ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2015年09月11日

書評646 曽根圭介「工作名カサンドラ」

こんにちは、曹源寺です。

関東から東北にかけて大雨が続いたことで、栃木県と宮城県では堤防の決壊や河川の氾濫が相次ぎました。被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。治水は国の一大事であり、たとえ自然堤防になっていた場所がたまたま民間の所有で削られていたとしても、国の責任は免れることができないと思います。すでに10年前くらいからゲリラ豪雨が活発化していたわけですから、いままで以上に治水対策を強化すべきであったことは明白であります。
まあ、そんな責任論はさておき、まずは被害に遭われた方々の一刻も早い救出を祈念致します。先の大震災のときもそうでしたが、やはり自衛隊の活躍なしには国民の安全は担保できないですね。こんなに自然災害の多い国も世界にそれほど多くはないでしょう。だからこそ、いざというときのための備えや、生命の危機に遭遇したときの頼りが必要になるわけで、有名な自衛隊のコピペを貼って応援させていただきます。

40 ヘラオオバコ(四国) 投稿日:2009/06/16(火) 18:49:20.05 ID:TSDiOufy
ある日曜の午後、街を歩いているとデカデカと『自衛隊反対』と書かれた横断幕を持った
10人ぐらいの集団が演説をしていた。
先頭に立ちマイクで「自衛隊ハンターイ」「自衛隊は即刻、解体しろー」
と叫んでいるのは50代後半と見られる中年の男性だ。
あの男性見覚えがある。確かTV番組で
「敵が攻めて来たら、殺すぐらいなら殺される方がマシだ」などとバカなことを言っていた人だ。
バカだなぁと思いながら演説を聞いていると、1人の若い男性がつかつかと
その演説をしている中年男性の元に歩みよりいきなり拳を振り上げた。
咄嗟に中年男性は両手を上げ、身を守ろうとした。
すると若い男性は言った、「それが自衛隊や。あんたを傷つけようと振りかざしたこの右手やなく、
それから身を守ろうとあんたが咄嗟に出したその両手が自衛隊や。」
「あんたは日本からその両手を奪おうとしてるんやで。」

その瞬間まわりで事の一部始終を見ていた人達から拍手が起こり、
何も言い返すことが出来なかった中年男性の
声にならない声がマイクを通して辺りに虚しく響いた。



内容(朝日新聞出版HPより)
奥多摩山中で両耳と鼻を削ぎ落とされた男性が発見された。青梅西署の刑事・荻大二郎は事件を追う。やがて、ある「機密文書」をめぐり、政治家、スパイ、狙撃手が生死を賭けた攻防へと発展していく。ベストセラー『沈底魚』の著者による書き下ろし大作!!


曹源寺評価★★★★★
デビュー作「沈底魚」以外はどちらかというとシニカルな内容の小説が多い印象の曽根センセーですが、本来の曽根圭介というお方はこうしたミステリやサスペンスの分野でがっつりと読ませてくれる数少ない書き手ではないかと思っていました。
本書は久々のディープなミステリでありまして、まさにこういうのを待っていました!という内容でした。
冒頭からリンチ暴行シーンですが、以降は凄惨なシーンがありませんので大丈夫です。
警視庁捜査一課から青梅西署に移動した荻大二郎警部補と、自衛隊の狙撃手として優秀な成績を収めながらも隊をを辞めざるを得なくなった佐々岡啓志を中心にストーリーは展開していきます。
荻は奥多摩の青梅街道で自動車事故に遭った車両から発見された意識不明の男性が発見された事件で、その男性の正体と周辺を明らかにしていく中で露見されつつある大きな陰謀に気付きます。
佐々岡は新たな職を探すも難航し、自暴自棄になる寸前で自衛隊の情報保全隊からオファーを受け、ある保守系団体にもぐりこんでスパイ活動を行います。
ふたつのストーリーが一つになるとき、事件は大きく動き出すのですが、ラスト20ページくらいまで混沌が続きますので予測がつきにくいです。
最後の最後でうま〜くまとめる手法は「藁にもすがる獣たち」でも披露していただきましたが、このへんのうまさは大沢在昌センセーか奥田英朗センセーにも匹敵するのではないかと思います。
ただね、ラストは微妙ですね。

このエピローグは不要なのではないかという意見

がそれなりにあるようです。自分としましては、まああっても良いかなとは思いますが、これを入れるならば前段のエピソードをもうちょっと膨らませておかないといけないのではないかとも思います。






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posted by 曹源寺 at 16:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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