ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2017年07月28日

書評823 笹本稜平「危険領域 所轄魂」

こんにちは、曹源寺です。

R4こと村田民進党代表が辞任を表明しました。自民党では稲田防衛相が辞任しました。個別にみればいろいろな背景がありますが、最近は物議をかもす女性議員が多いのが印象的です。

嫌われる議員が多いのでしょうか。嫌われるとしたら、何がいけないのか。このあたり、女性蔑視にならないレベルで実証したら面白そうな気がします。

議員、それも大臣や党の幹部となれば人望がなければいけません。でも人望って何でしょうね。人望イコール人を惹きつけるもの、ということだと思いますが、じゃあその正体は何よ、という話になります。逆に、人が離れていく要素って何でしょうね。R4議員が記者会見で放った「遠心力」という単語には、なんだかすごく深いものを感じてしまいます。
個人的な感想ですが、遠心力のある人ってこんな感じでしょうか。
・責任を取らない
・言い訳ばかりして謝らない
・人のせいにする
・自分で汗をかかない
・常に上から目線
・攻撃的すぎて何にでも噛みつく
・落としどころを知らない
うーん、ほかにもいっぱいありそうだ。いずれちゃんとまとめたいですね。

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内容(徳間書店HPより)
マンションで転落死と思われる男性の死体が発見された。死亡した男は、大物政治家が絡む贈収賄事件の重要参考人であるという。さらには政治家の公設第一秘書、私設秘書も変死。自殺として処理するように圧力がかかる中、葛木が極秘裏に捜査を開始すると、とある黒幕が浮かび上がってきて……。政治が真実を闇に葬ろうとするとき、葛木父子は警察の矜持を保つことができるのか!大人気警察小説シリーズ第四弾。


曹源寺評価★★★★★
「所轄魂」シリーズも4作目に突入です。根っからの刑事である葛木邦彦と、その父を見ながらキャリア警察官として一気に父を追い抜いた息子の葛木俊史親子が奮闘する警察小説として、笹本作品のなかでは「越境捜査」シリーズとともに定着したシリーズです。父親よりも出世した息子だが、実力(=捜査能力)では父親のほうが一歩も二歩も上であり、それを息子も十分に承知しているから軋轢も生じない。逆に見事な連係プレーを見せてくれるという、いつもながらなんともうらやましい展開になるのが常ですが、まあそこは微笑ましい父子愛ということで我々読者は暖かく見守ってやりましょう。
今回はとある政治家の公設第一秘書と私設秘書が相次いで死体で見つかるというところからスタートします。捜査第二課の理事官として就任している息子の俊史は、贈収賄事件として立件したいところに重要参考人が死んでしまった格好だ。一方の父・邦彦は変死体を前に殺人事件として捜査したいが、事を荒立てるのは良くないと判断した上層部と軋轢が生じ始めます。
国家を揺るがす大規模な贈収賄事件と殺人事件、どちらを優先的に扱うのかで揉めるのですが、そうこうしているうちに捜査は後手後手に回ってしまいます。捜査一課と捜査二課の領分で揉めると同時に、警視庁と福井県警でも軋轢が生じたり、地元の有力者に気を遣う県警のなかにも気骨ある刑事がいて上層部と現場でも意見の相違が表面化したりして、なんだかいろんなところで齟齬をきたしている警察組織というところに最後はやっぱり「所轄魂」で締め括るというお決まりの展開でありました。
それにしても、笹本警察小説というのはいっつも同じ感想しか思い浮かびません。本シリーズのみならず、「越境捜査」シリーズにも共通して言えることですが、思いつくだけでこんなにありました(以下、だいたひかる風にお読みください)。
序盤から中盤にかけて事件がまったく進展しないというダラダラ感。
刑事同士の会話だけで事件が進んでいくという臨場感ゼロの荒技。
しかもその会話がものすごく堅苦しいので読んでも頭に入らないという哲学の授業状態。
事件の詳細が分からないまま進んでいくから読後しばらくするとどんな内容だったのか思い出せなくなるという記憶喪失。


どーでもいーですよ

と歌いたくなってしまいそうになるレベルです。
これに、ラストの事件解決した感がまったくないというモヤモヤ感。というのもありますが、本書はまだ事件解決している方かなあと思いますので、まあここは割愛で良いでしょう。
あと、笹本センセーの意識の根底にあるだろうと思われるのが、反権力思想でしょう。越境捜査にしても所轄魂にしても、犯人像が大抵与党の大物政治家だったり警察上層部だったりしてちょいと食傷気味です。笹本センセーの世代(1951年生まれ)はほぼ団塊の世代です。おそらく最も反権力思想の持ち主が多い世代ではないかと思いますので、これはしょうがないかなあとも思います。55年体制による弊害が多かったというのもありますし、疑獄事件もいっぱいありましたからね。
しかし、それより後の世代は団塊の世代のことを見下していますよ。共産党なんてテロリストだと思っていますし、中核派だの革マル派だのといった単語にはまったくピンときていません。本書に出てくるロッキード事件も解説がなければ理解できないでしょう。
いまはマスゴミが政権与党に対する攻撃を強めていますから、政治家の汚職なんて簡単にできません。やっていることは不倫とか政治活動費のポッケナイナイとか本当にせせこましいことばっかりです。政治家よりも官僚のほうがドス黒いでしょうから、中央官庁の腐った役人あたりにターゲットを絞ってみてはいかがでしょう。財務省、外務省、文部科学省あたりはネタの宝庫かもしれませんね。





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posted by 曹源寺 at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | さ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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