ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2017年06月27日

書評814 川瀬七緒「フォークロアの鍵」

こんにちは、曹源寺です。

東京都議会議員選挙の公示が23日(金)になされました。7月1日(土)まで選挙活動期間となっています。
誰を応援するとかしないとか、個別の活動をブログで展開することはありませんが、自分の中ですごく大切にしていることはあります。
それは、

都政と国政は別

ということであります。
「貧困対策をー」とか「条例で○○を無料にー」とかはいいですね、都政の範疇です。しかし、「加計学園ガー」とか「安倍独裁政権ガー」とか言われても、都政関係ないですわ。ましてや「憲法を守ろう」とか「戦争反対」とか「米軍基地ガー」とか連呼されても、まったく耳に入りませんわ。

仮に都議会議員選挙で都民ファーストの会が圧勝したり、自民党が惨敗したりしたらマスゴミは「安倍政権の足もとが揺らいでいます」「政権に大きな打撃となる見込みです」みたいな報道に終始するのが目に見えていますが、何度も言うように

都政と国政は別

なんですよ。過去にも社会党と共産党が支持した美濃部亮吉都知事(1967〜1979年!!)なんてのもいたわけで、その頃の国政はどうだったのかというと、安定の自民党政権だったわけですね。まあ、当然やりにくい部分はあったと思います。実際、いまの首都圏外郭環状道路なんて凍結されましたから、40年経った現在まで尾を引いているという負の側面は否定できないでしょう。また、負けたら「自民党総裁」としての責任論は湧き出ることになるのは止むを得ない話です(実際には自民党都議連の責任でしょうが)。
だからといって、国政の政権まで揺るがされるものではないわけで、その辺の境界線を強引にひっぺがして何でもかんでも政府の責任だとかまで極大化しようとする輩には決して惑わされることのないようにしていきたいものです。

だいぶ話がズレましたが、選挙演説で都政と関係ないことばかり主張しているような候補者には聞く耳を持つ必要はないということでよろしいかと。

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内容(講談社HPより)
羽野千夏は、民俗学の「口頭伝承」を研究する大学生。“消えない記憶”に興味を持ち、認知症グループホーム「風の里」を訪れた。出迎えたのは、「色武者」や「電波塔」などとあだ名される、ひと癖もふた癖もある老人たち。なかでも「くノ一」と呼ばれる老女・ルリ子は、夕方になるとホームから脱走を図る強者。ほとんど会話が成り立たないはずの彼女が発した「おろんくち」という言葉に、千夏は妙な引っ掛かりを覚える。記憶の森に潜り込む千夏と相棒の大地。二人を待っていたものは……!


曹源寺評価★★★★
ちょいとグロい「法医昆虫学捜査官」シリーズなどをお持ちの川瀬センセーは、時折「桃ノ木坂互助会」のようなちょいと変わった作風の作品を出されることがありまして、本書もまたちょっと変わったテーマで書き上げてこられたので読んでみました。
大学院で民俗学を専攻する羽野千夏は、口頭伝承の研究を目的に認知症の人のためのグループホーム「風の里」に通うことになった。そこで見たのは強烈な個性を持った入居者たちと、職員の過酷な労働実態、そして成功体験をもとにがんじがらめのルールで入居者を縛り上げる運営者の姿であった。
ある日、千夏はいつも壁を向いてつぶやいては夕方になると脱走を図るルリ子が発する言葉「おろんくち」に引っかかり、調べてみることにした。
一方、大学附属高校に通う立原大地は親からの強烈なプレッシャーから逃れようとして学校をサボるようになった。現実逃避する中で楽しかった思い出に浸ると浮かんでくるのは山梨県の祖父母の家の光景だった。地域のSNSに書き込みされていた「おろんくち」という言葉に反応した大地は、書き込みに返事をしたことで。。。
なーんだ、民俗学の口頭伝承で残っている言葉の謎を追うミステリかいな。最初は自分もそう思っていました。中盤まではややスローな展開であることは否めません。
しかし、後半からはなんとなくですがズレていくのです。ルリ子の見た風景とは何だったのか。時折発せられる単語だけを頼りに推理を重ね、現地と思しき場所に辿り着いたとき、そこで彼女らが目にしたものは

やべえ、やっぱり川瀬作品だったわこれ

油断していたではないか!なにこの急速にグロい展開は!
思わずちびりそうになるんですがこれ。勘弁してくださいよー。トラウマ植えつけられるレベルで怖いですわー。

長閑な民俗学から一気にホラー作品に早変わりです

そして、そのホラーな気分を引きずりながら最終章に突入すると、ここからはさらにミステリな展開になります。ホラーなところから最後までは息もつかせぬ展開で、コテンパンにやられてしまいました。なるほど、「おろんくち」の謎はここに帰結するのかと思うと、民俗学自体が壮大な伏線になっていると言っても過言ではないですね。
老人介護業界が抱えている問題や、センセーがおそらく主張したいであろう「心と病は別」というテーマなどは作品のスピード感をスポイルしているという見方もあるかもしれませんが、個人的にはほどよい味付けではないかと思います。ただ、認知症の方々がラストのほうでは健常者バリバリな発言をされているのはちょっと違和感がありました。
でも、もしかしたら本書もシリーズ化したら面白いのかもしれないですね。





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posted by 曹源寺 at 16:56| Comment(0) | TrackBack(0) | か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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