ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2017年08月01日

書評824 黒井卓司「フェイスレス」

こんにちは、曹源寺です。

トランプ米大統領がCNNをはじめとした一部メディアに対して使った「フェイクニュース」という単語がありますが、これは「メディアのねつ造」という意味でつかわれ始めたものであります。

これに対して日本では、メディアのほうが「ネットにおけるデマ、作り話」という意味で使うようになっています。

朝日新聞の記者が先日こんな新書を出したことで、ネットでは笑いものになっています。

平和博「信じてはいけない 民主主義を壊すフェイクニュースの正体 (朝日新書)」 [新書]


「今年一番のギャグ」「自伝乙」「鏡見ろよ」「正に朝日新聞そのもの」などの書き込みが半端ないです。
本来の意味を勝手に書き換えようとする気マンマンですね。
まあ、ネットに嘘があふれかえっているのはみんな知っています。だからこそ「嘘を嘘と見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」という有名な格言ができたわけです。ですから、みんな知っているんですよ。わかっているんですよ。わかってて使っているんですよ。
問題はネットではなくて、既存のメディアがネットを使えない人を対象に意図的にフェイクを混ぜてニュースを流し始めていることなんですよね。こうなるともう自分が直接目にしたものだけを信じるしかないという、末期的な状況になってくるんですね。ネットに限らずテレビも新聞も、信じられない情報ばかりが垂れ流される世界というこの世紀末な状態。こんな状態が長く続くはずはありませんので、いずれ何らかのしっぺ返しがくるのは間違いないでしょう。

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内容(KADOKAWA HPより)
世界が枝分かれし、人類滅亡のカウントダウンが始まる。超弩級サスペンス!
設定の見事さとそれを上回る大興奮の展開。物語も才能も凄まじい。──山田宗樹(『百年法』『代体』)
枝分かれした「もう一つの世界」が生み出した恐るべき生体兵器。人類滅亡までのカウントダウンがはじまる。
「もう一人の自分」に出会ったとき、世界は音をたてて崩壊する……一気読み必至の予測不能サスペンス!
 製薬会社の研究員・透は、同じ研究チームの北岡の婚約者・可奈恵に秘かに想いを寄せていた。だが北岡の車で帰宅中にタイヤがバースト。可奈恵と透は一命を取りとめるが、北岡だけが亡くなってしまう。
 それから9年後。アメリカである実験が行われていた。アリの殺虫剤のテストという名目だったが、そのアリは被験者15名をあっという間に噛み殺してしまう。──実はこの世界は、誰にも気づかれないまま二つに枝分かれしていた。しかしネバダ核実験場にある“チューブ”を通じて、アメリカと「もう一つのアメリカ」は秘密裏に交流していたのだ。そしてチューブを通過したアルゼンチンアリが「向こうの世界」で交配し誕生したのが、この恐るべき殺人アリだった。
 一見、何の関係もない2つの出来事。だがそれが1つの線で結ばれたとき──世界を揺るがす陰謀が透を呑み込み、彼の運命は大きく変わっていく。


曹源寺評価★★★★★
書店で気になったので読んでみました。黒井卓司センセー、初読です。
黒井卓司センセーは1960年生まれ。2011年の日本ホラー小説大賞最終候補作「さよならが君を二度殺す」でデビュー、だそうです。
本作はホラーというよりはSFサスペンス、いやSFファンタジーですね。
「平行世界が完全に分岐しなかったため、こちらの世界とあちらの世界が一か所でつながっている状態」という設定だけで、最近の異世界ブームに乗っているファンにはたまらないお話の予感がプンプンしそうです。そこに、「両方の世界の生物をかけ合わせると瞬間進化する」という、さらに恐ろしい設定がおまけでついてきます。
そんな世界を舞台にして、日本とアメリカで巻き起こる事件がテンポよく進んでいきます。主人公の早川透とその友人である北岡直樹、直樹の婚約者である可奈恵、そしてもう一つの世界から来た「F」。壮大な設定ですが、その割にストーリーは(ネタバレ注意)


ただの三角関係のもつれ

だったりするので、ちょっと拍子抜けです。
うーん、個人的にはアメリカ映画のような大きな展開を期待したのですが、彼らの行動のモチベーションがあまりたいしたことなくてがっかりです。
それと、ラストもイマイチ締まらないなあという印象です。なんだか、少年漫画の最終回みたいなラストです。
もし自分が作者だったらどうするか、なんて妄想がいっぱいできそうな作品です。自分だったらおそらく、絶望感たっぷりのラストにするかもしれません。
だれも救われないような、、、人類が殺人蟻に滅ぼされるような、、、





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posted by 曹源寺 at 16:19| Comment(0) | か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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