ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2016年11月01日

書評756浅井建爾「知らなかった!驚いた!日本全国「県境」の謎」

こんにちは、曹源寺です。

東京都民としましては五輪を控え、古い建物が壊されたり新しい道路ができたりするとすごく新鮮な気分になります。新たなインフラ整備は大歓迎なのですが、今年4月に開業した新宿バスタがひどい状態ということで残念な記事が増えてきました。

バスタ新宿前「渋滞改善と発表は間違い」と国交省謝罪 バス会社120社に違法駐車の改善要請(2016/11/1産経新聞)
全国最大のバスターミナル「バスタ新宿」(東京)の渋滞問題で、国土交通省は1日、過去に公表した「渋滞が改善した」とする調査結果が間違いだったことを明らかにし、謝罪した。同施設周辺の違法駐車問題に対しては、バス会社に文書で改善を要請した。
国交省はバスタ新宿開業1カ月後の今年5月、施設前の国道20号のタクシー乗降場を施設内に収容したことで「渋滞が改善した」と発表していたが、「改善がみられない」と訂正した。昨年11月と今年5月のそれぞれ1日分だけの渋滞の最大延長を目視確認した不十分なデータで比較したことが原因という。
膨大な情報を分析する「ビッグデータ」で昨年と今年の4〜9月分の渋滞状況を解析した結果、ほとんど改善しておらず、時間帯によっては悪化していた。今後、渋滞解消に向けた取り組みを強化する方針。
一方、国交省は10月下旬、西新宿地区で路上駐車し、時間調整している高速バスを確認。同月28日にはバスタ新宿を運営する「新宿高速バスターミナル」(東京)を通じ、バス会社約120社に路上駐車をしないよう口頭で要請したが、状況が変わらなかったことから再発防止策の提出とともに改めて文書で求めた。10月下旬の3日間の午前中だけで、約30台が路上駐車していたという。


新宿駅西口に分散していたあれだけのバスを一箇所に集めたらどうなるのか。しかも国道20号(甲州街道)沿いという東京屈指の動脈に隣接したらどうなるのか。こうした思考が働かずに、あるいは働いたのかもしれないが机上の計算だけにとどまったりすると、こうした弊害が起こるという悪い見本のような有様になりました。
渋滞だけでなく、トイレが少ないとかコンビニを誘致できていないとか、利便性にも知恵が働いていないという酷さ。お役所仕事の真髄を垣間見ることができました。
なぜ、頭のいいはずの役人(今回の場合は国土交通省)がこうした無様な結果をさらけ出すのか。これを学問にして研究を重ねても良いのではないかと思えるレベルです。

かつての新宿駅西口は停留所が分散しすぎていて、中央高速方面ならヨドバシ前だとか、山陽方面ならスバルビルの方だとかいろいろ知っていないと乗るまでに大変という有様でした。それが一箇所に集まれば道に迷う人はいなくなります。大きなバスターミナルができれば便利は便利です。
しかし、新宿駅西口は大きなターミナルがあって、北にも南にも西にも抜けられるように設計されていました。北に行けば青梅街道、南にいけば甲州街道、西からちょっと行けば首都高速4号線といずれの方向にもスムーズなアクセスができる場所なんですね。それを甲州街道だけにしてしまえば当然渋滞するわけです。

バスタの立地は素晴らしいのですが、どうせなら首都高に抜けられる専用道路か、あるいは甲州街道の車線を1〜2車線増やすくらいのことをしなければいけなかったのだろうと思います。ホント、これどうするんでしょうね。

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内容(実業之日本社HPより)
好奇心や旅心をくすぐるネタ満載!
四国には、愛媛県と高知県しかなかった?
日本一人口の多い県は、石川県だった?
時代とともに、めまぐるしく移り変わったのが日本の「県境」でした。明治維新から140年を経たいまでも、全国47都道府県のうち、およそ半数の23都県に「県境未定地」があるなんて、信じられますか? 県境は単なる行政上の境界線、と思いきや、この曲がりくねった一筋の線が引かれるまでには、全国各地に悲喜こもごものドラマがありました。たかが県境、されど県境――思わずだれかに話したくなるようなエピソード満載の面白本、日本の地理や歴史を見る目が変わります!


曹源寺評価★★★★★
最近の新書は粗製乱造が甚だしいのであまり書店の新書コーナーに立ち寄らなくなっていましたが、本書は息子の通う塾の先生がお勧めしていたので親が先に読んでみた次第。
本書は2007年9月の発刊ですから、かれこれ9年も経過しています。いまさら感満載ですが、教養として学ぶものですから勘弁しておくんなまし。
なるほど、タイトルの通り「県境」ってどんな理由で構築されたのだろうという疑問には十分応えてくれる内容です。都道府県の成り立ちを知る上で本書の記述はかなり役に立ちます。東京都の多摩地区は神奈川県から分離された、とか、四国は2県しかなかった時代がある、とか、石川県が一時、国内最大の人口を誇る県だった、とか、知らないことだらけで一気読みでした。
高校日本史の教科書にさえ載っていない話って、いいですね。
個人的にはこの幕末から明治にかけて、あるいは明治から大正、昭和初期あたりまでの歴史というものが教養的にまったく不十分なので、一時期ちょっとだけ読み漁ったのですが、難しすぎる本を手にとってしまうとそこでお勉強がストップしてしまうわけですよ。
それでもWebサイトなどで面白そうな雑学を得られるところはブックマークしてたまに閲覧するようにしています。「東京DEEP案内」とか「探検コム」(ここの管理人さんは本当にすごい人)などは良く知られるサイトですが、日本史の裏とか現代の闇とか本当に奥が深いですね。
さて、本書に戻りますが、江戸から明治にかけては廃藩置県というものすごい大規模な行政改革がありました。県境が変われば行政管轄も変わるということで、住民にとっては生活の基盤そのものが大きく揺らいだ時代でもあったわけです。しかし、長い歴史を経て統治されてきた藩という制度は住民生活と密接につながっていたため、県を置いたところで旧藩の制度をまったく無視するわけにはいかなかったというのが実情のようですね。
読んで楽しかったのは事実ですが、編集にはちょっと疑問が残りました。

何というか、整然としていないんですよ。

北海道から順に南下するわけでなく、時系列に並んでいるわけでもなく、マメ知識がずらりと並んでいるだけという感じで、ひとつひとつの単元もつながりがないのでもうちょっと理路整然と並んでいて欲しかったなあという印象です。もちろん、少しは並んでいる(たとえば、どちらの県にも属していない地域の話とか)のですが、編集にはもう一工夫あっても良かったのではないかと思います。
あ、あと本書には続編もあるみたいなので探してみようと思います。





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posted by 曹源寺 at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | あ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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