ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2016年11月15日

書評759 吉川英梨「波動 新東京水上警察」

こんにちは、曹源寺です。

ちょっと前の記事ですが、タイトルがヤバイというお話で拡散されました。
[FT]トランプ、プーチン、安倍…強権指導者の危うさ (2016/11/7日経新聞)
モスクワからマニラ、北京からブダペスト、アンカラからデリーに至るまで、国家主義の「ストロングマン(強権的な指導者)」が再び流行している。もし米国が共和党候補のドナルド・トランプ氏を大統領に選んだら、国際的な流行を追いかけているのであって、先頭で引っ張っているわけではない。
ストロングマンに魅了される流れは、独裁的な国と民主主義国の双方に広がっている。中国は10月末、習近平国家主席が今や共産党指導部の「核心」だと発表したとき、個人独裁に向かう危険な道をさらに一歩踏み出した。「核心」というのは、毛沢東主義のニュアンスを帯びた肩書だ。
その習氏は先日、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領をもてなした。ドゥテルテ氏は選挙を経て権力を握ったが、威張り散らすスタイルと法を軽んじる態度は、新しいタイプの独裁者に典型的な特徴だ。世界の強権的指導者たちの「守護聖人」は、そのワンマン支配がまだ民主主義の外見的特徴を多少備えている、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領である。
民主主義の形式と独裁の現実を織り交ぜた同じ体制は、ほかの強権的指導者も披露している。その一人はトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領であり、程度はましだが、ハンガリーのオルバン・ビクトル首相だ。このほか、まだ正真正銘の民主主義体制の枠内で活動しているものの、その政治的アピールは、国家主義をはっきり帯びた毅然としたリーダーシップというイメージを基盤としている強権的指導者がいる。インドのナレンドラ・モディ首相や日本の安倍晋三首相などだ。
憂慮すべきことに、トランプ氏の政治スタイルは、プーチン、エルドアン両大統領といった最も独裁的なストロングマンと一番共通点が多い。
(以下、略)

元ネタは日経が買収したフィナンシャル・タイムズの10月31日の記事だそうでして、そのタイトルは
「Trump, Putin, Xi and the cult of the strongman leader 」
となっています。

Xiとは習近平氏の習のことだということで、タイトルには安倍が入っていないのに習を安倍にしてしまったというタイトル捏造疑惑(疑惑というより真っ黒ですが)が騒ぎになりました。

まあ、本文中に安倍首相のことも書かれていますけど、こういうの勝手にやっていいんですかね。元記事を勝手に書き換える日経、というレッテルを貼られてもしょうがない事案だと思います。
つまり、
・元記事をまったくリスペクトしていない日経
・自分の主張のためならタイトルを勝手にいじることを辞さない日経
・タイトル捏造がばれても記事を修正せず放置し続ける日経
・ネットで捏造だと騒がれることを認識していてもそれをやめようとしない日経
という認識でいくしかないみたいですね日経は。
うーん、紙の新聞は読み捨てられて終わりですが、ネットは検索すればいつでも出てきますし、拡散も早いですよね。未来永劫語り継がれ、レッテルを貼られる行為をいつまでも続けるというのが自分にはどうにも理解できないのですが。

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内容(講談社HPより)
東京オリンピックを控え東京湾警備拡充のため水上警察署が新設された。配属された現場一筋の熱血刑事・碇拓真は無人島の第六台場で白骨死体を発見、事件に絡み暗躍する半グレ集団の尻尾を掴む。一触即発の不安の中で迎えた、都知事臨席の水上観閲式での迫真の警備艇追跡劇! 防犯課強行犯係警部補・碇拓真を先頭に巡査部長・日下部峻、舟艇課・有馬礼子たちが、東京湾岸に勃発する凶悪事件に立ち向かう。水飛沫散らせ真相を追う東京湾岸水上警察サスペンス!


曹源寺評価★★★★
吉川英梨センセーは初読です。「女性秘匿捜査官」シリーズなどがあるそうですがいずれも未読です。
本書は文庫書き下ろしなので、書店に行くとそれなりに陳列されていますから手に取りやすいかもしれません。
珍しい水上警察が舞台の作品です。水上警察が舞台って、

あれ、水上警察はなくなったんじゃなかったっけ?

と思わせておいて、小説の世界ですから何でもありということで、東京五輪を控えて臨時署が立ち上がったという設定で復活させてしまいました。
警視庁のホームページで採用欄とかを見ますと、船舶を取り扱う海技職員は普通に募集していますね。しかも倍率8倍という難関です。採用された場合、湾岸署以外に配属されることがあるのでしょうか。
この新たに設置された五港臨時署、略して五臨署に赴任した碇拓真警部補が一応の主人公ということになりましょうか。語り部的役割を本庁から異動してきた日下部峻巡査部長が演じ、難事件に挑みます。
事件の発端は漂流する発泡スチロール箱のなかに入っていた人間の指。生体反応がなかったため事件となるが、これと並行して第六台場に身元不明の遺体も発見される。事件の解明を進める五臨署には臨時署としての悩みもあるが、水上警察の復活を願う刑事と職員の奮闘により少しずつ詳細が明らかになっていく。事件の背後にいたのは台場を根城としていた暴走グループの影が、、、
水上アクションあり、暗号解読あり、恋愛あり、人間模様あり、とまあ盛りだくさんですよ。さらには、続編を想起させるようなラストあり、ですから次回作にも期待できそうです。
読者を楽しませようとする意気込みをものすごく感じてしまう作品です。だから見せ場というのがいくつかありまして、それらは非常に読み応えのある場面として印象深いです。

ただ、文中から滲み出てくる気負いも読者に伝わってきます

ので、読み手としてはちょっと引いてしまうような感じがなくもないですね。もうちょっとコンパクトにまとめてもよかったのかもしれません。
でも、次回作が出たらたぶん読むと思います。





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posted by 曹源寺 at 17:43| Comment(0) | TrackBack(0) | や行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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