ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2015年08月28日

書評642 笹本稜平「偽装 越境捜査」

こんにちは、曹源寺です。

先日のニュースでこんなものがありましたので
<県主催交流会>「共同参画」なのに参加費に男女差? 鳥取(8/21)
男女共同参画推進のため鳥取県が今年1月23日に鳥取市内のホテルのレストランで主催した「中国地方輝く女性活躍フォーラムinとっとり」で、交流会の参加費に男女で差があり、県内の男性から県に苦情があった。レストランの料金設定に従ったためだったが、県の外部機関の男女共同参画推進員はこのほど、「女性と男性が合理的な理由なく異なる扱いを受けている印象を持たれないよう、全職員が常に問題意識と緊張感をもって業務に取り組むよう努めるべきだ」とする県への意見書を公表した。
 意見書などによると、飲食を伴う交流会の参加費は男性4200円、女性3600円で、チラシを見た男性が1月22日、「違和感を覚えた」と指摘。「県は違和感を持たなかったのか」「担当者が違和感や表記への配慮の必要性を感じないこと自体が問題」としていた。(以下省略)


男女平等を目指す集会で男女差別というなんとも阿呆な出来事でした。

同じ毎日新聞でこんな記事もありました。
自衛隊職場体験:中学に中止要望 小浜の婦人団体 /福井(8/22)
新日本婦人の会福井県本部小浜支部は21日、小浜市立小浜第二中に対し、自衛隊での生徒の職場体験を中止するよう申し入れた。これに対し、中学側は「(体験先の)選択権は生徒にあり、再考するつもりはない」と申し入れを拒否した。
申し入れ書では、参院で審議中の安保法制に触れつつ「自衛隊は日本の外に戦争に行くことになるかもしれない。学校が生徒に自衛隊を紹介するとは、あまりにも無神経」と主張した。一方、中学側は「自衛隊は国民のために働いている。安保法制と(職場体験の)直接的な関連はない」との考えを示した。
中学によると、かつて生徒が荒れていた時期があり、校内に落ち着きを取り戻すために職場体験を始めた。自衛隊もその一つとして5年前から取り入れているという。


これは明らかな職業差別ですね。児童の学ぶ権利も侵害しています。「13歳のハローワーク」ではありませんが、多感な時期に職業体験をさせるというのは素晴らしいことではないかと思います。自分は小学生の頃に体験した自衛隊学校の宿泊体験が忘れられません(たしか、少年海洋学校という名称で3泊くらいしました)。手旗信号とかサバイバル術とか炊き出しとかいろいろやりました。もしかしたら小学校時代の学習体験で一番面白かったかもしれません。あれは絶対みんなやるべきだと今でも思っています。
この要望を出した新日本婦人の会という団体のホームページを見に行くと、「平和とジェンダー平等へ」というキャッチコピーが大きく出ておりました。
自分はジェンダーも嫌いですが、平等という言葉もまた嫌いです。ジェンダー連呼している人は「相席屋」に行ってデモ行進でもしていてください。
そもそもみんな生まれた瞬間から平等ではなく、性差も個体差も個人差もあるのが当たり前です。そうしたナチュラルなあり様を受け入れられない人が平等平等と叫んでいるのではないかと思っています。

言ったそばから矛盾した行動をとる人とか、一行で矛盾したことを言っている人とか、なんだか最近はやたらに目に付きますね。「憲法九条を守るために戦う」とか、「バカって言ったほうがバカなんだよ、バカ」とか。自分の言動と行動もたまにチェックしていかないと、時にちぐはぐなことになっていやしないかと思うので、そうした残念な人たちを他山の石としてわが身を振り返っていこうかと思います。
ジェンダー運動している人たちは(屁理屈をこねずに)女性専用車両にもぜひ反対してください。
死刑反対運動をしている人たちは麻原死刑囚の死刑にもぜひ反対してください。
原発反対している人たちは韓国の原発(いまものすごい数になっていますよ)にも反対してください。
ヘイトスピーチ法案の導入を目指す人たちは「米軍出て行け」という人たちを是非糾弾してください。
憲法九条死守とか言っている人たちは、北朝鮮とシリアとソマリアとイスラム国に行って憲法九条の良さを広めてやってください。日本にはすでに導入されていますので。





内容(双葉社HPより)
三年前に新宿で起きた傷害致死事件の容疑で内偵を進めていた男がマンションの一室で死体となって発見された。男は、大手金属加工機メーカーの跡取りと目されていた木崎乙彦。容疑者を失ったかたちとなった警視庁特命捜査対策室の鷺沼と井上に、神奈川県警のはぐれ刑事、宮野から電話が入る。神奈川に自宅を持つ木崎は、以前からよくない噂のある人物だったのだ。――狡猾な企業経営者の壁を打ち破れるか。鷺沼と宮野の絶妙コンビが悪を挫く好評シリーズ第五弾!


曹源寺評価★★★★
この「越境捜査」シリーズの第1弾が発表されたのは2007年8月で、その後「挑発」「破断」「逆流」ときて本書が第5弾ということになります。笹本センセーの警察小説のシリーズではまあまあ好きですが、ドラマ化もしており固定ファンも多そうですね。個人的には「駐在刑事」シリーズが好きです。
本書はいつものとおり、主人公が警視庁の鷺沼で相棒が神奈川県警の宮野、それにベテランの○○と若手の井上、そして彩香。代わり映えしない顔ぶれですね。そして今回も神奈川県警が容疑者と癒着している疑惑からの警視庁特命捜査対策室の出番という定番すぎる展開に、

たまには県警ガンガレ

と思ってしまいます。
いつも思うのですが、本書シリーズの特徴として挙げることができるのが「いつも宮野の手料理を食いながら、作戦会議ばっかりしている」というやつです。みんな現場には行くのですが、その場でのやり取りは少なくて、帰ってきてからの報告会で進捗が明らかになっていくわけです。主人公・鷺沼の部屋が安楽椅子探偵さながらの推理合戦になるのですが、前の作品では(どれだか忘れたけど)全体の半分くらいが作戦会議だったような記憶があります。まあ今回は疑惑の社長との丁々発止のやりとりや、香港での追跡劇などがありますので、そこは非常にコンゲーム的であったりアクション的であったりして楽しいのですが。
そして、ラストがいつもショボイなあと思っていたのですが、本書はだいぶ溜飲を下げることができました。巨悪をばっさり斬ると言っておきながら最後は見逃したり手打ちにしたりした作品もあったように記憶しておりますので、今回は許そうかと思います。





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posted by 曹源寺 at 16:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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