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こういうのはなかなか便利で面白いですが、やってみて痛感するのはやはり、自分のポリティカルコレクトに100%合致する政党などほとんどなくて、どこかで妥協しなければ前に進めない、ということだと思います。
政治には妥協が必要です。理想を追い求めるのは良いのですが、現実とのはざまで苦悩しなければならないのですよ。議員も有権者もそれは同じです。再エネなんてのはその最たるものでして、理想を言えばきりがないのですが、現在の技術では再エネだけで国内のエネルギー需要をすべて賄うことなどできはしません。今日も暑かったですが、電力需給のバランスが崩れる15時〜18時あたりは太陽光発電の効率が落ちるからひっ迫するのですから、太陽光発電など本当はないほうが安定するのですよ。太陽光発電が活躍するためには蓄電の技術の向上が欠かせないのです。
外交・安全保障に関しても同じことが言えます。
戦争など誰だってしたくはないのですが、軍拡を続ける隣国があるから軍事バランスを崩さないような配慮が必要なのであって、すべての国が武器を捨ててみんなでおててつないで理想の星になりましょう、なんてどう考えても現時点では実現不可能なわけですよ。
それらの理想のために一票を投じましょうと意見するのは自由ですが、現実を完全に無視した投票行動というのも果たしてどうなのか、という側面は無視できないんじゃないかと思います。
個人の感想ですが、政治活動には理想を追い求めすぎるのはやめたほうが良いと思います。むしろ、現実を見据えて一歩一歩少しずつで良いので変わっていくこと、対応していくことのほうが重要ではないかと思います。
ですから、耳聞こえの良い甘言や、言葉だけで活動実績のない政治家の扇動的発言などには耳を傾ける必要なしと割り切っています。
内容(講談社HPより)
「知りたい」――それは罪なのか。
昭和・平成・令和を駆け抜ける。80万部突破『罪の声』を超える圧巻のリアリズム小説。
「聞きたい、彼女の声を」 「知られてはいけない、あの罪を」
ライターの大路亨は、ガンを患う元新聞記者の父から辻珠緒という女性に会えないかと依頼を受ける。一世を風靡したゲームの開発者として知られた珠緒だったが、突如姿を消していた。珠緒の元夫や大学の学友、銀行時代の同僚等を通じて取材を重ねる亨は、彼女の人生に昭和三十一年に起きた福井の大火が大きな影響を及ぼしていることに気づく。作家デビュー十年を経た著者が、「実在」する情報をもとに丹念に紡いだ社会派ミステリーの到達点。
曹源寺評価★★★★★
新聞記者だった父を持つライターの大路亨が、その父の依頼で一人の女性を探すことになる。その女性、辻珠緒はヒットを飛ばしたゲームの制作者であったが、消息を絶っていたのだ。大路は珠緒の知人、友人を捜し歩き、取材を重ねる。大路が「アホのように」取材に駆けずり回った先に見たものは、珠緒だけではない、辻家親子3代にわたる悲劇の歴史と、時代と男にほんろうされ続けた哀しい物語であった。。。
本書の語り部的役割の大路があちこちを駆けずり回ります。
関係者へのインタビューが延々と続く序盤は少し退屈ですが、読み進めるうちに珠緒という人間の輪郭が見えてくるようになるとぐいぐいと惹き寄せられていきます。
登場人物が多すぎてちょっと混乱しますので、冒頭の登場人物一覧を見返しながら読み進めることになりますが、それ以上に登場してくる人たちの交通整理に忙殺されてしまいます。なんでこんなにいっぱい出てくるんや?というくらい出てきます。
冒頭は昭和31年の福井県で、「芦原の大火」と呼ばれる大火事に遭遇する珠緒の祖母と母の物語から始まります。福井県は戦争による空襲、戦後すぐに発生した福井地震、そして芦原大火という不幸の連続だった土地であります。そんな時代を生きた人たちとその子孫、女性が生きにくかった時代をひきずりながら生きている人を探すため、現在と過去を行き来する大路。読みごたえは十分すぎるレベルです。
ただ、読み進めると「なぜ」があちこちに浮かび上がってくるのも事実です。何かを置き忘れていませんか?それとも自分が拾っていないだけなのか?よくわかりませんでした。
それにしても、
人探しをしてあちこち聞き込みを続けていったら、ものすごい真実にたどり着いてしまった、というお話にはなんとなくデジャヴュを感じるのですが、あぁ、分かった。宮部みゆきセンセーの「火車」だ。
あれはたしか逃亡した多重債務者の女性を追いかける探偵の話だったと思いますが、丹念にその足取りを追っていくとその女性の生い立ちとか生き様とかが浮かび上がってくる、そんなお話でした。
本書は令和の時代の「火車」である
と言ったら言い過ぎでしょうか。たぶん言い過ぎでしょう笑。個人的に「火車」はいままで読了したミステリのなかでもベスト10にずっと入っている作品ですので、本書はそこまでではないですね。
#朱色の化身
#塩田武士
#ミステリ
#芦原大火
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