ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2015年09月15日

書評647 楡周平「砂の王宮」

こんにちは、曹源寺です。

日曜日に行われた山形市長選挙では50年ぶりに保守系の市長が誕生したというニュースがありました。
逆に驚いたのは、50年間も共産系の市長が市政を行っていたという事実です。まあ、土地柄というのはいろいろあるわけですからそれはいいか。うちのある市もその隣の市も革新派みたいな市長が何期もやってますよ。
それにしてもこのタイミングで(=安保法案審議真っ只中で)自民が勝つというのはすごいなあ。
ひとつ言えるのは、市政と安保は直接関係のないことであって、そもそも争点が違うのにリベラル連中は反安保一色だったから敗れたのだろうということです。
山形市民はその点、冷静だったわけですが、それ以上にリベラルの自爆だったということです。おそらくは市長選に勝利して「民意の反映だ!安保法案撤回しる!」とでも騒ぎたかったのでしょうが、市民の生活についてこれっぽっちも考えなかったツケが回って見事に敗戦です。そんな奴らに市政を任せても市民のことなど考えてくれませんからね。
同じように昨日の国会周辺のデモでは、どこかの教職員組合の幟が立っていましたが、生徒のことなどこれっぽっちも考えないでデモ行進ばかりやっている教師どもがいかに多いかを物語っていますね。授業さぼってデモ行進しているやつって、クビにはできないものかね?

内容(集英社HPより)
闇市で薬屋を営む塙太吉は、持ち前の商才を発揮し、流通業界日本一の大企業の会長まで上り詰める。己の信念を愚直なまでに遂行しようとする男が作り上げた砂の王宮の行方は。著者渾身の経済小説。


曹源寺評価★★★★
楡周平センセーの新作です。今度は戦後のどさくさから成り上がり、たった一代で国内最大手の流通企業グループを作り上げた男の物語であります。モデルはダイエー創業者の中内齊≠ナ、戦後の焼け跡からのスタートという点においても「海賊と呼ばれた男」を意識しておられるような作り込みです。
しかし、冒頭からキナ臭い展開でサスペンス色が加えられておりますので、単なる経済小説ではないところが楡センセーの面目躍如といったところでしょうか。
主人公の塙太吉は家業の薬局からスタートして、戦後に米軍の備蓄横流しで大儲け。薬局をやめてスーパー経営に乗り出し、これもまた大儲け、同業他社の乱立で安売り合戦に火がつき、差別化のために牛肉を安く売る仕組みを開発、東京へも進出して巨大流通チェーンを構築。
と、ここまでは成功譚なのですが、二部構成からなる本書のキモはこうした成功譚ではなくて、第二部に書かれた「経営の陥穽」とでもいうべきちょっとした落とし穴にこそありましょう。
それはもろにネタバレなので書きませんが、

現在のダイエーグループがどうなっているのか

をみれば大体のことは予想がつきますね。
それと、例によって楡センセーお得意の「流通改革」案がここでも提示されているのが興味深いですね。「再生巨流」あたりから始まり「ラストワンマイル」や「プラチナタウン」「ミッション建国」などでプランニングされている現代日本の問題解決のアイデアはひとつひとつが秀逸です。誰かが本当にひとつくらいトライしてみたら面白いと思うのですが。






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posted by 曹源寺 at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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