ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2017年04月25日

書評798 今野敏「サーベル警視庁」

こんにちは、曹源寺です。

今日にも北朝鮮からミサイルが飛んでくるのではないかと、ネットでは戦々恐々とされている人が多いみたいですが、どうやら米国と中国は経済圧力を強めて金正恩を亡命させ、正男の息子を使って傀儡政権を樹立させたいようですね。
でもその前に軍部がクーデターを起こす可能性も残っているとは思いますので、警戒だけは怠らないほうが良いのではないかと思います。

さて、こうした有事に対しては、かつて朝日新聞が「一発だけなら誤射かもしれない」と記事に書いて猛烈に炎上した過去がありますが、これに関して政治部次長の高橋純子氏が紙面「政治断簡」のコーナーでこんな記事を書いてきました。

作家の百田尚樹氏は「もし北朝鮮のミサイルで私の家族が死に、私が生き残れば、私はテロ組織を作って、日本国内の敵を潰していく」「昔、朝日新聞は、『北朝鮮からミサイルが日本に落ちても、一発だけなら誤射かもしれない』と書いた。信じられないかもしれないが、これは本当だ。今回、もし日本に北朝鮮のミサイルが落ちた時、『誤射かもしれない』と書いたら社長を半殺しにしてやるつもりだ」とツイッターに投稿した。あらタイヘン。そんな記事本当に書いたのかしら。「北朝鮮」「一発だけ」「誤射」でデータベース検索したが、結果は0件。永遠のゼロ件。百田氏の過去のインタビューなどから類推すると、おそらく2002年4月20日付朝刊「『武力攻撃事態』って何」のことだと思われる。
Q ミサイルが飛んできたら。
A 武力攻撃事態ということになるだろうけど、1発だけなら、誤射かもしれない。
北朝鮮を含め具体的な国や地域名は出てこない。一般論として、武力攻撃事態の線引きは難しいということをQ&Aで解説する記事だった。


作家の百田尚樹センセーはツイッターでこれに反論しています。

百田尚樹?
@hyakutanaoki
私を名指しで非難しつつ、「一発だけなら誤射かもしれないという記事は一般論」とごまかしているが、02年4月の記事は、北朝鮮のミサイルを念頭に置いた「ハーグ規範」が採択された直後のもの。
つまり誰が読んでも、北朝鮮のミサイルが日本に着弾したことを想定した記事。
朝日さん、汚いよ。


百田センセーの正論は当時の記事をみればわかりますが、補足しますとこのQ&Aの次にあるのは「不審船」のQ&Aです。誰がどう読んでも北朝鮮のミサイルであると理解するはずです。

朝日新聞の悪行はとどまるところを知りませんが、特にこの高橋純子なる政治部次長は過去にもいろいろとやらかしているので、あえて個人名で批判してみました。
たとえば、週刊ダイヤモンドがこんな記事を載せたことがあります。

政治コラム「だまってトイレをつまらせろ」でわかる朝日新聞の落日(2016/3/12DIAMOND ONLINE)
朝日新聞社には、高橋純子さんという政治部の次長サンがいる。りんりんリーチの高橋純子さんではない(※こちらは女性プロ雀士です。麻雀ゲーム『極』では、リーチをかけるとき、りんりんリーチと叫びます)。
朝日のほうの高橋純子次長サンだが、この方がお書きになる記事は毎度毎度、実に難解で、朝日の編集局や校閲はよくこんな原稿を通したなあ、と思ってしまう内容ばかりなのである。次長サンのスタンスは「アンチ安倍政権」で凝り固まっているが、はっきり言って、何が言いたいかわからない文章をお書きになる。
先月28日、高橋次長サンは『だまってトイレをつまらせろ』なるタイトルのコラムを書いた(顔写真入り)。
〈(前略)ある工場のトイレが水洗化され、経営者がケチってチリ紙を完備しないとする。労働者諸君、さあどうする。
 @代表団を結成し、会社側と交渉する。
 A闘争委員会を結成し、実力闘争をやる。
まあ、この二つは、普通に思いつくだろう(中略)ところが、船本洲治という1960年代から70年代初頭にかけて、山谷や釜ケ崎で名をはせた活動家は、第三の道を指し示したという。
 B新聞紙等でお尻を拭いて、トイレをつまらせる(中略)。
わたしは、「だまってトイレをつまらせろ」から、きらめくなにかを感受してしまった。
 生かされるな、生きろ。
 わたしたちは自由だ〉
この「生かされるな、生きろ」ってセンテンスは、いったいどこから出てきたのか不明なのだが、船本洲治氏が残した言葉なのかしら? ちなみに、高橋次長サンは記さなかったけど、船本洲治という「活動家」は山谷、釜ケ崎の労務者問題に取り組んでいますが、地域センターを爆破した疑いで指名手配されています。テロリストじゃないですか。彼は逃走中の1975年、皇太子殿下(当時)の訪沖に反対し、嘉手納基地の前で焼身自殺を遂げます。船本氏は29歳でした。
(以下は長いのでリンク先でどうぞ)

政治的にはややリベラルな姿勢のダイヤモンドですら、アサヒの政治部次長にこんな人がいるなんて、と驚きを隠せないという記事です。しかもこれ1年前の記事ですから、この高橋次長は政治部にずっと居座っているわけですよ。元々支離滅裂な文章を書くので有名な人なようですが、こういう人でも昇進できるというか、こんな記事を書く人でないとアサヒでは昇進できないのではないかと思わせてくれますね。実際、出版部門が分社化されていますが、あちらにいる人のほうがこと文章においては優秀な人が多いような気もします。

まあ、ミサイルが本当に飛んできたときのアサヒの言い訳が今から楽しみです(その時に自分が生きていればの話ですが)。

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内容(角川春樹事務所HPより)
明治38年7月。国民たちは日露戦争の行方を見守っていた。そんなある日、警視庁第一部第一課の岡崎孝夫巡査が、警察署から上がってきた書類をまとめていると壁の電話のベルが鳴った。不忍池に死体が浮かんでいるという。鳥居部長、葦名警部とともに現場へ向った。私立探偵・西小路臨三郎もどこからともなく現れ捜査に加わることに――。殺された帝国大学講師・高島は急進派で日本古来の文化の排斥論者だという……。そして、間もなく陸軍大佐・本庄も高島と同じく、鋭い刃物で一突きに殺されているとの知らせが――。元新撰組三番隊組長で警視庁にも在籍していた斎藤一改め、藤田五郎も加わり捜査を進めていくが、事件の背景に陸軍省におけるドイツ派とフランス派の対立が見え始め――。今野敏が初めて挑んだ、明治時代を舞台に描く傑作警察小説の登場!


曹源寺評価★★★★
今野敏センセーは人気絶頂なのにチャレンジングなことをしてくれるので好きですわ。今度は明治時代の警視庁を舞台にした警察小説です。明治38年といえば1905年。日露戦争の真っ只中であります。
時代考証すれば、3月に奉天会戦、5月に日本海海戦、9月にポーツマス条約という年です。戦勝に沸きながらも講和条約で揉めて政府批判が沸き起こる年でもあります。
そんな時代の殺人事件を警察小説として描いたのが本書です。なぜか元新撰組の斉藤一が登場してきますが、それ以外にも小泉八雲とか「黒猫先生」(最後まで実名が出ませんがたぶんあの大作家)などが名前だけですが登場してきます。
明治中盤は江戸や瓦解(維新)をひきずりつつも脱亜入欧を進めている最中ですから、いわゆる急進派と穏健派(保守派)が対立していたり、自由民権運動と社会主義が生まれていたりと、思想的な対立があちこちで始まっていたわけですね。
当時の警察は内務省の管轄にあって旧薩摩藩の流れを汲んでいるのは警察小説ファンなら当たり前の知識ですが、まだ思想弾圧などは行われていなかったのかもしれないですね。ただ、本書の主人公(語り部)である岡崎巡査は米沢の出身、べらんめえ口調の親分肌で上司の鳥居部長も薩長出身ではありません。いわゆる反主流派なのかもしれません。ほかにも理論派の葦名警部、目立たない服部課長、角袖(カクソデ→デソクカ→デカの語源ですね)の荒木、さらには伯爵の孫にして私立探偵の西小路臨三郎などなど。このメンバーのキャラクター造型がなかなかに楽しくて、本書だけでは書ききれないほどの造型ですから、

絶対に続編を狙っている

のが良くわかります。
続編、大歓迎です。もしかしたら、隠蔽捜査シリーズのように人気シリーズに化けるかもしれませんね。





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posted by 曹源寺 at 16:15| Comment(0) | TrackBack(0) | か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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