ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2016年10月21日

書評753 高嶋哲夫「交錯捜査 沖縄コンフィデンシャル」

こんにちは、曹源寺です。

今日は鳥取県で震度6弱の大きな地震がありました。鳥取はあまり地震に縁のない地域かなと思ったら、2000年10月に鳥取西部地震というのがありました。大きな被害がないことを祈りつつも、地元の方々には引き続き警戒くださいますよう。

さて、国内で揺れに揺れている地域は鳥取や熊本だけではありません。沖縄は揺れっぱなしです。もちろん比喩です。ヘリパッド建設反対とか辺野古移転反対とか、とかく反対運動が激しいのですが、あれは地元の人が反対しているのではなくて本土からやってくるプロの活動であります。そのことをネット民はみんな知っているのですが、なぜかそうした報道はテレビや新聞でなされることはありません。産経新聞だけが少し意地を見せているだけですね。
そこへ来て昨日の「土人」発言問題などが飛び出してくるものですから、なんじゃこりゃと思ってしまうわけです。プロ市民といわれる人たちがどんな活動しているのか正確に報道されることなく、土人と言われた〜と言って急に被害者みたいな主張をしだす。なんだかな〜という感じです。こんな印象操作に本当に乗せられるもんなんですかね。

マスゴミの「報道の自由」と「報道しない自由」が見事に使い分けられているなあと思います。まあ、いっそのことプロ市民にはもっともっと過激な活動へ走っていただき、あさま山荘みたいに立て篭もり事件でも起こして欲しいです。当時の反安保をはじめとした左翼活動への理解は「山岳ベース事件」が発覚してから急速にトーンダウンしましたからね。

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内容(集英社HPより)
青い海、白い砂浜が広がる楽園・沖縄で、殺人事件と米軍用地を巡る二つの事件が同時発生! 捜査を進めると裏には巨大な権力の影が……。渾身の社会派ミステリーをいきなり文庫で!


曹源寺評価★★★★★
高嶋哲夫センセーといえば災害パニック小説の大御所でありますが、たまに単発的に警察小説を出してこられるので(それもいきなり文庫で)チェックしておかないとついつい忘れがちです。
しかし、高嶋センセーの警察小説は往々にしてハズレです。これまで、面白いと思った作品がほとんどありません。まあこれだけ毎日のように警察小説とかミステリとかを読んでいるとさすがに目が肥えてきますので、一箇所でもグッとくる場面がないと時間を無駄にしたような感覚にさせられてしまうようになってしまいました。
さて、本書は沖縄県警の刑事、若手の反町とベテランの具志堅というコンビが活躍するお話です。舞台は当然、沖縄です。沖縄といえば米軍基地です。ということで、本書のストーリーの中心は沖縄の特殊事情を絡めた犯罪捜査であります。
東京から来た不動産会社経営の高田が、ホテルの一室で殺害された状態で発見された。部屋には現地のホステスも死体で見つかっており、殺人事件として帳場が立った。高田は現金で3,000万円を持っていたとされ、犯人が持ち逃げした可能性がある。目撃情報などから犯人は地元の暴力団員、トオルであるとされたが、そのトオルはリンチされた後に殺害、遺棄された。浮かび上がるのは、軍用地の転売という沖縄ならではの取引。。。
なるほど、軍用地転売というおいしいビジネスがあって、基地移転問題とは切り離せなくなっているのが今のリアルな基地問題の根幹にあるとするならば、なぜマスゴミはここを突かないのかなあとさえ思ってしまうわけですが、そんな背景を探りながら捜査はどんどんこう着状態に陥っていきます。
ラストまで一気読みとはいきませんが、読み終えた後の感想は

え、何これ?

です。
なにしろ、

事件は何一つ解決していませんから

ものすごい中途半端感ですわこれ。

(以下、ネタバレ)
社長とホステスを殺した犯人はクスリでラリッた別の男に殺害されて一件落着ということになった沖縄県警と、それを不服とする二人の刑事。真犯人と思しき男との宮古島での邂逅も立件できず中途半端な幕引き(これ、傷害の現行犯で緊急逮捕できるじゃん!というツッコミを思い切り入れたいですわ)。消えたお金の行方も分からなければ、議員の関与も不明。本当は3,000万円ではなくて7,000万円だったことに何の意味があるのか。大地主の息子は一体何をやらかしたのか。警察庁と東京地検特捜部は何を掴んでいるのか、などなど、あれもこれもぜ〜んぶ分からないまま本を閉じるはめに。

ここまで読者に何にも提示しないまま終わらせてくれた小説は(個人的には)初めてです。なんというもやもや感。これで続編が出てこなかったらヤバイですね。いや、続編を意識したとしてもですよ、ここまで全部引きずることはないじゃないですか。どれか一個だけでもスッキリさせてくれれば良いのに、それもしない。これでは読者に不誠実と言われてもしょうがないレベルです。

それに、話の展開が酷いです。米軍のMPに聞けば何か出てくるという雑な運びもそうですが、反町のセリフなのか具志堅のセリフなのか良くわからない場面の連続、ヤクザがらみの事件なのに暴対の刑事が出てこない、キツイ方言の解説もない、重要な情報を一切共有しないへんてこな組織、

なんだか読んで得したことが何一つないという残念感。

高嶋センセーはやはり警察小説を作るのが本当に下手クソでした。





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posted by 曹源寺 at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | た行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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