ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2017年02月21日

書評783 今野敏「去就 −隠蔽捜査6−」

こんにちは、曹源寺です。

最近は大手ファミレスが24時間営業をやめるというニュースがありました。
過剰サービスに歯止めをかけようとする動きが活発になってきたのは果たして良いことなのか、それとも悪いことなのか、議論の分かれるところだと思います。

個人的な感想をいえば、賃金が上がらなければサービスをレベルダウンされてもしょうがないと思います。
「お客様は神様です」の時代は終わったのではないかとも思います。客の側がつけ上がるケースは後を絶ちませんので、少しサービスが悪いくらいが当たり前、という風潮にしても良いのではないかと。
「客がつけ上がるケース」というのが本当にみっともないレベルで発生しています。ちょっと接客が遅いだけで「土下座しろ!」とか、お前本当に日本人かよ?と疑うレベルですね。
日本流の「おもてなし」も過剰なものは排除して、すこしスッキリとさせたほうがスマートになるのではないでしょうか。

とりあえず
・コンビニとファミレス、ファストフードは24時間営業を禁止
・どうしても夜に営業したければ、その店舗は昼間の営業を禁止
あたりから始めてみてほしいものです。

これだけでも社会は大きく変わるのではないかと思います。

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内容(新潮社HPより)
続発するストーカー殺傷事件を防ぐべく、大森署にも対策チームが新設された。だがその矢先に管内で女性連れ去り事件、さらに殺人が勃発。ストーカーによる犯行が濃厚になる中、捜査の過程で署長・竜崎は新任の上役と対立してしまう。家庭でも娘にストーカー騒動が発生、公私で勇断を迫られた竜崎の去就は……激震走る第八弾。


曹源寺評価★★★★★
今野センセーもまさかここまでのロングランになるとは思ってもいなかった「隠蔽捜査」シリーズでありますが、ついに8作目(スピンアウトを含む)に突入です。やはり、主人公・竜崎の超合理主義ともいえる、官僚社会、階級社会にあって型破りなキャラクターが多くの共感を得たことが成功要因であろうと思います(みんな思っています)。
幼馴染の警視庁刑事部長、伊丹や第二方面本部の野間崎管理官、大森署の戸高刑事などなど個性的な脇役も固まり、

こうなるともうキャラクターが勝手にしゃべりだすレベル

で話が書けるみたいですね。「ST」シリーズや「安積班」シリーズに匹敵する(あるいはそれ以上の)今野センセーの代表作品になりました。
今回は家族と仕事の両方でストーカー騒動が巻き起こるというストーリーです。家族のほうは広告代理店に勤務する娘の婚約者が半ばストーカー化して大変という話、事件のほうは管内で殺人事件が発生、容疑者がストーキングしていた女性を連れて立て篭もるという話。いずれも竜崎の決断力が試されます。
署長という立場からの目線が多いため、事件は決して臨場感溢れるものではありません。むしろ安楽椅子探偵のようにさまざまな情報が入ってくるところを整理し、まとめ、自分の解釈で仮説を打ち立てなければならないわけです。
今回も事件の構図が従来の常識から外れ、そのために警察が振り回されることになります。そしてそのリカバリーを独自の判断で行うわけですが、そこにひと悶着ありまして表題の「去就」ということになるわけです。
タイトルから考えれば

ついに竜崎伸也も異動か!?

と思うのは必然ですね。警察という巨大組織において、竜崎のような人材を「合理性に執着するただの変人」と捉えるのか、あるいは「旧来の悪習をぶち破ることができる逸材」と捉えるのかによって、その未来は大きく変わっていくのだろうと思います。
これをわが身に置き換えて、いわんや一般企業においては、ということになりましょうか。世の中は「ダイバーシティ」とか言いながら、異端児をはじき出そうとする悪しき日本的慣習(これを村八分と言います)が根強く残っております。農耕民族のムラ社会というのは共同体としての一体感を強要するわけですから、我々日本人の中にDNAレベルで存在しているのかもしれません。一方、同じ日本的慣習のひとつに「お上には逆らわない」というのもありまして、竜崎のような管理職が上にいたなら、その部下は素直に従うことでしょう。本書に登場する第二方面本部の野間崎管理官は中間管理職の悲哀を体現しつつも、竜崎の判断や行動に少しずつ共感するようになってきました。
その意味においては、「組織は上から変わる」というのは間違いないわけで、これからも多少変わり者だけど強いリーダーシップを発揮するこの竜崎伸也というキャラクターに活躍して欲しいものであります。






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posted by 曹源寺 at 17:59| Comment(0) | TrackBack(0) | か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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