ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2016年12月27日

書評769 深木章子「猫には推理がよく似合う」

こんにちは、曹源寺です。

先日のブログでは、あの池上彰(呼び捨て)がグラフの印象操作をして視聴者を騙したと書きましたが、今度は経済産業省の統計そのものが改ざんされていたとして記事になりました。

経産省、繊維統計を改ざん 請負業者が告発 回答数を水増し、年内に廃止へ (2016/12/26 日経)

経済産業省は26日、繊維製品の在庫量などを調べる「繊維流通統計調査」で長年、実態と異なる数値を記載していたと発表した。40超の品目ほぼ全てで改ざんがみられ、10年以上前の数値がそのまま記載され続け、実際の数値と最大で10倍程度の差が生じた例もある。11月に経産省から業務を請け負う業者の告発があり、不正が発覚した。
同統計は1953年から実施しているが、同省は不正発覚を受け年内で廃止する。政府は統計の精度を高める取り組みを進めているが、同省の対応はあまりにずさん。経産省によると、繊維業の所管部署が調査の回答企業数を水増しし、2016年9月分は有効回答数258社に対し、調査票を配った733社の95%以上が回答したことにしていた。
各項目の数値も調査票が十分回収できていた当時の数値を“横置き”してそのまま使い続けていた。不正開始時期は不明だが、経産省が発足した01年当時の数値のままだった項目もある。
13年4月には、回答が全く得られない項目などで6年かけて数値をゼロに減らすと担当部署で決定。事実を公表せずに修正をしようとしたことになる。同日会見した風木淳参事官は「事態を深刻に受け止めている。事実確認を徹底し、内規に従い早急に関係者を処分する」とした。

(以上)

これを受けて、経済産業省も当該のページで改ざんがあったことを認めています(リンク)。

繊維流通統計は繊維卸の企業に対して繊維製品の在庫量などを調査しているもので、これとは別に製造業者に調査を行っている「生産動態統計」がありますので、比較してみると面白そうですね。どれだけ改ざんがあったのかが分かるかもしれません。

それにしても、政府統計がこんな具合だと、我々は何を根拠にして比較分析すれば良いのかが分からなくなってしまいます。政府統計の改ざんは世に与える影響がでか過ぎますので、当事者は厳罰に処して欲しいと思います。
また、これとは別に、もう調査してもあまり意味のない統計なども見受けられますので、そんなのはとっとと廃止して欲しいです。それと、厚生労働省、農林水産省の統計は発表が遅すぎです。こんだけITが発達しているのになんでこんなに遅いの?というくらい遅いです。普通の人なら役人ってバカなの?と思うレベルです。

先日来、河野太郎議員が自身のブログでさまざまな団体に向けて興味深い感想を述べておられます。河野議員は個人的に好きな方ではありませんが、このメッセージは共感できるというか、ちょっと驚くレベルです。
たとえば、12月23日の「いろいろイロハな皆様へ」というタイトルの書き込みでは、日本年金機構の運営する年金事務所において、ペーパーのファイル管理がアイウエオ順ではなくイロハ順であるところが全体の半分以上あるという衝撃的な暴露がなされています。

役人体質の本領を垣間見た気がしますが、同時に、本当に頭の良い人が公務員になることによる“損失”は計り知れないなあとも思います。自分は公務員にならなくて本当に良かったと今でも思っていますが、世の中的には安定の職場として公務員がもてはやされているのも事実です。
自分はこんなイロハ順のファイル管理を後生大事に続けているような職場は真っ平ごめんですし、これに盲目的に従っている本来なら頭の良い人たちがバカな運用を続けていることにもちょっと憤慨したりします。

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内容(KADOKAWA HPより)
“しゃべる猫”との妄想推理合戦がなぜか現実に!? 猫×本格ミステリ!


曹源寺評価★★★★
2016年の「このミス」で20位に食い込んだのが本書であります。
それにしてもWADOKAWAの紹介が相変わらず雑すぎて草生えるwwwこれだけかよw
深木センセーは現役の弁護士センセーでいらっしゃいますので、かなりリアルな被弁活動の現場を描写していただける貴重な作品が多いです。ただ、それだけにドロドロとした作品が多いのも事実であります。
本書はご多聞に漏れず弁護士事務所が舞台ですが、いきなり猫がしゃべりだすのでこれまでの路線とはかなり異なる内容かと期待させてくれます。
田沼清吉法律事務所に勤務する椿花織は田沼の愛猫であるひょう吉とともに、日中を事務所の中で過ごしている。法律事務所に相談に訪れる人は多種多様で、離婚相談、遺産相続、傷害事件と示談、横領事件、などなどで、半ば隠居状態のおじいちゃん弁護士であってもそれなりに多忙な日々である。このひょう吉が花織と人間の言語で会話します。花織はひょう吉と呼ばずにスコティーという名前をつけます。スコティーはミステリを書く(!)わけですが、その構成にあたって花織と論争していくのが前半のストーリーです。

なんだか話が進んでいるのか進んでいないのか

よくわからんところに突発的に事件は発生します。
後半はこのよくわからん前半部分を解き明かしていく展開になっていて、少しずつですが霧が晴れていくのがとても楽しいです。
こういう仕立て方があるのか、とちょっと驚いたわけですが、前半と後半でがらりとその展開を変えていく手法は本格ミステリの世界ではしばしば見受けられますね。自分は専らジャンルが先鋭化してしまいましたので、なんだかとても久しぶりでした。
読後感も良いですし、猫が好きならなおさら読むべし! ですね。





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posted by 曹源寺 at 17:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ま行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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