ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2015年05月29日

書評617 月村了衛「槐 エンジュ」

こんにちは、曹源寺です。

今日、鹿児島県の口永良部島が噴火し、噴火警戒レベルが5になったことから全島避難の命令が下されました。噴煙は9,000メートルに昇ったということで、かなりの大噴火であることがわかります。
全島避難は2000年の三宅島以来でしょうか、島民のみなさまが全員無事ということでなによりです。
さて、災害派遣といえば自衛隊の出番でありますが、その自衛隊は集団自衛権の法案審議でまさに俎上に上っているテーマであります。
いい加減、自衛隊の活動についてはネガティブリスト方式に切り替えなければ機動力が高まることはないはずでしょうに、審議を聞いているととにかく自衛隊には手枷足枷をつけたくてしょうがない人たちがいっぱいいるとうことが分かります。
そのくせ、どこかの野党はこの期に及んで自衛隊員の命を守れ!と、おバカなことを抜かしてやがります。いままで散々自衛隊の存在を目の仇にしてきたくせに、どの口が言うんだ?と問い詰めたい。小一時間くらい問い詰めたい。
自分たちのダブルスタンダードに気がついていないというならばとんだ間抜けでしかありませんし、気がついていながらこうした意見を述べているなら、とんでもない悪党です。
「憲法を守れ!」と言いつつ、天皇制を認めていない政党については憲法第1条から8条まではどう解釈するのでしょうか、この辺も問い詰めたい。

話は飛びますが、先日、NPT再検討会議の場において、広島と長崎への訪問を提案した日本に真っ向から反対したのが中国です。純粋に平和を望む人たちが原爆の恐ろしさを知ってもらおうとして誘致を促しているにもかかわらず、そこにわけの分からん理屈を持ち出して政治問題にしようとしているのが中国共産党です。非核に真剣に取り組んでおられる方の気持ちを踏みにじる行為に、嫌中派が増加することは間違いないでしょう。

要するに何が言いたいのかというと、そのすごくピュアに戦争に反対するとか核兵器に反対する気持ちはすごく尊重しますしまったくその通りだと思うのですが、その純粋な思いに付け込んで政治の道具にしようとする輩の如何に多いことか、ということだと思うのです。そういう輩どもとつきあうようになると、その純粋な思いも先鋭化してしまって「憲法9条を守るために戦う」などと、たった一行で矛盾したことを言う「ちょっとこじらせてしまった人」になってしまうのではないかと心配してしまいます。







内容(光文社HPより)

弓原公一が部長を務める水楢中学校野外活動部は、夏休み恒例のキャンプに出かけた。しかしその夜、キャンプ場は武装した半グレ集団・関帝連合に占拠されてしまう。彼らの狙いは場内のどこかに隠された四十億円――振り込め詐欺で騙し取ったものだ。関帝連合内部の派閥争いもあり、現金回収を急ぐリーダー・溝淵はキャンプ場の宿泊客を皆殺しにし、公一たちは囚われの身に……。そのとき、何者かが関帝連合に逆襲を始めた!
圧倒的不利な状況で、罪なき少年少女は生き残ることができるのか!?


曹源寺評価★★★★★
最近急速に力をつけてファンをガッツリ獲得している作家の一人が月村センセーでしょう。本書は本屋大賞にノミネートされた「土漠の花」以来となる長編であります。
携帯電話が通じない湖畔のキャンプ場で半グレ集団によって引き起こされた殺戮に、中学生と引率の教師が立ち向かうというストーリーです。前半の胸糞悪い半グレ集団の描写を乗り越えると、そこからは怒涛のスピードで一気に加速する展開になります。
容赦なく襲い掛かってくる敵に対して、持てる力をフルに使って脇役たちが撃退するという構図は土漠の花とあまり変わりませんが、限定された空間で人が狂気をもって殺戮に走るいう意味では貴志佑介センセーの「クリムゾンの迷宮」や「悪の経典」を髣髴とさせるところもあります。まあ、あちらの方がぜんぜんホラーですが。
ところどころ展開が雑だったりありえなかったりするのですが、それ以上に疾走感が半端ないので一気読みは必然であります。エンタメ作品としては相当面白い作品ではなかろうかと思います。
以下、ネタバレですが、



タイトルにもなったエンジュをダークヒーロー(ヒロイン)扱いするのはどうかと思いますが、まあ極左でも日本赤軍でも面白ければ良いか。エンジュ以上にカッコよかったのは脇田教頭先生であります。最初のくだりが厳格で融通の利かないステレオタイプの教頭先生といった描写だっただけに、伝説的な柔道の達人だったところ、一瞬にして半グレ猛者どもを再起不能にしてしまうところなどは

ヤダ、教頭かっこいい

と思わず惚れてしまうこと請け合いです。





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posted by 曹源寺 at 16:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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