ミステリ読みまくり日記 〜書評(ネタバレあり)

通勤時間に読む、日本のミステリとその他小説をとりあえず書き留める
 

2017年07月04日

書評816 横関大「ピエロがいる街」

こんにちは、曹源寺です。

今回の東京都議会議員選挙では自民党が大敗、都民ファーストの会が大躍進、と言われています。確かにそうですね。自民党は国政の影響というより、都議会自民党がクソであったことのほうが影響としては大きかったと個人的には思うのですが、なにせ公示が迫ったころからフェイクニュースが混ざった与党攻撃が半端なかったわけで、マスゴミが勝手に疑惑と持ち上げてはネガティブキャンペーンを張りまくったことが拍車をかけたのではないかと思います。
その反自民の受け皿が都民ファーストだったというのが皮肉でもありますが。
稲田防衛相の発言→OUT
豊田真由子の録音→OUT
この2つはまあダメですね。批判されてもしょうがないレベルです。
しかし、
金子恵美議員の公用車→SAFE
下村文科相の献金→グレーだけど法的にはSAFE
ですね。特に金子議員の件は働くママをサポートしようなどと常日頃言っているマスゴミ自身が批判してどうすんのよ。反自民だけで突っ走るから二重基準に陥ってしまうのですが、その自覚がないままに批判している輩のなんと多いことか。まともに正論吐いているリベラル層は駒崎弘樹氏だけしかいないという有様ですわ。
こういう倒閣運動みたいなことをするから二重基準になってしまうわけで、この動きに乗っかってきた民進党は結局、議席数を伸ばすことができなかったんです。有権者が反自民の受け皿として民進党を選ばなかったのは、あちこちでブレにブレまくってきた二重基準のツケではなかろうかと思います。

最近では、文部科学省の天下り問題でさんざん批判されてきた前川前事務次官が、加計学園で話題になったら急に持ち上げるようになりました。同じくこの話題(問題とは言わない)で省内の文書がリークされたら「勇気ある告発」と持ち上げておいて、かつて尖閣諸島問題沖で発生した中国漁船衝突事件で映像をリークした人には国民の反応とは別にマスゴミの反応は酷いものでした。「安倍首相のお友達が恣意的に選ばれているのはおかしい」と言っているのに、そのお友達は民進党の江田五月前議員のほうがもっとお友達なのにそれは一切報道しなかったりします。やっていることは同じでも、自らの主義主張に相通じるかどうかでその反応を変えるから二重基準と言われるのに、最近はこうした記事が富に目立ちますね。

おそらく、都民ファーストの会に関する記事もこれから手のひらを返すかのように批判や醜聞がどんどん出てくると思います。

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内容(講談社HPより)
兜市役所の秘書課に勤務する比南子は困っていた。スローガンに「開かれた市政、会いに行ける市長」を掲げる宍戸市長は、時間さえ空いていればどんな来客でも応対する。兜市は製薬会社が工場を国外移転することが決まり、かつてない財政難に陥っていた。市議会では大荒れが予想される中、今日も市民は市長に会いにくる。
ところ代わって兜市の駅前。就職活動がうまくいかない立花稜がベンチに座って悩んでいると、顔に白粉を塗り、真っ赤な口紅を塗ったピエロに話しかけられた。「願いごとを一つ、言ってみろ」立ち去らないピエロに仕方なく就職したいと話すと、稜はピエロに雇われることになる。ピエロは毎晩困った市民を助けるために活動しており、稜はそれを手伝うが……。
兜市が抱える難題に次々と直面する市長とピエロ。ピエロの正体が判明したとき、物語は鮮やかに反転する!


曹源寺評価★★★★★
軽〜く読めてハッピーエンドな結末が多い横関センセーの作品は楽しいので、乱歩賞受賞以降すべて読了しています。「スマイルメイカー」のようにちょっとしたどんでん返しがあったりするのも良いですね。
さて、本書は静岡県兜市(もちろん架空です)を舞台にしたミステリっぽい作品です。主人公は大学4年生にして就職活動中の立花稜で、彼を語り部としてストーリーが展開していきます。
市長の宍戸は就任から2年が経過し、その間、地場の有力製薬会社工場が閉鎖されて職と人口が奪われてしまった。立て直しに奔走する市長だが、そこに後援会会長が殺されるという事件が発生する。
一方、立花稜は町中でピエロの格好をした中年男性に声をかけられ、ピエロの手伝いをすることになった。ピエロの活動は市民が陳情する内容を実現するための活動に見えるが、、、
読者は謎のピエロの登場と、殺人事件の発生によって一気にドキドキわくわくが募ります。さらに、ピエロの正体はいったい誰なんだろうと思いながらその整合性をストーリー展開に求めていくことになるわけですが、これは

なんというミスリード

でしょうか。「ピエロの正体が判明したとき、物語は鮮やかに反転する!」というキャッチは伊達じゃありません。正確にいうと、「市長の正体が判明したとき、」でもありますが、完全にやられてしまいました。このラスト、自分はまったく見破れませんでした。あぁ、またしてもやられた!読み直し必至のラストに、ちょっとほっこりするエピローグがくっついて、読後感がなんともさわやかなのがこの横関作品だなあと改めて感じた次第。





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2017年06月30日

書評815 永瀬隼介「凄腕」

こんにちは、曹源寺です。

東京都議会議員選挙で選挙活動に忙しい候補者のみなさま

お願いですから、夜の7時に対向車もすれ違うのに難儀する4メートル幅の狭い道路に選挙カーを乗り入れて「○山○彦です」「×野×美をよろしくお願いします」などと連呼するのはやめてください。
悪印象しか持たれないような行動であるという認識がないのでしょうか。この前時代的な悪弊、選挙活動とはこういうものであるという固定観念からいい加減に解き放たれないと、投票率は上がらないし、せっかく良い施策を打ち出していても逆効果です。

自分は先日、選挙カーとすれ違うために止まっていたら、前から来た自転車にぶつかりました。そのときに選挙カーからは「ありがとうございます」とか言われたので、怒鳴り返してやろうかと本当にぶちぎれそうになりました。

特に若い人たちはこうした古臭いやり方には染まりません。なぜなら、自分で情報を取りに行くからです。テレビしか観ないでマスゴミに洗脳されているジジババはともかく、リテラシーを持っている人たちは名前の連呼でどうにかなる層ではないと認識すべきでしょう。

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内容(文藝春秋HPより)
闇社会に迫れ! 本格警察エンタテインメント
新米刑事の高木は、闇社会の人間関係を知り尽くし圧倒的な実力で事件を解決する刑事・桜井に衝撃を受けるが――本格警察長編。


曹源寺評価★★★★★
永瀬センセーの警察小説は他のセンセーに比較してピリピリとした緊張感、特に「さあ、これから決闘が始まるでぇ」という西部劇にも似た雰囲気があるので好きですが、本書もまた安定の永瀬節が炸裂しておりました。
立川南署に刑事として配属された31歳の巡査部長、高木誠之助は配属半年の新米刑事。雑用だらけの日々に嫌気が差していたものの、管内で発生した半グレ殺人事件の捜査にきた警視庁組対本部の桜田警部補とコンビを組むことに。その桜田は敏腕ではあったが、警察の闇に飲み込まれた人物だった。。。
この桜井に心酔した高木は、桜井がリタイアしてから後継者を自認して新宿署に配置願いを出し、組対の刑事として独自のネットワークを築いていきます。
ここまでが前半です。
後半はこの新宿署管内で発生した殺人事件の捜査で幕を開けますが、捜査をしていくうちに明らかになってくる事実が

トンデモ本レベルのありえなさ

でちょっと衝撃的でありました・
あまりネタバレすぎてもいけないのですが、かいつまんで書き出しますと(以下ネタバレ注意)

犯人がとんでもない人物で長年身バレしなかったのがありえない
警察のエス(スパイ)として活動していた人物がありえない

というものであります。
まあ、ストーリーはそれなりに楽しめましたので、それほど変な作品ではないのですが、読後にじわじわと押し寄せてくる不思議な違和感に脱力間違いなしですわ。





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2017年06月27日

書評814 川瀬七緒「フォークロアの鍵」

こんにちは、曹源寺です。

東京都議会議員選挙の公示が23日(金)になされました。7月1日(土)まで選挙活動期間となっています。
誰を応援するとかしないとか、個別の活動をブログで展開することはありませんが、自分の中ですごく大切にしていることはあります。
それは、

都政と国政は別

ということであります。
「貧困対策をー」とか「条例で○○を無料にー」とかはいいですね、都政の範疇です。しかし、「加計学園ガー」とか「安倍独裁政権ガー」とか言われても、都政関係ないですわ。ましてや「憲法を守ろう」とか「戦争反対」とか「米軍基地ガー」とか連呼されても、まったく耳に入りませんわ。

仮に都議会議員選挙で都民ファーストの会が圧勝したり、自民党が惨敗したりしたらマスゴミは「安倍政権の足もとが揺らいでいます」「政権に大きな打撃となる見込みです」みたいな報道に終始するのが目に見えていますが、何度も言うように

都政と国政は別

なんですよ。過去にも社会党と共産党が支持した美濃部亮吉都知事(1967〜1979年!!)なんてのもいたわけで、その頃の国政はどうだったのかというと、安定の自民党政権だったわけですね。まあ、当然やりにくい部分はあったと思います。実際、いまの首都圏外郭環状道路なんて凍結されましたから、40年経った現在まで尾を引いているという負の側面は否定できないでしょう。また、負けたら「自民党総裁」としての責任論は湧き出ることになるのは止むを得ない話です(実際には自民党都議連の責任でしょうが)。
だからといって、国政の政権まで揺るがされるものではないわけで、その辺の境界線を強引にひっぺがして何でもかんでも政府の責任だとかまで極大化しようとする輩には決して惑わされることのないようにしていきたいものです。

だいぶ話がズレましたが、選挙演説で都政と関係ないことばかり主張しているような候補者には聞く耳を持つ必要はないということでよろしいかと。

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内容(講談社HPより)
羽野千夏は、民俗学の「口頭伝承」を研究する大学生。“消えない記憶”に興味を持ち、認知症グループホーム「風の里」を訪れた。出迎えたのは、「色武者」や「電波塔」などとあだ名される、ひと癖もふた癖もある老人たち。なかでも「くノ一」と呼ばれる老女・ルリ子は、夕方になるとホームから脱走を図る強者。ほとんど会話が成り立たないはずの彼女が発した「おろんくち」という言葉に、千夏は妙な引っ掛かりを覚える。記憶の森に潜り込む千夏と相棒の大地。二人を待っていたものは……!


曹源寺評価★★★★
ちょいとグロい「法医昆虫学捜査官」シリーズなどをお持ちの川瀬センセーは、時折「桃ノ木坂互助会」のようなちょいと変わった作風の作品を出されることがありまして、本書もまたちょっと変わったテーマで書き上げてこられたので読んでみました。
大学院で民俗学を専攻する羽野千夏は、口頭伝承の研究を目的に認知症の人のためのグループホーム「風の里」に通うことになった。そこで見たのは強烈な個性を持った入居者たちと、職員の過酷な労働実態、そして成功体験をもとにがんじがらめのルールで入居者を縛り上げる運営者の姿であった。
ある日、千夏はいつも壁を向いてつぶやいては夕方になると脱走を図るルリ子が発する言葉「おろんくち」に引っかかり、調べてみることにした。
一方、大学附属高校に通う立原大地は親からの強烈なプレッシャーから逃れようとして学校をサボるようになった。現実逃避する中で楽しかった思い出に浸ると浮かんでくるのは山梨県の祖父母の家の光景だった。地域のSNSに書き込みされていた「おろんくち」という言葉に反応した大地は、書き込みに返事をしたことで。。。
なーんだ、民俗学の口頭伝承で残っている言葉の謎を追うミステリかいな。最初は自分もそう思っていました。中盤まではややスローな展開であることは否めません。
しかし、後半からはなんとなくですがズレていくのです。ルリ子の見た風景とは何だったのか。時折発せられる単語だけを頼りに推理を重ね、現地と思しき場所に辿り着いたとき、そこで彼女らが目にしたものは

やべえ、やっぱり川瀬作品だったわこれ

油断していたではないか!なにこの急速にグロい展開は!
思わずちびりそうになるんですがこれ。勘弁してくださいよー。トラウマ植えつけられるレベルで怖いですわー。

長閑な民俗学から一気にホラー作品に早変わりです

そして、そのホラーな気分を引きずりながら最終章に突入すると、ここからはさらにミステリな展開になります。ホラーなところから最後までは息もつかせぬ展開で、コテンパンにやられてしまいました。なるほど、「おろんくち」の謎はここに帰結するのかと思うと、民俗学自体が壮大な伏線になっていると言っても過言ではないですね。
老人介護業界が抱えている問題や、センセーがおそらく主張したいであろう「心と病は別」というテーマなどは作品のスピード感をスポイルしているという見方もあるかもしれませんが、個人的にはほどよい味付けではないかと思います。ただ、認知症の方々がラストのほうでは健常者バリバリな発言をされているのはちょっと違和感がありました。
でも、もしかしたら本書もシリーズ化したら面白いのかもしれないですね。





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posted by 曹源寺 at 16:56| Comment(0) | TrackBack(0) | か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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