ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2017年02月14日

書評781 宮部みゆき「希望荘」

こんにちは、曹源寺です。

本日(2/14)、東芝が第3四半期の決算発表を延期することを発表しました。すでに債務超過ではないかと噂されており、法的整理も秒読みなんて言われていますが、真偽のほどはさておき、自分が社会人になった四半世紀前を見渡しますと、なんと多くの有名企業が潰れたり大リストラしたり外資の手に落ちたりしたものかと、なんともいえない気持ちになります。
2000年以降の大型倒産だけを見ても、
金融:千代田生命保険、協栄生命保険、東京生命保険、ライフ、武富士、ロプロ(日栄)ほか
建設:日産建設、青木建設、殖産住宅相互、佐藤秀、ダイア建設、穴吹工務店ほか
住宅:セザール、ゼファー、ダイナシティ、アーバンコーポレーション、モリモト、日本綜合地所ほか
製造:赤井電機、新潟鐵工所、日本重化学工業、福助、山水電気、エルピーダメモリほか
流通:そごう、はるやまチェーン、第一家庭電器、マイカル、マツヤデンキほか
運輸:日本航空、スカイマーク、第一中央汽船
サービス:第一ホテル、ノヴァ、55ステーション、インデックス、ラ・パルレほか
書ききれませんわ。

倒産ではありませんが、製造業ではものすごい勢いで勢力図が変わりました。
日産自動車(仏ルノーグループへ)とか三菱自動車工業(脱輪攻撃→大規模リコール→リコール隠しで大変)とか三洋電機(パナソニックの子会社に)とかシャープ(鴻海精密工の傘下へ)とかアイワ(ソニーと合併)とかケンウッド(日本ビクターと合併)とかミノルタ(コニカと合併してカメラはソニーへ)とか
こっちもきりがないわww

IBMに入社してもパソコン事業部にいた人は切り離されて今LENOVO社ですし、ソニーだってVAIO事業は別会社になっています。何というか盛者必衰の理とはまさにこういうことを指すのでありますね。

こんな話を娘にしていたら、「要するに、大企業に頼らずに生きていければいいのね」ということで、大学に入ったら資格を取るらしいです。日本という国がある限りは大丈夫という資格でも取ってくれれば親としては言うことありません。


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内容(小学館HPより)
探偵・杉村三郎シリーズ、待望の第4弾!
その部屋には、絶望が住んでいた――。
宮部ファン待望の14か月ぶりの現代ミステリー。特に人気の「杉村三郎シリーズ」の第4弾です。
本作品は、前作『ペテロの葬列』で、妻の不倫が原因で離婚をし、義父が経営する今多コンツェルンの仕事をも失った杉村三郎の「その後」を描きます。
失意の杉村は私立探偵としていく決意をし、探偵事務所を開業。ある日、亡き父・武藤寛二が生前に残した「昔、人を殺した」という告白の真偽を調査してほしいという依頼が舞い込む。依頼人の相沢幸司によれば、父は母の不倫による離婚後、息子と再会するまで30年の空白があった。果たして、武藤は人殺しだったのか。35年前の殺人事件の関係者を調べていくと、昨年に起きた女性殺人事件を解決するカギが……!?(表題作「希望荘」)
 表題作の他に、「聖域」「砂男」「二重身(ドッペルゲンガー)」の4編を収録。


曹源寺評価★★★★
杉村三郎シリーズがなぜかこじれて「探偵・杉村三郎」となってしまいました。このことに違和感を持つ人は少なくないのではないかと思いますが、面白ければ文句は言いますまい。
宮部みゆきセンセーが描く探偵もの、人探しものは好きなんですよ。何と言っても「火車」の圧倒的な存在感がありますからね、読んでいくのが本当にワクワクします。他のセンセーと何が違うのかなあと考えてみたのですが、おそらくは依頼人、捜索人、探偵、そして関係者、

それぞれにドラマがあって真実が見えた時にすべてつながる

一本の線ができあがるような感覚。人間臭さというかちょっとだけドロッとしたような裏話というか、そんな背景を見せつつも最後は筋の通ったラストに仕上げていく。それが多少陰鬱なラストであったとしても、すべてが救われないかというとそんなことはない。そして、主人公も読者も推理する「おそらくはこういう見立て」が、実は全然違っていて、それでもすべてがすっぽりとはまっているというストーリーテリングはものすごい技巧であったりするわけです。ちょっと抽象的なところもありますが、そんな感じです。
本書はこれに主人公の杉村三郎が持つ、実直で人当たりの良い人物が行う探偵という仕事が、これまでの探偵像とは異なる雰囲気をかもし出しているのもいいですね。
本書は連作短編4作品(中編に近い)が収録されていますが、個人的には表題の「希望荘」が良かったです。あと「砂男」も。砂男は前作「ペテロの葬列」で妻子と別れた後の杉村が、どのようにして探偵事務所を開くまでになったのかを事件とともに綴っていますので、本来であれば本編が最初にこなければいけないはずなのです(あえてそうしていないところが宮部みゆきセンセーです)。
宮部センセーの探偵モノのシリーズというのがひとつくらいあっても良いのではないかと思いますので、ぜひこの杉村三郎シリーズを続けていただきたいと思います。切なる願いです。





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posted by 曹源寺 at 16:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ま行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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