ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2015年03月27日

書評600 竹内明「背乗り 警視庁公安部外事第二課」

こんにちは、曹源寺です。

日経平均株価は2万円を目前にして足踏みを続けていますが、これだけの金融緩和でもバブル期の半分しかないわと考えたら、すぐにでも突破しておかしくないと思います。でも、世界情勢はかつてないほど緊迫していますので、ISILによる大掛かりなテロ一発でもあればあっという間に世界が変わるのではないかとも思っています。
考えてみれば、米国の敵だったソ連は崩壊して冷戦構造が崩れてから、いわゆる軍産複合体のような輩の身の置き所というのが専ら火種燻る中東しかなく、中途半端な介入と中途半端は撤退でアフガンとかイラクとかシリアとかテロの温床となった国々を生み出したのは間違いなく米国です。
つまり、これは計算ではないかと。
敵を作り出すことにかけては天才的な才能を発揮していますね。9.11もこうした おっと、誰か来たようだ。。。

話は変わりますが、日本ではいわゆる「残業代ゼロ」法案が出されて議論の的になっています。自分はどうもベクトルが違うのではないかと思っていますし、多くの報道も疑問符がついた内容になっていますね。
欧米は逆で「残業代は単価を思いっきり上乗せしろ」ですから、普通に考えればそのほうが抑止力が高まるのは当然だと思います。
ではなぜ、安倍政権はゼロの方向で話しを進めているのか?ケケ中の策謀だ!とか、いずれは年収1,000万円未満の層にも適用を拡大するはずだ!とかいろいろ言われていますが、もしかしたら、こんな考えもあるのではないかと思ってしまいました。
それは『年収1,000万円以上の管理職ではないサラリーマンなんて、大手商社か外資系、マスコミくらいしかいないわ。
つまり、マスコミをターゲットにした『ブラック化』なのでは、と。
考えすぎだとは思いますが。。。





内容(講談社HPより)
背乗り【ハイノリ】とは、諜報員や犯罪組織の構成員が、行方不明者などの戸籍を乗っ取って、その人になりすますこと――。
知られざる日本の闇、公安捜査の内実に迫る、衝撃作!
日本警察に巣食う中国のスパイ”潜入者”(モグラ)の罠にかかり、公安警察を追われた元エース・筒見慶太郎。組織の論理で切り捨てられ、家族さえ失い、失意のうちに左遷され、いまは在NY日本国総領事館の警備対策官として抜け殻のような生活を送っていた。
だが、国連総会での演説のため訪米した外務大臣・黒崎倫太郎の毒殺未遂事件が発生。筒見をハメた中国諜報員の影が事件の周囲にちらつく。同じ頃、日本ではかつての上司で“影の公安部長”と呼ばれた男が変死する。
外務大臣を狙った美女の正体は。公安警察が組織をあげて隠そうとするスキャンダル“ゼロ号ファイル”の中身とは。そして、日本の中枢に潜り込んだ、名前も戸籍もニセモノの人物とは誰か――。
仲間も権威も信じない捜査至上主義者、公安警察“最後の狂犬”が再び走り出す。
「読んで背筋が凍った。日本警察のなかには、こんな潜入者(モグラ)がいるのかもしれない」(公安捜査官)
「我々が一緒に仕事をしたいのは、こういう捜査官(オフィサー)だ。日本にはこういう優秀な捜査官も実在する」(FBI捜査官)
本物の各国スパイハンターからも異例の賛辞を受けた注目作、登場!

背乗り ハイノリ ソトニ 警視庁公安部外事二課


曹源寺評価★★★★★
久々の公安モノでタイトルがずばり「背乗り」ということで、とっても刺激的な作品でございます。作者の竹内明センセーは1967年生まれの慶大卒→TBSキャスターという異色の経歴で、本作が初の小説ということであります。
テーマといい、タイトルといい、いま最も時流に乗っていると言って良い公安モノではないかと思いますね。

たしかに、テーマやストーリー展開、結末までの一連の動きにはそれなりの水準が認められます。竹内センセーはインタビューで「リアリティを追求した」述べています。なるほど、事件の構図とその背景などはおそらく実際にあった事件などをモチーフにされているのでしょう、背筋が凍りますわ。
しかし、小説としての面白さを前線に押し出そうとするとキャラクター造型が大事になってくるわけで、この点についてはイマイチと言うほかありません。主人公の筒見慶太郎のキャラクターがぴんとこないし、同じチームだった元部下たちはキャラ立ち過ぎていてこんな連中で尾行とか絶対できないし、登場人物が多すぎて敵と味方の区別がつかないし、サブキャラ以下の余計な人間まであらすじで紹介しているからもっと訳分からんし。。。

如何せんデビュー作ということであちらこちらに綻びが見えなくもないです(汗
たとえば、こんな描写があります。
P143『鴨居はメルセデスの後部座席のドアをうやうやしく開けた』

P145『鴨居は人目もはばからず、筒見の両手を強く握り締めた』

あれ?このシーンはクルマの中の会話が続いたところではなかろうか。クルマに乗っているなら人目もなにも関係ないでしょうに、と思わずツッコミ。

これは編集が悪いわ

難解な部分は時間をかければ理解できます。ですが、張った伏線が回収できていないような、もやもやした感じが残ってしまうのと、誰がしゃべっているのかわからないような記述があったりするのと、場面の切り替えが唐突過ぎてついていけないのがあちこちにあるという点が、いずれもマイナス要因になっています。なんだかもったいないなぁ。
あと、登場人物のなかに、自分の友人の実名とあだ名がつけられているんですが、作者は同世代、

もしかして知り合いですか?

などとつぶやいてみたりして。





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posted by 曹源寺 at 11:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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