山本氏は本会議には出席したが、押しボタン形式の採決前に退席した。(以下略)

すげえなメロリンQは。筋金入りのテロリストだわ。コイツに投票した東京都民は反省が必要だな。

内容(講談社HPより)
「週刊文春2014ミステリーベスト10」国内部門 第2位
「このミステリーがすごい!2015年版」国内編 第3位
歴代の江戸川乱歩賞受賞作で両ランキングのベスト3に入ったのは史上初の快挙!
村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。和久は兄の竜彦に移植を頼むが、検査さえも頑なに拒絶する兄の態度に違和感を覚える。中国残留孤児の兄が永住帰国をした際、既に失明していた和久は兄の顔を確認していない。
27年間、兄だと信じていた男は偽者なのではないか――。全盲の和久が、兄の正体に迫るべく真相を追う。
選考委員の有栖川有栖氏が「絶対評価でA」と絶賛し、選考会では満場一致で受賞が決定。第60回を迎える記念の年にふさわしい、江戸川乱歩賞受賞作!








曹源寺評価★★★★★
2014年の乱歩賞受賞作がなんだか賞賛されています。90年以降の受賞作品を全部読了している自分としましても、とても気になっておりました。歴代の受賞作品で最もお気に入りなのは「テロリストのパラソル」ですね。次点が「13階段」と「脳男」です。さあ、本書はどうか。

おぉ、これは面白い

作者の下村センセーは苦節9年、最終選考5回目にしての初受賞ということで、まさに執念の受賞であります。おめでとうございます。今時、ここまで乱歩賞に情熱を傾けている御仁はなかなかお目にかかれないのではないかと思いますが、なにせ過去の受賞者には森村誠一、東野圭吾、真保裕一、桐野夏生、池井戸潤、等々、数え切れないほどの大先生が勢揃いでありますから、他の新人賞とは違う重みがありますね。
本書は盲目の69歳が主人公であります。なんという難しい設定。しかも全盲。よう書きましたな。主人公の村上和久は孫娘のために腎移植ドナーを探すが、兄の竜彦には断られてしまう。竜彦の態度に不信感を覚えた和久は、中国残留孤児だった竜彦が偽物ではないかと考え、竜彦の関係者に話しを聞いて回る。全盲の探偵役という展開に思わず「こんなん成立するんかいな」と思いながら読み進めていきましたが、なんとこれが面白い。主人公を一人称にして見えない状況を描写するので、晴眼者のそれよりも描写がスリリングになります。
兄・竜彦の真相を探ろうとさまざまな人を訪ね歩いたところ、点字による脅迫状が届くようになったり、本当の兄を名乗る人物が接触してきたり、孫娘が誘拐されたりと話がどんどんエキサイティングになってきます。
話の途中で張り巡らされた伏線は、ラストで一気に回収されます。でも、その間、人が死ぬ場面はただの一度きりです。警察もほとんど表に出てきません。それでもこんなにワクワクの展開にできるのは作者の力量にほかならないのでしょう。

整理してみます。
主人公が全盲→なかなかに難しい設定
中国残留孤児問題→社会派的ではある
殺されかけたり、脅迫状が届いたり→けっこうミステリアス
伏線をしっかり回収→タイトルの通り「嘘」もあるし、受け止め方の差もある
ラストにちょっとしたどんでん→なるほどこれは盲点だったわ
最後は救われる→これもなかなか良いラスト

面白い作品としての要素をふんだんに盛り込んでいることが分かります。ただ、あまりにもふんだんなので

テクニックに走りすぎじゃね?

という感想がないわけではないです。実際、ストーリーは場面ごとに途切れますので不連続なところはあります。会話も多いのですが、これは読者をミスリードしているわけではなく、主人公の思いと周囲の発言の真意のズレをうまく利用していて、真実が分ったときのひっくり返し様がうまいのでこのへんのテクニックが近年の受賞作とは一味違うなあと実感させられます。
もう次の作品が出ているらしいので、早速追いかけなくては。






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posted by 曹源寺 at 15:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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