ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2016年11月22日

書評760 雫井脩介「望み」

こんにちは、曹源寺です。

本日は朝方に福島沖を震源とするM7.4の大きな地震がありました。自分はキッチンに立ってお弁当づくりしていましたが、地震を報せるチャラーンという音で一気に緊張しました。あの音は本当に精神を不安にさせますね。よくできていると思います。
東北に大きな被害がないことを祈ります。でもまだ明日、明後日あたりまでは注意が必要ですね。3.11のときは3月9日に震度5弱→11日に本震だったわけですから、今日の地震が前震でないとは言い切れません。警戒を怠らないようにしましょう。

ツイッターでは地震の直後に自民党と公明党がみなさんの安否を気遣うツイートを出しましたが、民進党と共産党は無関心だったと話題になりました。民進党は政権を奪取したかったらこういうところを改めないとダメなのに、本当に学習しませんね。
クラスで学級委員に推薦される人は、普段から「こいつなら学級委員を任せても大丈夫だろう」と思わせる行動と言動があるからみんなから推されるのです。同じことは一般社会でもあります。企業で次の社長とか役員とかを選ぼうかという段階にきたら、過去の実績だけではなく発言や振る舞い、部下からの信頼、将来のビジョン、などなど多角的に審査されるのが普通です。ですから、民進党なら政権を任せても大丈夫だろう、日本をうまく舵取りしてくれるだろうと国民に思ってもらいたいならば、こうした細かな振る舞いの積み重ねが絶対に必要だと思うのですが、なぜかしない。できないのか、それともわざとやらないのか。あるいはそういう思考自体がないのか。いずれにしても現状は「あの政権交代は間違いだった」という感想と「いまはとてもじゃないが任せられない」という感想のいずれかしかないのでは、と思います。

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内容(KADOKAWA HPより)
東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登(かずと)と校正者の妻・貴代美(きよみ)。2人は、高1の息子・規士(ただし)と中3の娘・雅(みやび)と共に、家族4人平和に暮らしていた。規士が高校生になって初めての夏休み。友人も増え、無断外泊も度々するようになったが、2人は特別な注意を払っていなかった。そんな夏休みが明けた9月のある週末。規士が2日経っても家に帰ってこず、連絡すら途絶えてしまった。心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、2人は胸騒ぎを覚える。行方不明は3人。そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は2人。息子は犯人なのか、それとも……。 息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。相反する父と母の望みが交錯する――。心に深く突き刺さる衝撃の心理サスペンス。


曹源寺評価★★★★★
雫井脩介センセーの作品は大別すると「ちょっと切なくてやるせないサスペンス」と「エンターテインメントに徹したミステリ」の2つになるのかなあと思います(かなり強引)。前者は「クローズド・ノート」「つばさものがたり」など(この2冊はどっちもぼろぼろ泣いた)、後者は「犯人に告ぐ」シリーズや「殺気!」などでしょうか。
本書はどちらかというとものすごく深くて暗いテーマが潜んでいますので前者といえるのですが、ものすごい勢いで読み終えてしまったものですから、エンタメ的でもあるのかなあと思います。
上記あらすじのとおり、息子の友人が殺害されるニュースが飛び込んでくるが自分の息子は帰ってこない。行方不明が3人、逃走中の少年が2人。果たして自分の息子は逃走中=犯人なのか、それとも残る行方不明の1人=死亡?なのか。息子が犯人であることを祈る母親と、被害者であってほしい父親。それぞれの葛藤と苦悩、願望と畏怖、理性と感情が入り乱れておよそ正常な心理を保てない両親の描写がストーリーの主軸となっています。
自分は♂なので父親の心境に近いものがありますが、母親の心理も理解できなくはないです。しかもこの父親と母親の心理が正反対であったにもかかわらず、ちょっとしたことでその距離が一気に近づき、また共有されたりもします。何という巧みな心理描写。
タイトルの「望み」の意味するところがものすごく深くて、誰しもがこの望みについて考えさせられること請け合いです。

そんな深くて暗いテーマにもかかわらず、一気読みだった

のは、センセーの文章力にほかならないのですが、読後感もまた深くてあれこれ考えさせられてしまい、なんともやるせない気持ちになりました。この究極の選択=生きていれば犯罪者、死んでいれば二度と会えない、どちらにしても後味悪い結末が待ち受けているという「望み」つまり

「望みなき望み」に対して、自分だったらどう立ち向かっていけば良いのか。

考えたくもないテーマをぶつけられて多いに悩むことができる作品、それでも(いや、だからこそ)自分は今年の最高作品のひとつに数えたいと思います。





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posted by 曹源寺 at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | さ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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